ぼくは、右の眼窩上縁と眼窩下孔を階段から転げ落ち潰した。それで、眼窩下孔が潰れて孔を通っている神経が圧迫され、5,6年もの間、右上顎の歯茎が麻酔薬をうたれたように痺れたような感じであった。もう、20年くらい前の話しだ。それで眼窩下孔を通る神経や血管について少し調べた事があった。
アナグマの眼窩下孔は他の食肉目の動物たちと比べ物にならない程に大きい(図4)。大きな眼窩下孔をもつ動物は、ヌートリア含む齧歯目に多い(図1,2)。
齧歯目の上顎骨の吻部から出る内側咬筋が眼窩下孔を通って下顎骨の外側に付着する(図3)。
図1.スミスネズミEothenomys smithiiの眼窩下孔(→)
図2.眼窩のように大きなヌートリアMyocastor coypusの眼窩下孔(←)
図3.ネズミ目の頭骨と眼窩下孔と内側咬筋(青線)
from ADW
アナグマの眼窩下孔は他の食肉目のタヌキ(図5)や霊長目のニホンザル(図6)などの動物たちと比べると非常に大きい(図4)。恐らくこの孔には、神経や血管ばかりでなく大きな眼窩下孔を持つ齧歯目の動物たちのように内側咬筋が通るのだろう(図7)。
図4.正面からのアナグマMeles melesの頭骨と大きな眼窩下孔
図5.正面からのタヌキNyctereutes procyonoidesの頭骨と小さな眼窩下孔
図6.正面からのニホンザルMacaca fuscataの頭骨と非常に小さな眼窩下孔 ヒトも小さい
図7.左側面からのアナグマMeles meles頭骨と眼窩下孔を通る内側咬筋(青い線)
実際には、死んで間もないアナグマの頭骨の剥皮を行い、眼窩下孔に通る物を調べれれば一番良い。図7のアナグマの眼窩下孔を通る内側咬筋はぼくの想像図である。
それは、これだけ大きな眼窩下孔なので、神経や血管ばかりでないことは明らかだ。となれば他の組織が走る事は確実だ。
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