12日に採集してきたイノシシの糞を水洗いして驚いた。
前回(1月21日にアップ)の糞は糞全体が異様に固く、崩すのが大変だった。
植物質の塊だと判ったが、今回は力を込めて崩し、潰した。
S①で11時58分に見つけた糞
植物質の塊だと判ったが、今回は力を込めて崩し、潰した。
S①で11時58分に見つけた糞
S②で12時49分に見つけた糞
2つの糞とも表面にマメガキかケンポナシの種皮状のものが浮き出ている。
水をじゃぶじゃぶ流して洗った。
この種子を見つけた場所は、シカの死骸の場所からそう遠くない。
S②の位置からシカ死骸までは直線で700mだ。
2月8日に遭ったイノシシとこれらの糞の持ち主とは同じ個体の可能性もあるだろう。
ぼくは2つのイノシシの糞からシカ死骸を食べた痕跡で出てくると思っていたのだ。
しかし、これら2つの糞の内容物は、
オニグルミの堅果を粉々(大きいもので5ミリ四方)に噛み砕いた殻と
ドングリを噛み砕いた種皮(大きいもので7ミリx4ミリ)と、おそらくマメガキを食べて種子まで噛み砕いたと思われるものがでてきた。
サルナシやキブシの種子は見つからなかった。
この糞をしたイノシシは、シカ死骸に気が付かない筈がないと考える。
となると、イノシシはテンと同じように死肉は食べない?
エ~?そんな筈は無いと思うのだが、、、、、。
キンシコウの調査地のぼくらが泊まった農家では、人糞をブタにエサとして与えていた。
イノシシはシカの死骸に気が付かなかったのか?まさか!
イノシシは地中にあるキノコの仲間トリュフを匂で探し当てるのだ。
S①やS②のイノシシの行動域はシカ死骸があるところまでは及ばないタメなのか!
そんな筈がない、イノシシの行動域は100~400haあるようだ。
そうなると、やはりイノシシは死骸を食糧にはしないということか?
アップした後、イノシシの食性を調べた。
見境なく何でも食べるのだ。植物の葉、茎、根などのあらゆる部分、
節足動物や軟体動物を含む全ての動物、苔や菌類、死骸、堆肥などだ。
まるでヒトだ!
やはり二つの糞をした個体はシカの死骸に気が付かなかったのかな?
4 件のコメント:
屍骸の状態というのがありそうですね。
ノウサギが何者かに襲われたばかりの屍骸の上にトンビが数羽舞っていたことがあります。
翌日屍骸はすっかり消えてました。
シカも滑落などで死んだ健康なものは猛禽、クマなどや、テン、イノシシまでも食べにくるのじゃないでしょうか。
だけど、何かの病気で死んだ場合、しばらくは病原菌が生きている?
敏感な野生動物はそれを匂いなどで分かり、手を出さない。
そんなことがあるのじゃないかと想像しているのですが・・・。
take隊員へ
確かに、彼らの嗅覚は信じられないものだ。だから、イノシシはいくら死骸でも怪しい病原菌をもっているような物は避けているのかもしれませんネ。
だから、彼らは熱帯から寒帯まで蔓延ることができているのかもしれない。
ぼくとしては、三日前の死骸の位置からシカが少しずれていた。重たい死骸をテン、タヌキ、アナグマなどが引っ張っては移動できない。きっと、イノシシかクマが引っ張ったのだと思ったんです。
だから、イノシシの糞分析を楽しみにしていたのだが、予想とはちがったことで、驚いたのです。
なによりまず「オニグルミ砕くんだ」ということに驚きました。さすが。。。
ニシメガネザルさんへ
丹沢では、サルも堅いオニグルミを食べるんですよ。もっとも見たのはオトナオスだけなので、メスやコドモが殻を齧り割ることができるか疑問です。
湯河原や臥牛山のサルたちは、夏にオニグルミの果肉は食べるが堅い種子は食べません。
タンガニーカ湖の湖畔の家の裏にアブラヤシの木があり、キイロヒヒたちはその実を食べにきました。彼らは果肉は食べるが、種子は食べません。地面に落とされた堅い種子はグルエやンギリというイノシシの仲間がバリバリ食べていました。
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