面白いと云うか?当たり前と云うか?頭骨を見れば、それがネズミの仲間?ウサギ?タヌキ?モグラ?シカの仲間なのかは一目瞭然に判る。同じように、脛骨と大腿骨とか上腕骨と尺骨とか二つの隣り合う骨ではその動物の大きさが判り、動物の同定が可能になる。それは脛骨・腓骨の組み合わせでもそうだ。脛骨の大きさから動物の大きさが推定でき、脛骨と腓骨の関係から動物の生活スタイルも推定できる。
が、図1の真ん中の?の脛骨・腓骨はいつから自分が持っていたのか?齧歯目の誰の脛骨・腓骨であるのか?判らなかったのだ。。ラットより大きく、ノウサギより小さいこの脛骨・腓骨が誰のものが判らなかった。
図1.左からラットRuttus norvegicus、?、ノウサギLepus brachyurusの右の脛骨・腓骨
が、一週間前にスワヒリ語でブクと呼んでいた齧歯目のアフリカオニネズミCrisetomys eminiの脛骨・腓骨であることが判った。それは、ラットの倍もある大きな齧歯目の動物に、ぼくが接したのものでは岡山県高梁市で害獣として撲殺されたヌートリアもいたが、ヌートリアは頭骨だけ標本にして他は捨てた。ネットで調べると、ヌートリアの腓骨は脛骨に接しているが、癒合しているかどうかは不明だ。
ブクはタンザニアのマハレ山塊国立公園でチンパンジーの人付けのために山で生活していた時、ニワトリを山に持っていけない時にしばしば獲って食べていたのだ(図3&4)。現地のトラッカーたちはブクを食べる時は骨までバリバリ食べていた。始めの頃はその音に驚いたものだ。もちろんぼくは歯が立たなかった(拙書「アフリカの森の動物たち」)。
この脛骨・腓骨はぼくが食べ残したものだろう。腓骨外果の部分が欠損している。焼いた足を持って食べたのだろう。図2は不明?の脛骨・腓骨とブクの頭骨の大きさを比較した。実は、この比較でブクのものと分かったのだ。マウスもラットも頭骨は脛骨・腓骨より大きいのだ。
図3.ブクの脛骨・腓骨と頭骨
図4.ブクのムシカキ(スワヒリ語で串焼きの事)
手前に頭骨がある
このブクが匂いで地雷発見の立役者として、さらに匂いで結核菌を探す研究もされていてHeroRATSと呼ばれているようだ。ぼくは罰当たりにも食べていたのだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