机の横の骨が入っている大きなプラ製の衣装ケースの中の骨を整理している。湯河原の白銀林道で拾ったタヌキを玄関脇のアジサイの根元に埋めていたが、掘り出したのは空気銃の跡がある頭骨だけかと思っていた。しかし、脊椎や前肢・下肢なども拾っていた。さらに、友人TSから送付された千葉で有害鳥獣で射殺されて埋められていたサルの骨なども出てきた。名札を付けたり、骨に字を書いていなければ出処不明の骨になるところだった。
腰椎の数は偶蹄類では5~7個、食肉目・兎形目7個、ニホンザル7個、ヒト5個である。脊柱を作る骨(椎骨)の中で腰椎は横突起が左右に出ているのが特徴だ。
図1はタヌキの腰椎である。第1腰椎から第7腰椎まで横突起が前方に腕を広げたように伸びている。
図1.タヌキNyctereutes procyonoidesの腹側から見た第Ⅰ腰椎~第7腰椎
図中の1~7は第1腰椎~第7腰椎を示す。
それぞれの腰椎の横に出ているのを横突起と云う(図2も同じ)。
しかし、ニホンザルの腰椎では第1腰椎の横突起は前方ではなく後方に広がっている。ぼくの手持ちのシカ、ウサギ、ネコ、タヌキ、アナグマではこのような腰椎は無い。横突起はどれも横に出て少し前方(頭の方)に曲がるのだ。
図2.ニホンザルMacaca fuscataの腹側から見た第1腰椎~第7腰椎
このような第1腰椎の奇妙な横突起はニホンザル特有なものなのか、それとも他のサルたちも生じているものなのか?ヒトには見られない。