咀嚼筋の事を調べていて、動物たちの下顎骨を眺めていたらアメリカモモンガの下顎骨の角突起が幅広く内側に入り込んでいることに気が付いた(図1,2)。多くの哺乳類の下顎骨の角突起は特に内側には曲がっていない(図3)。この角突起の内側に翼状突起から出る咀嚼筋が着くようだ。
図1.アメリカモモンガの頭蓋骨
図3.タヌキの下顎骨
左:コドモ 右:オトナ a:筋突起 b:下顎頭 c:角突起
このアメリカモモンガと有袋類のフクロモモンガの頭骨を小さな8ミリビデオのケースに容れている。何とフクロモモンガの下顎骨の角突起も内側に曲がっている(図4)。
図4.フクロモモンガの頭蓋骨
右の下顎骨の角突起が内側に曲がる
エ!っと思い食性を調べた。アメリカモモンガは木の実、種子、樹液、茸、地衣類を食べ、鳥の卵や雛、ネズミ、昆虫、腐肉を食べ、フクロモモンガは雑食性で、ユーカリの樹液、花粉、昆虫、サソリやクモ類、小脊椎動物を食べるようだ。似たような食性だ。しかし、歯式が全く異なると云うばかりでなく、そもそも有胎盤類のアメリカモモンガと有袋類のフクロモモンガで全く異なる動物群だ。しかし、有袋類はオートストラリアで適応放散し世界中に生息する有胎盤類の哺乳類と同じような形態や生態・行動を持つ。モモンガと名付けられているように双方ともに同じような形態・生態をしている。それで、下顎骨の角突起も双方で同じように内側に曲がっているのだろうか?
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