シカとカモシカの頭骨で角の有無や形状は別にして、側面から見た頭骨の明らかな違いはシカの前顎骨pmは鼻骨nに接する、またシカの上顎骨mと鼻骨n、涙骨l、前頭骨の間は隙間ができるが、カモシカは涙骨l部分が凹む(図1&2)。
この前顎骨pmが鼻骨nに接しないで涙骨lが凹むのはカモシカとシカを同定するための大きな違いである。図1.シカCervus nipponの左側面からの頭骨
図2.カモシカCapricornis crispusの左側面からの頭骨
図3はチュウゴクゴーラルでウシ科でカモシカの仲間だ。前顎骨pmは鼻骨nとは大きな隔たりがあり、カモシカの特徴を表している。が、涙骨lは凹まない。さらにアフリカのウシ科のポンゴは前顎骨pmが鼻骨nに接し、前顎骨と鼻骨n、涙骨lの間に骨が無い(図4)。まるでニホンジカの特徴だ。
図3.チュウゴクゴーラルNaemorhedus griseusの左側面からの頭骨
図4.ポンゴTragelaphus scriptusの左側面からの頭骨
このようにカモシカ、チュウゴクゴーラル、ポンゴは同じウシ科であるが、それぞれ違う。さらに、側面からでも聴胞の形状を見ると、シカとポンゴが膨らんでいるが、カモシカとチュウゴクゴーラルはそのような膨らみは見られない。下顎の第一切歯も三者三様だ。ただ、興味深い事に、下顎の第三前臼歯は乳歯の時に3本柱がなるのはシカ科、ウシ科に共通している。あるいは、下顎の歯式が3・1・3・3も2科に共通している。



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