哺乳類の目(Order)の中で最も変化に富んだ頭骨は齧歯目RODENTIAのものだろう。その中でもチンチラの頭骨にはちょっと驚かされる。チンチラは南米にいるウサギのような耳をしているヤマアラシに近い齧歯類だ。図1はチンチラの頭骨である。頭頂骨の後ろの左右に膨らんだ大きな骨がある。この骨は何の骨だろうか?
図1.チンチラChinchilla lanigeraの上面の頭骨
チンチラの頭骨を底面から見ると、膨らんだ大きな聴胞(側頭骨鼓胞室)がある(図2)。真後ろから見ると(図3)、大孔の上に後頭骨があり、後頭骨は膨らんだ聴胞に囲まれている。いやー、それにしても聴胞が大きい。
図2.チンチラの下顎骨と頭骨底面
図3.チンチラの頭骨後面
図4.チンチラの大きな外耳孔、頭骨右側面
Mark Elbroch著「ANIMAL SKULL A Guide to North American Species」 "STACKPOLE BOOKS"にポケットマウス(p.302-318)の頭骨の説明などから、膨らみbや後ろの後頭骨の左右の膨らみeも側頭骨であると判った。図5.チンチラの頭骨上面
a:頭頂骨 b:側頭骨
a:頭頂骨 b:側頭骨
図3.チンチラの頭骨後面
a:頭頂骨 b:側頭骨 c:頭頂間骨(インカ骨) d:後頭骨 e:側頭骨
Learn Now with this Article on Diagnostics by Serena Z. G. Brenner and More のFig.1にチンチラの頭骨図と骨の説明があり、上記のa,b,c,d,eの骨の名称が判った。但し、このFig.1ではbやeも聴胞(側頭骨鼓室)になっている。しかし、聴胞はないだろうと思っている。上記のMark Elbrochの本では「膨らんだ側頭骨」となっている。これが妥当だと思う。図3を見てまた思うが、聴胞が大きく膨らんでいる。
しかし、北米は、海岸、草原、湿地、砂漠、森林、高原と広大な為に齧歯類は200種以上いるようだ。日本は20数種なのでとても話しにならない。日本生息(外来種を含む)の齧歯目は、ネズミ科、ヤマネ科、リス科、ヌートリア科の4科だけで、4科の区別も頭骨ですぐ判る。が、北米では8科(ドブやクマネズミなどのネズミ科は移入種などで除く)もある。こりゃー大変だ!






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