トガリネズミ目の骨盤結合である:
日本に生息するトガリネズミ目Soricomorphaはモグラの仲間とトガリネズミ・ジネズミの仲間だけであり、移入動物で小田原周辺に生息しているハリネズミはハリネズミ目Erinaceomorphaだ。
以前ならこれらは食虫目Insectivoraとされていた。
まずは、
モグラ科のコウベモクラの骨盤だ。
左右の恥骨がまるで板を張り合わせるように癒着している。
ヒミズの骨盤だ!
左右の寛骨は恥骨部分でも大きく離れている。
次は、トガリネズミ科のトガリネズミの骨盤だ。
これはモグラ科のヒミズの骨盤と違いがないように見える。
これはモグラ科のヒミズの骨盤と違いがないように見える。
コウベモグラとヒミズはモグラ科であるが、トガリネズミはトガリネズミ科だ。
しかし、寛骨が恥骨で癒合の有無では、ヒミズとトガリネズミが双方とも大きく離れている。
コウベモグラは恥骨結合が見られる。
左右の寛骨の恥骨結合から始まり、次第に座骨まで結合していく、進化ストーリーを思い描いていたが、まったくそうではないと言える。
興味深いことに、寛骨だけを取り上げれば、齧歯目やトガリネズミ目の小哺乳類では性成熟が早いためか、生後すぐ恥骨・座骨・腸骨が癒合してしまう。
それは、イヌやネコ、さらにはシカのように半年もすれば三つの骨が癒合してしまうが、サルでは生後半年では、恥骨と座骨がまだ完全に癒合していない。
恐竜では、三つの骨はオトナになってもバラバラだが、左右の恥骨も座骨も接して癒合しているようだ。でも、癒着がどの程度か国立科学博物館の竜盤目のこの恐竜では今、一つ不明だ。
いずれにしても、腸骨や座骨、恥骨が結合して寛骨になることや、
哺乳類では恥骨結合から座骨も結合していくが、トガリネズミでは恥骨さえも結合せずに離れているのは、これらトガリネズミ目の動物たちは哺乳類の進化の時系列から見ると
後になって生まれてきた動物群なのかもしれない。
骨盤は生態、生理、歩行様式が絡んでいるから、骨盤結合のことを語るのは大変難しいことだ。
とりあえず、両性爬虫類のものはどんな風になっているのか見たい!
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