後肢は寛骨と大腿骨、下腿の脛骨や腓骨がある。 脛骨の外側に腓骨がある(図1&2)。ぼくらの足首の内側の踝(くるぶし)は脛骨の内果で、外側の踝は腓骨の外果である(図1)。
図1.前方からのタヌキの左右の脛骨と腓骨
左:左脛骨・腓骨 右:右脛骨・腓骨
→:前縁 ○:内果 ○:外果
図1から見て判るように、左脛骨の前縁は左側(内側)に曲がり、右脛骨の前縁は右側(内側)に曲がる。図2.後方からのタヌキの左右の脛骨と腓骨
左:左脛骨・腓骨 右:右脛骨・腓骨
脛骨と大腿骨が接する関節面を上から見ると、長趾伸筋、第三腓骨筋の起始腱が走る伸筋溝(図3、4、5、6)の凹みがある。右の脛骨の伸筋溝は関節面の右側にあり(図3&5)、左の脛骨の伸筋溝は左側にある(図4&6)。図3.斜め上後方かた見たタヌキの右脛骨の大腿骨との関節面の伸筋溝(○)
図4.斜め上後方から見たキツネの左脛骨の伸筋溝(○)
図5.斜め上後方から見たシカの右脛骨の伸筋溝(○)
図6.斜め上後方から見たカモシカの左脛骨の伸筋溝(○)
以上のように、脛骨の前縁が前から見て左外側に曲がれば左の脛骨であり、最遠端の外側に内果がつく。これはほぼ全ての哺乳類で当てはまりそうだ。しかし、脛骨と大腿骨の関節面の伸筋溝に関しては、手持ちの標本では、アナグマ、イタチ、マングース、ハクビシン、アライグマ、ネコ、ニホンザル、スローロリス、齧歯類、イノシシでは明確ではない(でも、じっくり見れば伸筋溝の凹みを見つけられる)。だから、伸筋溝で左右の脛骨が判断できるのはシカ、カモシカとイヌ科の動物くらいなものかな?
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