ぼくは今66歳である。ぼくをここに誘ってくれた和田一雄さんは、
2000年前後に秦嶺山脈のキンシコウを追跡していた頃は、
現在のぼくの歳をすでに越えていた。
にも関わらず、二人で急斜面のザレ場をグリセードで一気に下ったり、
(その時ついてきた西北大学の学生が滑落して大けがをした。)
岩場をバランス良く、登ったりしていた。
当時、ぼくは膝の痛みに苦しんだが、和田さんはそんなこともなく山を登り下りしていた。
2003年には、有に70歳を超えていた。あのプロスキーヤー?の三浦雄一郎とは
学生の頃、同じ部屋で暮らしたようだ。
となれば、彼ら戦前生まれは粗食に耐えて少年、青年時代を過ごしてきたわけだ。
それが、生きる力のようなものを生み出させているのかもしれない。
さて、キンシコウである。
横倒しの太い木の上では一組の単雄群のメンバーが休息しているようだ。
手前の木が邪魔だが、、、。
近くのこの2頭の子どもは互いにグルーミングをし合っている。
ホィ!と声を出して、彼らの反応をうかがった。
2頭とも振り返って、こちらを見てくれた。
まるで、「あんたそんな湿ったところに座って何しているの?」と問たげだ!
今度は、こちらを見ながらグルーミングだ。
今のぼくのホィという呼びかけの声に、40mくらい離れた横倒しの木の上の個体を
こちらを見ている。
やはり、彼らはぼくらを気にしながら休息していたのだ。
が、このアルファオスは寝入ってる?
動じない。そんなお前たちの声でいちいち反応などしていられるか?
という感じで、苦み走った顔をしている。
下唇の端のイボ状のものがかなり大きい。乳首も脇の下の方によっている。
立派なオスだ!
横倒しの上のサルたちは再びグルーミングを始めた。
左側の奥にもまだ他の個体がいる。
奥の大きな木につかまっているのが、この単雄群のアルファメールか?
と思ったが違った。
オトナメスであり、他のオトナメスをグルーミングしている。
中の2歳くらいのチビがこちらを見ている。
何となく、全体が騒々しくなった。休息が終わったようだ。
移動し始めるのかな?
行動や社会学的観察なら、こうやってカメラを構えることは少なく、
ほとんど双眼鏡だけで観察する。
太い木の上には何頭いるか?
チビの性別は?
グルーミングの時間や部位や、どんな個体と?
個体間の距離は?
しかし、ぼくは写真を撮ることが目的なので、ファインダー越しに考えるだけで、
分らなくても双眼鏡で確かめようとはしなかった。
それにしても、カメラの機能をもう少し理解してカメラを上手に使えるようになりたいものだ。
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