16日に金沢林道を歩いた時、テン糞11個を拾った。クマ糞2個については既にアップした。テン糞の内、ヤマザクラを食べた糞は7個でヤマグワは4個であり、ヤマザクラとヤマグワの両方の果実を食べたものはなかった。また、果実の他に節足動物や小哺乳類を食べた糞が4個あった。小哺乳類はモグラ科の動物であり、一つはアズマモグラの歯であった。
図1. 6:57テン糞1
ヤマザクラ種子・果実、ムカデ脚、ヒミズ亜科毛・骨片・爪(図1')
図1'. ヒミズの爪と腓骨部分
図2. 7:10テン糞2
ヤマグワ果実・果柄・種子
図3. 7:31テン糞3
ヤマザクラ果実・種子
図4. 7:51テン糞4
ヤマザクラ果実・種子・果皮
図5. 7:55 テン糞5
ヤマザクラ果実・種子・果皮、ヒミズ亜科毛
図6. 7:58 テン糞6
ヤマザクラ果実・果皮・種子
図7. 7:59 テン糞7
ヤマザクラ果実・果皮・種子、甲虫・外翅・内翅・肢
図8. 8:05 テン糞8
ヤマグワ果実・果柄・種子
テン糞9のナイフの左下に大小4個+αの糞塊があり、それらを全て拾った。拾った時はヤマグワの他に昆虫でも食べた糞かな?っと思っていた。尚、この時にナイフを拾い忘れた。
水洗いして、ヤマグワ種子や果柄の他にモグラ科の毛が混じっていたので、茶漉しに残った残差を白いプラの鉢受けに空けてピンセットで除きながら骨や歯が出てこないか目を凝らした。始めはヒミズ亜科のヒミズかヒメヒミズだと思った。が、図9’にあるようにC(上顎犬歯)とC(下顎犬歯)'を見つけた時はヒミズ亜科ではなく、アズマモグラだと確信した。手持ちの2個のアズマモグラの標本と比べた。うん、間違いない。しかし、これまで全く気が付いていなかった。モグラの犬歯の根は前後に分かれて二股になるんだ。臼歯の根も、上下の犬歯C,C'の根も閉じていない。ということはまだ若いアズマモグラなんだ!
図9. 8:08 テン糞9
ヤマグワ果実・果柄・種子、アズマモグラ・爪・上下犬歯・臼歯・毛
図9'. テン糞9のアズマモグラの犬歯C&C'と爪N及び下顎臼歯
図10.8:42テン糞10
ヤマザクラ種子・果実・果皮
図11. 10:55 テン糞11
ヤマグワ果実・種子・果柄
表1.テン糞11個の内容物
ちょっと、面白い事に気が付いた。湯河原の白銀林道のフクロウが何年も巣として使っていた樹洞の中に積もった口から出されたペリットでは、アズマモグラ、ヒミズの骨や歯は詳細には分析してはいないが、ほぼ同じ割合で見つかっている。しかし、テン糞の内容物として出て来る割合は、モグラ:ヒミズ=10:37で、圧倒的にヒミズ(ヒメヒミズも含む)の割合が高くなる。これは、どうしてなのか?フクロウは視覚で獲物を捕まえるが、テンは臭いや音で獲物を捕まえる。モグラは地中から出てきて地上を動き回る時にフクロウやテンに捕食されるのだろう。ヒミズは地中などには潜らずにいつも地上すれすれに動き回っているからテンに見つかる確率は高くなるのだろう。どうだろうか?
0 件のコメント:
コメントを投稿