インドに着いた翌朝、国内便で以前ベナレスと云ったワーラーナシーに飛び、
すぐ車で以前ガンジスと云ったガンガー川の岸辺(ガート)に向かう。
途中2度ガンガに流れる支流の橋を渡る。
岸辺はゴミ捨て場であり、溝の臭いがする。
ぼくの子供の頃の日本も何でも川に捨てていたのだ。
しかし、今は燃えない、腐らない自然分解しない化学物質の加工物が
天然の物と一緒に捨てられている。
これは、中国大陸も同じだ。
このあたりの環境教育を徹底するには、今教育を受けている子供たちが
大人になって次の次の世代が出てくるまでは難しい。
たくさんの巡礼者たちが歩く。皆裸足だ。
天秤棒のように肩に背負っているのは聖水であるガンガーの水を容れて
故郷へ持ち帰る容器だ。
少しの聖水でも他の水に混ぜるとその水も聖水になるようだ。
車の上に載った巡礼者たちもいた。
それにしても凄い渋滞だ。
この夜はお祭りのようであった。
それでなくても全国から否世界各地から巡礼者や観光客が集まるのに、
凄い人混みだ。
まるで、江の島の花火大会を見にきたような雰囲気だ。
急に、人々が騒ぎ始め、ガイドのジョシさんがぼくらに危険だから下がるように言う。
何事かと思ったら何のことはない小さなオオトカゲの子供のようだ。
どうも川を流れる物に載って流れてきたようだ。
ジョシさんがあまりにも怖がるので、ぼくはシッポをつかんでガンガーに放り投げた。
ボートの上に落ちないで上手く川面に落ちてくれた。
お祭りを手漕ぎボートに乗って見る。
船頭さんは一人で、8人とジョシさんと船頭さん本人を載せて力強く漕ぐ、漕ぐ。
ぼくらは感動してしまう。
聖なる川ガンガーは茶褐色に濁り、ホテイアオイを含むさまざまな物が流れてくる。
ぼくは当初はガンガーで、インドの人々に混じってうがいをして沐浴するつもりだったが、
うがいなどはとてもできそうもない。水そのものが汚いのだ。
インドに来て2日目だからそう思うのも当然か!
途中の支流で見たように、全ての物を川に流して身の回りを清らかにしようとする。
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