今日、TCA専門学校へ行って野生動物専攻2年のTsuruta君からリュウキュウイノシシの左の上顎骨の一部をもらった。
彼は、沖縄や小笠原や奄美大島に行ったりして、両性爬虫類の調査旅行をしている。
今回は、奄美大島に行き、国直海岸でリュウキュウイノシシの臼歯のならんだ左の上顎骨をぼくへのプレゼントとして持ってきてくれた。
このようなプレゼントが一番嬉しい!
Fig.1の写真から判るように第一前臼歯が欠落しているだけで、他の臼歯は全てあり、第三臼歯が半分出かかっているので、性成熟を過ぎた個体である。
性別はこれだけでは難しいが、手持ちの7個のイノシシ頭骨から、
第二前臼歯が第三・第四臼歯よりも下方になっているのは、大きな犬歯の影響と思われるので、オスと判定したが、どうだろうか?
Fig.1 国直海岸にあったリュウキュウイノシシSus scrofa riukiuanus臼歯が並んだ左の上顎骨を左側側面から撮る。
Fig.2 リュウキュウイノシシSus scrofa riukiuanusの臼歯の並んだ左上顎骨を舌側から撮る。
それにしても普段みているイノシシの歯と比べて小さいので、滋賀県産のメスイノシシの比べてみた(Fig.3)。
見ての通り、一つ一つの臼歯の大きさは滋賀県産のものと半分から2/3である。
同種の哺乳類では島嶼部に生息するのは小型になる傾向がある。
リュウキュウイノシシは、奄美大島、徳之島、沖縄島、石垣島、西表島の島々に生息する。
本州や四国、九州に棲むイノシシもアフリカヤユーラシア大陸から見ると島である。
当然、アフリカやユーラシアに生息するイノシシよりも小さいのだろう。
安部永監修「日本の哺乳類」東海大出版では、リュウキュウイノシシの体重が40-50キロ、ニホンイノシシが50-150キロ(中国山地)で、ユーラシアや北米生息のイノシシでは60-272キロ(http://animaldiversity.org/accounts/Sus_scrofa/)であり、ニホンイノシシよりも大きい。
哺乳類では同一種が島嶼部に生息すると小さくなるという原則が貫かれている。
Fig.3 リュウキュウイノシシSus scrofa riukiuanus(上)とイノシシSus scrofa(下)の臼歯比較
2 件のコメント:
今日、上野の国立科学博物館へ行き、琉球猪の剥製を見たばかりです。タイムリーな記事を有難うございます。
1.5センチ位の牙を見て、これなら噛まれても大丈夫かも、なんて思っていました!
Akikoさん コメントありがとう!
上野の科博でリュウキュウイノシシの剥製を見てきたとのこと、1.5センチ位の牙ですか!可愛い牙ですね。でも、それは口外に出ている部分ですね。1.5センチも出ていれば、その犬歯で突かれれば大怪我しますネ。
リュウキュウイノシシについてよく知らないので、Akikoさんのコメントがあったので、ネットで調べてみました。画像を見ると犬歯があまり見えない画像が多いですね。身体が小さいので人間に向かってくることも無いのかもしれませんね。
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