今夏、釧路に帰省した際に雌阿寒岳に登ろうと思っていた。
が、雌阿寒岳は噴火レベルが引き上げられて登山規制がかかっていたのを思い出し、釧路に行く前にネットで、再度、雌阿寒岳の火山情報を見たら「噴火警戒レベル対象火山」のレベル1となっていて、活火山であることに留意することとなっている。
あの御岳山のこともあるので雌阿寒岳は考え直した。
では、雄阿寒岳を見ると、「噴火警戒レベル対象外」となっている。
40年以上前に、雌阿寒岳に連れ合いと登った時、
気が付いたら阿寒富士の山頂は我々二人だけになっていた。
それまでは、広島大学のサイクリング部の人たちが自転車を担いで登ってきていて
賑やかだったのだ。
我々二人だけになると、雌阿寒岳の火口からの噴煙の音が不気味に感じて、
恐ろしさから遠ざかりたい一心で下山したのだだった。
雄阿寒岳は雌阿寒岳に比べて登り降りはきつく、できれば雌阿寒岳に登りたいと思っていた。
今回、釧路に行った8月1日から数日間は雨模様のすぐれない天気だった。
が、4日は晴れて、5日も晴れの予報だったので、5日は4時半に起きて近くのコンビニでお昼用の食料やスポーツ飲料などを買い、「まりも国道」と呼ばれる国道240号線を阿寒湖畔に向けて走った。明治時代のこの国道建設で、多数の労働者が人柱として死んだことは中・高生の時に話しに聞いていた。
このことについては吉村昭の「赤い人」や小池喜孝の「常紋トンネル」に詳しい。
この道を平均時速80キロで、6時には目的の雄阿寒岳登山口の駐車場に着くことができた。
以下、GPSをオンにしたのが6時21分、下山してオフにしたのが14時32分であり、
約8時間かかって往復したことになり、GPS上では16.7キロ歩いたことになる。
下のルート図の①~⑨は一合目から九合目までの登山標識があるポイントである。
GPSをセットしてからトイレに行き、出発だ!トイレのある場所から一段登ったところにも四台駐車している。6:23:この滝口のところを巻いて行く。
6:24、登山届箱と登山者への注意:山頂までの平均往復時間は7時間とある。ぼくは8時間で往復だ。
植物土砂の採取禁止・落石注意など細かな登山注意書き。
6:25、左手は太郎湖だ。
6:32、太郎湖から釧路川となる源流場所のダムの上の鉄の網目の路を渡る。
錆びているので、網目の下の支えの鉄板の上を慎重に!
6:34、これが太郎湖から流れ出た釧路川の源だ!轟々と流れ下る。
上の写真の左上の土手にシカ糞だ! 一か所にまとまって大量にある。これが丹沢で見つけるとカモシカ糞ということなるかな?
え?タマゴタケだ!釧路地方にもタマゴタケが出てくるとは思わなかった。
6:52、家族連れが賑やかに歩いている。なんとぼくが追い越すことになる。
彼らもキノコの写真を撮っていた。日高地方からの家族だ。両親はもとより子供たちも頭から足までしっかりした登山姿だ!
6:57、登山者の数を数える自動カウンターとようだ。おもしろい!往復別々にカウントされるのだろう。
一合目:7:06 ようやく、一合目の看板が出てきた。
7:10、頂上まで5000メートルという立札がある。
7:16、イグチ科のキノコがある。
7:26、頂上まで4500メートルという立看がある。約15分で500メートル雄阿寒岳に近づいた。
7:32、タマゴタケだ!
7:32、倒木の場所に来た。「危険、迂回」と書いてある。が、ぼくは潜る。何のことは無い。ちゃんと倒木の枝もノコギリで切り落とされていて、迂回する必要はない。帰路も潜る。
二合目:7:37 左に倒れかかった古い古い二合目の道標がある。
7:46、頂上まで4000メートルの看板 約40分で1000m山頂まで近づいた。
7:53、ここは一度少し、下る。苔むし、風穴がのぞく。雄阿寒岳の爆発で大きな岩が転げ落ちてつもり重なったようだ。その雰囲気はこうだ!
三合目:8:09 おー、もう三号目だ。
8:14、クマザサの中を掻き分けるように進む。ストックが使いづらい!
8:32、頂上まで3000mの看板だ!何故か左足の太腿に違和感がある。
四合目:8:41 四合目なのに、半分以上クリアしました。と書いてある。ん?どうして四合目なのに半分以上クリアしたことになるのかな? ここで、持ってきたバナナを朝飯代わりに食べる。左の太腿がオカシイ。
9:26、岩がごろごろした道を登る。小犬を連れた70歳前後の登山者が降りてきた。ぼくは「暗いうちに登ったのですか?」と聞いた。登山者は一昨日にその犬を連れて雌阿寒岳に登ったが、今回は犬が登らないので途中で引き返してきたようだ。シーズ犬くらいの小型犬なので50センチもあるような段差を登るのに疲れたのだろう。
そのことより雌阿寒岳に登ったというので、雌阿寒岳の様子を聞く。
さらに、快適に降りてきた50代の登山者に出逢う。朝4時半に登り始めたようだ。この登山者は昨日雌阿寒岳に雌阿寒温泉から登り、オンネトーに下山したようだ。
あー、雌阿寒岳に登れるんだ!雌阿寒岳に登りたかった!と思う。彼はそれを察したのか明日登れば良いですよ!と言ってくれるが、ぼくの足では二日連続はもう無理だ!
