ー8日の伊勢原林道歩きの続きー
伊勢原林道歩きで見つけ拾ってきたテン糞は11個だが、明らかにテン糞①や②のようにサクランボウを食べたものだと判る糞は見つけても写真も撮らなかったし拾っても来なかった。サクランボウはソメイヨシノだと思っていた。が、洗った種子から判断するとヤマザクラとソメイヨシノだった。(乾いた種子みるとどれもヤマザクラの種子であった。6月14日)
今回は最初に見つけ拾った4個のテン糞についてアップする。
テン糞①の種子はヤマザクラ
Fig.1 テン糞①
テン糞②の種子はヤマザクラだが、果実そのものが排泄されている
Fig.2 テン糞②
テン糞③の種子はソメイヨシノの種子と果皮 (間違い、ヤマザクラ6月14日)
Fig.3 テン糞③
テン糞④もソメイヨシノの種子と果皮というかソメイヨシノのサクランボウがそのまま出てきている。(間違い、ヤマザクラ6月14日)
Fig.4 テン糞④
ソメイヨシノの種子よりもヤマザクラの種子の方が円形なのだが、テン糞①や②、④はサクランボウの果実がほとんど消化されないように思えるが、果汁などの炭水化物やビタミンは消化吸収されて排泄されているのだろう。テン糞③は果皮が種子から外れているが、果実がそのまま排泄されのと、それは個体差なのか、それともその個体の消化器官の問題なのかあるいは腸内に留めておく時間の問題なのか全く分からない。
尚、このテン糞①から④までの距離は500mくらいなものだ。つまり、同一個体のものと考えてもおかしくない。
今の林道は舗装されている、林道でシカ糞やテン糞、サル糞を見つけることが多いが、アナグマ糞やタヌキ糞、イノシシ糞は皆無と云えないまでも非常に少ない。ぼくが動物たちの糞を拾うようになったのは、サル糞を見つけることによってサルが生息しているか否かを判断するサル調査から始まったものだ。でも、今ではサル糞はほとんど見向きもしないで、食肉目の糞だけを拾い。彼らが食べている物に興味をもつようになった。
サル糞は、林道では沢側の路肩、ガードレールがあれば沢側のガードレールの下辺りにあることが多い。それは、サルが見晴しの良い沢側の路肩で休息することが多いからである。しかし、何故、テン糞が林道で良く見つかるのか?ぼくはまだ一度も林道でテンを見かけたことすらない。でも、糞はたくさんある。五感が鈍くなったぼくにはテンがすぐそばにいても判らないのだと思っている。
それはこれまで20歳からサルを追ってきたことにも因るのかもしれない。サルには音を忍ばせて近づくのではなく、サルがぼくの存在を分かるように近づかなければならない。サルはこっそり近づかれるのをイヤがる。その為だろうか?ぼくの山歩きは、足音がしてウルサイ。20歳の時、タイワンザルの調査に行き、知本温泉の山を台東の高砂族の猟師たちと歩いた時、彼らは、ぼくの歩いた跡はイノシシが歩いた跡と同じだと云った。ぼくが登山靴で斜面を下ると、その跡はイノシシかシカが下りた跡そっくりだ。しかし、裸足でまるで手のように指が広がった足の高砂族の温さんが歩いた跡は、ほとんど跡がついていない。以来、少しは良くはなっているが、大差がない。
舗装道路をぼくが歩いてくればテンはすぐ判るだろう。それで、テンはぼくにはちらっとも見えないのだ。同じ食肉目でもアナグマ、クマは何度か見て写真まで撮っている。テンは感覚が優れているが、アナグマ、クマは鈍いのだ。その為に、クマは突然の人との出遭いに動転して人を襲うのだ。アナグマは気が付くと踵を返して逃げ隠れる。
話しを戻そう。どうして林道上ではテン糞が多くあるが、他の食肉目の糞は少ないのだろう。テンは見通しの良い林道を好んでいるのだろうか?きっとテンの生態の研究者は答えを知っているのだろう。
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