偶蹄類の頭骨の上からみた脳頭蓋の大きさの割合をイノシシ、カモシカ、シカで比べた(図1)。イノシシが他の2種に比べると脳頭蓋の割合が顔面頭蓋より少ないかな?っと思えるが3種ともほぼ頭骨の半分くらいが脳頭蓋である。ニホンザルでは2/3~3/4、タヌキでは3/4、ノウサギでは1/2以下だった。因みに野生のイノシシとブタとの雑種の猪豚はイノシシに比べて脳頭蓋の割合が多くなっている(図2)。
図2.イノブタSus sp.の脳頭蓋の割合
イノシシの方がイノブタよりも顔面頭蓋が脳頭蓋より大きいのは、食物を摂取するのに視覚より、嗅覚に頼り、しかも地中に存在する節足動物や根茎類を探して食べ、さらにそれらを噛み砕くための臼歯が発達したために顔面頭蓋の口吻部(上顎骨、前顎骨、鼻骨)が伸びたためと考えられる。




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