動物たちの頭骨は左右の骨の部分からひとつの頭骨になっている。前顎骨、鼻骨、上顎骨、前頭骨、頭頂骨、後頭骨さらに下顎骨を含む全てが左右の骨が縫合・癒合する。但し、頬骨、側頭骨、涙骨、聴胞などは左右の骨は縫合しない。
関東に生息するイタチ科3種、アナグマ、テン、イタチの頭蓋骨は、他のイヌ亜目のイヌ科、クマ科、アライグマ科の動物たちの頭骨に比べると殆どのイタチ科の動物たちの頭骨は全ての縫合線が見えずガッチリしていて、頭骨の各骨が癒合している。これは、もちろん他のイヌ亜目以外の動物の頭骨と比べてもガッチリしているのだ。
その結果、アナグマでは左右の下顎骨までが癒合するので下顎骨が上顎骨から外れないことになる。
図1.アナグマMeles meles6個体の頭骨上面から
下段の右2個体はまだ若いことが判るネ。
図2.テンMartes melampus2個体の下顎骨と頭骨上面から
図3.イタチMustera itathsi3個体の頭骨上面から
図1のアナグマ、図2のテン、図3のイタチの頭骨を見てもアナグマの2個体を除いて他の頭骨は鼻骨でさえすべてガッチリ癒合しているのが判る。これらのイタチ科の動物たちはどうして全ての頭骨の骨が癒合するのだろう。15歳で死んだクロの頭骨でさえ、左右の鼻骨は癒合してないし、鼻骨と上顎骨の縫合線は明らかだし、ましてや下顎骨は癒合しない。これらのイタチ科のがっちりと癒合した頭骨は、反芻亜目のシカやカモシカ、さらにはウサギ目の華奢なの頭骨とは比較にならない程だ。
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