今年に入って日中は専ら骨を整理して眺めている時間が多くなった。山歩きが出来なくなったら集めた骨を眺めようとと思っていたが、それが10年くらい早くなっている。散歩しても痛くて思うように歩けないのだ、次第に散歩の距離や時間も短くなっている。
ぼくの右肩が肩鎖関節脱臼になっていて、鎖骨が浮き上がっている。それもあって、このところ肩甲骨と上腕骨、それに鎖骨を眺める事がおおくなった。左右の肩甲骨の見分け方について7月7日アップしたが、誤りだと気が付き、昨日その誤りを正した(左右の肩甲骨の見分け方)。サル類には立派な鎖骨があるが、イヌ・ネコにはないのだ。それが肩甲骨の肩峰・肩甲棘・烏口突起に関係しているのだ。
上野の科学博物館の哺乳類展で撮った写真を見ていて、ん?どうして?ぼくはまた早とちりしていたかな?っと思った。それは、図1のネコの頬骨弓は頬骨側頭突起◎が伸びるが、側頭骨頬骨突起△の下部に入り込む。しかし、両者が接した部分から頬骨前頭骨が上方に伸びる(図1)。
この頬骨側頭突起◎と側頭骨頬骨突起△の関係で、??と思ったのである。
図1.ネコFelis catusの後眼窩突起(前頭骨頬骨突起)〇と頬骨側頭突起◎、側頭骨頬骨突起△
◎と△が結合して頬骨弓となる
図2は、イノシシの頭骨だ。やはり、頬骨側頭骨突起◎と側頭骨頬骨突起△がぶつかったところで、頬骨は側頭骨頬骨突起の下に潜るのと頬骨前頭骨突起が上に伸びる。図2.イノシシSus scrofaの後眼窩突起と頬骨弓
シカやカモシカでは前頭骨頬骨突起(後眼窩突起)〇が伸び、頬骨前頭骨突起と結合して眼窩輪(眼窩を囲む輪)が形成される。
図3.若いシカCervus nippon♀の眼窩輪形成と頬骨弓
もちろん、霊長目のカニクイザルでも頬骨弓側頭骨突起◎は側頭骨頬骨突起△の下に潜るが、頬骨前頭骨突起は上に伸びて前頭骨頬骨突起(後眼窩突起)〇とぶつかり眼窩輪を形成する(図4)。図4.カニクイザルMacaca fascicularis♀の眼窩輪形成と頬骨弓
キツネの頬骨側頭骨突起◎と側頭骨頬骨突起△がぶつかり、頬骨側頭骨突起が側頭骨頬骨突起の下に潜る。が、後眼窩突起〇の真下にある◎と△はほぼ同じ高さになっている(図5)。図5.キツネVulpes vulpesの頬骨側頭骨突起◎と側頭骨頬骨突起△
ホッキョクギツネを見ると、◎よりも△の方が上になっている(図6)。
図6.ホッキョクギツネVulpes lagopusの頬骨側頭骨突起◎と側頭骨頬骨突起△の位置は△が上になっている。
図7.ニホンオオカミCanis lupusの頬骨側頭突起◎と側頭骨頬骨突起△の関係
△が上だ!上野国立科学博物館大哺乳類展20100528
、、、と他の動物たちの頭骨も気になり、トイレ前の廊下の頭骨棚に置いている頭骨を一つづつ手に取って眺めてた。するとノウサギの側頭骨頬骨突起△が頬骨側頭骨突起◎の完全に上に乗っていた(図8)。
図8.ノウサギLupus brachyurusの頬骨側頭骨突起◎と側頭骨頬骨突起△の関係
頬骨側頭骨突起と側頭骨頬骨突起が癒合して頬骨弓が形成されるが、頬骨弓は下顎骨を上に引き上げるための咬筋が付着するために大事な骨である。虫を主に食べるような無盲腸目の仲間やアリクイ、センザンコウでは頬骨弓は無いかあっても頼りない物だ。さらに、視覚で食物を探すか外敵を探すような動物は、頬骨前頭骨突起が発達し前頭骨頬骨突起(後眼窩突起)と結びついて眼球を守る眼窩輪が形成される。
ニホンオオカミやホッキョクギツネの側頭骨頬骨突起が頬骨側頭骨突起の上になるのは、どのような要因でそうなるのか全く分からない。また、ノウサギの場合は発生の時の眼窩の作られ方が、イヌ、ネコと違うと云う事しか分からない。
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