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2012年9月9日日曜日

サルメンという老メス Old female Japanese monkey!

先日、「ヒトの子どもが寝小便をするわけ」を買ってくれた東京在住の読者から、メールをいただいた。その方は、高齢者や障害者の施設などを訪問しているボランティアの理美容師である。
 
施設に入っている人たちは、表情も乏しく暗いが、理美容をした後は、明るい表情になり「ありがとう」とお礼まで云ってくれるようだ。
そこで、その方は高齢者や障害者の表情が乏しいのは、他の人たちとのスキンシップをともなう社会性が欠如しているためではないだろうか?と考えるようになったようです。
 
そこで、サル社会の老後はどんな様子なのか知りたいとメールをくれたのです。
サル研究においても、老齢ザルの研究をする人たちが増えてきているようです。
しかし、ぼくは老齢ザルに注目して研究してきた訳ではないので、その印象を述べたいと思います。
 
下は、1968年3月の箱根T群のサルメンという名の群れ一番の老齢メスです。
背骨や手足の関節は曲がったままででした。
もう、25歳以上の年齢で、その娘と思われるフクニュウも15歳前後でした。
この血縁は群れ内では一番強い集団を形成していました。
サルメンがよたよたと歩きながら口を半開きにしてケッケッと威嚇すると
若いメス個体でも彼女にその場を譲ります。
ですから、サルメンはメスの中では一番順位が高い個体でした。
サルメンは、娘のフクニュウやジロコにグルーミングされることはありました。
しかし、他個体と離れていることが多く、単独で休息しておりました。
背骨が曲がり、手足も曲がったままですので、木に登ることはできなく、採食時も木の下にいて上から他個体が落とす果実を拾って食べておりました。
もちろん、群れの移動にはついていけませんでした。
その為、群れの移動方向とは違う方向へ移動して、自分だけの安心できる場に座っていることもありました。
 
そんな訳ですので、群れ内にサルメンを見つけることは難しかったのです。
つまり、群れにサルメンがいることは少なかったのです。
1970年8月を最後に彼女はもう群れに表われませんでした。
 
その後も老齢メスを観察してきましたが、どのメスも群れから離れがちになることです。
群れの移動についていけないからというよりも、自ら群れとは距離を置いているように思いました。
老齢ザルと他個体とのグルーミング関係のデーターを洗い出して見なければ、正確なことは何とも言えませんが、血縁集団内の年齢層別のグルーミング関係を明らかにすることで、
老齢ザルが他の年齢の個体と比べて、グルーミングの頻度や時間などがどうなのか解るとおもいます。
予想できるのは、老齢ザルのグルーミングというよりも、
老齢個体は他個体との接触が少ないでしょう。
 
サルの場合は、生きるという気力は体力。体力は冬の樹皮や冬芽が食べられること。樹皮が食べられるのは、歯が揃っていて摩耗していないことです。
サルが老齢化すると、歯が磨滅したり、欠如します。しかし、ヒトは入れ歯などの人工歯で生きる力を生み出すことができます。

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