昨日は、友人が道路でつまづいて転んで鼻骨を折ったとメールがきた。「CTスキャンで撮られた映像では左右の鼻骨が、、、、」っとある。で、ネットの「哺乳類頭蓋の画像データーベース」や”Animal Dyversity Web”でヒトの頭骨を見た。エ?オトナになっても左右一対の鼻骨がある。以前上野の科博で撮ったヒトの頭骨を見た。鼻骨は正中線で2つに分かれている(図1)。
図1.ヒトの頭骨 左右の鼻骨が認められる
上野の国立科学博物館で
さらに、1997年8月にコンゴ民主共和国のカフジ・ビエガ国立公園で見せてもらった密猟で殺されたシルバーバック(ヒガシゴリラ♂)の頭骨の正面からの写真を見ると左右の鼻骨があるのが判る(図2)。
図2.ゴリラ♂の頭骨 左右の鼻骨の縫合線が判る
鼻骨の中央から横にある線は密猟者にナタで切られた痕
で、手持ちのニホンザル以外のサル類の鼻骨を見た。ニホンザルと同じマカク属のカニクイザルやタイワンザル、さらにはスローロリスの鼻骨は一つだ。しかし、アフリカでもらったオナガザル属のサバンナモンキーや拾ってきたアカコロブスやもらったスリランカのハヌマンラングールのコロブス亜科のサルでは左右の鼻骨の縫合線が判った。
ぼくは早とちりしていた。ニホンザルは前頭骨ばかりでなく左右の鼻骨も生まれた時から癒合しているので、キツネやシカ、ネズミなどの他の哺乳類とは違って霊長目の特徴だと思っていたのだ。
友人のKWが転んで鼻骨を折らなければ、しばらくは霊長類の鼻骨は生まれながらに一つだと思い違いしていただろう。KWに感謝だ!早く治ることを祈る!
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