下のFig.1は、これまでペリットから出てきた齧歯目の上顎の切歯(A~E, A',B',D',E')とカヤネズミの上顎の切歯(M)である。
Fig.1
Mの2個の内、上は4月17日にアップしたカヤネズミの子供の切歯であり、下は昨日アップしたカヤネズミの切歯である。この切歯から判ることは歳をとるにつれて歯根が伸び、1)切歯の形状が弓張り状から半円状になることだ。さらに言えることは2)子供の切歯は先が細いことだ。
もし、このことが全てのネズミ科の動物たちに当てはまるとするならば、
A'やA、Bにならんている全ての切歯と、B’の1~3やD'の1、2やCの3、4やDの5、6、7も、弓張り状の切歯である。これらはまだ子供のものであると言える。
E'1とE1はリスの切歯であることが分かったが、もし1)と2)をリス科の動物にもある程度適用できるとすると、E'とEのリスはゆーゆーさんがコメントしてくれたように子リスの可能性がより高くなる。
ぼくは、食肉目の動物の糞に含まれる歯や骨が誰のものなのかが知りたいだけだ。果実の種子に関しては、鈴木庸夫他著「草木の種子と果実」とぼくの手持ち標本でかなり知ることができるようになった。歯や骨を知るには、イタチ、テン、アナグマ、タヌキやキツネさらにはアライグマやハクビシンが食べる小哺乳類や両性爬虫類の骨をしっかり標本としたい。ぼくの標本はそれぞれの骨がバラバラにでその形状や大きさがすぐ分かり、歯も顎骨からすぐ取り外せる標本だ。
4 件のコメント:
いやあ、すごい!圧巻ですね!! フクロウってこんなにいろいろなげっ歯類を食べてるのですね。フクロウの声をたまに聞くのですが、ネズミたちの姿が声にかぶさって見えてきそうです。
日本は哺乳類の種数がそれほど多くないので、研究はとても進んでいると思っていたのですが、動物たちの歯やホネを調べるための手軽な図鑑などはないみたいですね。
bluetittitさんへ
これはこれまでペリットから見つけた上顎の切歯、しかも齧歯目のものだけですが、白銀林道の樹洞からもってきた量の1/4位を調べたくらいです。まだまだたくさん残っております。これだけネズミ類を食べていると、ネフクロウ夫婦が生活するにはどれだけの数のネズミが生息していなければならないか推定できそうですね。
日本の哺乳類研究が進んでいないのは、種類数が少ないからだと思っております。鳥類なら渡り鳥もくるので、チョウ、昆虫と同じようにマニアが育ちます。ですからすそ野が広いですね。
それともう一つ、牧畜ではななく農耕民族であることと結びついているかな?なんても思います。
小中学校で育てたイネやイモも収穫して食べるように、ニワトリやウサギを育てて食べるようになれば、もう少し動物に興味をもってくれる人たちが増えてくれるかな?、
話が難しくて混乱してますが、フクロウのペリットからはカヤネズミは出てきてないですよね?
湯河原のカヤネズミは千歳川河口付近の河川敷に少数が確認されているのみでのようです。
林道周辺にはカヤが多いですが、カヤネズミのは巣は見ていません。
take隊員へ
ペリットからはまだカヤネズミの切歯は出てきておりません。カヤバがあるので出てきてもおかしくないと思っているのですが、、、。
ヤマネの臼歯も出てきてません。
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