先ほど、目の前の上のディスプレイが乗っている棚のサル、タヌキの頭骨を見ていて、いつも当たり前の事と思っているがそれを言葉(文字)に表したことがないのに気が付いた。それは犬歯を持つ動物では、下顎の犬歯は上顎の犬歯の前に位置することだ。
日本に生息の哺乳類で、上下の犬歯を持つのは、真無盲腸目、翼種目、霊長目、食肉目の仲間、鯨偶蹄目のシカやイノシシの仲間がいる。ここでは、モグラやコウモリの頭骨は小さすぎるのでアップしない。サルの仲間としてアフリカのレッドコロブス、タヌキ、ネコとキョンの頭骨を図1に、イノシシを図2に示す。いずれも下顎骨の犬歯が上顎骨の犬歯の前に位置している。
っと、ここでイノシシの仲間でスラベシ島に生息するバビルサは上顎の犬歯が上顎骨を突き破って上方に伸びているので知られている。スラベシ島のサルを調査していた友人KWが撮った写真をアップする(図3)。この写真では、犬歯の前後が明確でないので、頭骨をアップする(図4)。明らかに、下顎の犬歯の方が上顎の犬歯よりも前にある。
図1.左からレッドコロブスColobus badius、タヌキNyctereutes procyonoides、ネコFelis catus、キョンMuntiacus reevesiの頭骨
赤↑は下顎骨の犬歯
図2.イノシシSus scrofa♂の頭骨
赤↑は下顎骨の犬歯、上の犬歯と重なって不明瞭(クリックして拡大)
図3.採食しているバビルサBabyrousa celenvensis♂(左)
from KW
図4.バビルサ♂の頭骨 from KW
上顎犬歯は上顎骨を突き破る。
下顎の犬歯が上顎の犬歯の前に位置するのは、下顎骨の歯並びと上顎骨の歯並びに関係していそうだ。それは、どの動物の下顎の犬歯も切歯と接するように横並びだ。但し、イノシシは切歯と犬歯の間に隙間がある。上顎の切歯は前顎骨から出るが、犬歯は前顎骨から少し離れた上顎骨から出る。その為、その隙間に下顎の犬歯が入り込むことになる。
イヤー、驚いた。元旦の能登地震と昨日の羽田空港の事故。今年は気を引き締めて気をつけよう!
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