左足の太腿や脹脛が同時に攣る。え!早くも攣る?これはマズイので、岩の上に腰かけて持ってきた内科医から処方されたエベリゾン塩酸塩錠を一錠水と共に飲み、さらに味の素のamino VITALを一袋口に入れ、スポーツ飲料で流し込む。立ち上がり、そろそろ歩く。こまめに水を摂ることにする。足の攣りの原因の一つに水分不足があるのが経験的に知っているからだ。
五合目:9:36、何とここまで来たら8割クリアと看板に出ている。 それなら八合目としたら良いではないか!左足の攣りは無くなったし、太腿の違和感も無くなった。暑つさでメガネが額から流れ落ちる汗で曇って鬱陶しい。
9:49、こんな雰囲気の平地のようなつづら折りの道を歩く。気持ちが良い。下から家族連れの声が聞こえてくる。
9:57、阿寒湖や雌阿寒岳を一望できる場所がある。噴煙が見える。すると、すぐ、六合目だ!
六合目:9:57 この六合目の写真を撮っていると、追い抜いた家族連れがやってきたので、先に行ってもらう。 10分くらいで七合目に着く。
七合目:10:12 登山道にダケカンバの枝が覆いかぶさりストックで払い除けるようにして歩く。
この辺りからガンコウランやフレップなどの高山植物が登山道沿いに出てくる。
この辺りからガンコウランやフレップなどの高山植物が登山道沿いに出てくる。
イワギキョウの横にダケカンバが伸び出している。
10:19、砂礫の道を登る。直射日光が暑い!が、風は涼しい!
振り返ると眼下には阿寒湖だ!ここは帰路が気持ちが良い。
八合目:10:25 お花畑のところがハイマツやダケカンバで覆われている。砂礫の上に座ってイワブクロを撮る。こんなに暑いのにお前たち大丈夫か?と思わず声を掛ける。
10:27、 山頂方面から家族連れの子供の声が聞こえてくる。彼らは山頂に達したようだ。
10:37、山頂への登り路 降りてくる夫婦連れの登山者二組とすれ違う。
九合目:10:38 山頂に行くには、再び登らなければいけない。この場は暑い。イワブクロの花は暑さに強い?でも夜は相当冷えるだろう!
九合目の道標には小さなヒョウタン池が見えるかな?と書かれているが、水が枯れてヒョウタン池は無い。ん?っと云う事は雄阿寒岳も活動し始めてきているということか?
山頂着:10:49 パンケ・ペンケ沼を見下ろしながら、さらに屈斜路湖や摩周湖を見下ろしながらオニギリ一個を食べる。山ガールが一人登ってきた。山頂は家族連れと山ガールとぼくの六人だけだ。登りは、4時間20分掛かったことになる。家族連れの奥さんから屈斜路湖などの下に見える湖の事を聞かれる。彼らは知床の羅臼岳やあの石清水の上を登る斜里岳も家族で登ったようだ。
そういえば、我が家の娘たちも小学生の頃は雌阿寒岳に家族で登ったんだ!
声がするので、振り返ると登山者が八合目辺りに見える。ガスってきた。
11:18、頂上での記念写真を撮って下ることにする。
11:19、中高年登山者たちが登ってくる。
足が攣らないように、水を補給し、飛び跳ねないようにゆっくりゆっくり下る。七合目を過ぎて山頂にいた山ガールに道を譲る。早い、飛び跳ねるようにスイスイ下って行く。若者の足が羨ましい。
五合目を過ぎた大きな石や岩場の下りで、ぼくよりも明らかに年長の単独行の人とすれ違い、互いに「こんにちは」っと挨拶する。っとぼくは「スミマセーン、オイクツですか?」と声を掛ける。彼は、八十歳、否、もうすぐ八十で今は七十九歳だと云う。ぼくは自分の年齢を言う。七十歳はまだ若いし強いと言われる。うん、ぼくも八十歳まで頑張ろうと云う気持ちなる。
12:38、四合目 ここで、岩の上に座って、焼きオニギリ一個食べ、水を補給する。水は500ccとスポーツ飲料500ccを持ってきた。両方とも半分くらい残っている。グレープフルーツかオレンジを食べたい。いつも山にくるとそう思う。身体が要求しているんだ!次回こそ山登りする時は持って歩こう。
一合目の道標を過ぎてから家族連れの父親と次女に先を言ってもらう。さらに次郎湖の辺りでお母さんと長女にも抜かれる。すぐ彼らは見えなくなる。早い!
14:30、登山口の看板着
14:32、トイレのある駐車場着 下りは、3時間10分かかった。
両足・腰が痛く、ピノキオになったような歩き方で妹から借りた車に辿り着く。雄阿寒岳に登って良かったぁー!と運転しながら思う。
帰りのまりも国道はまるでジェットコースターの下りのような真っ直ぐな一本道だ。時速が100キロを超えないようにしなければいけない。道路上には至る所に「シカ注意」と書かれているが、とうとうシカには遭えなかった。
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