サルの頭骨を左側面から見て、今度はニホンザル♂とタイワンザル♀との比較である。①の角度はタイワンザル♀が90度以上広く、②もやや広くなっており、③はニホンザル♂の方が切れ込みが深い。
図1.ニホンザルMacaca fuscata♂の左側面からの頭骨
図2.タイワンザルM.cyclopis♀の左側面からの頭骨
ニホンザル♂とタイワンザル♀との側面からみた頭骨の違いは、両種間の違いと云うよりも性齢差との可能性が高い。そこで、Chizuko Wadaさんから貰ったタイワンザル♂の写真と比べてみた(図3)。
図3.タイワンザル♂との左側面からの頭骨
図1のニホンザルの頭骨との違いは殆ど見当たらない。ただ、タイワンザル♂の方が口吻部分が短く、そのため脳頭蓋がニホンザル♂より大きい。さらに下顎骨の筋突起や下顎頭の下顎枝が下顎体からほぼ垂直に立ち上がっている。タイワンザルのこの下顎骨の下顎枝の立ち上がりは図2の♀にも類似して見られる。タイワンザルとニホンザルの下顎骨の違いがあると云えそうだ。
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