安倍首相のモリカケ問題、日大アメフト問題からの日大の体制問題、シンガポールでの米朝首脳会議、和歌山のドン・ファン怪死事件と、ニュース満載の時に、またまた痛ましい事件があった。それは、下記のニュースだ!
その後、1975年にセレンゲティのライオンでも英国人のB.Bertramによって、ハヌマンラングールと同じような子殺しが報告された。プライドに入った新しい♂は乳飲み子を咬み殺した後、♀たちが発情し、新しい♂と交尾し、妊娠、出産した。
その後、アメリカジリスやバンドウイルカなど多くの哺乳類で新♂による「仔殺し」と♀の発情、交尾、出産が明らかにされている。
アメリカジリスでは、ボスが接近した♂に負けたことを知った乳飲み子を持った♀は、いち早く自分の子供を咬み殺して食べてしまうことが報告された。
ヒトを除く哺乳類では、乳飲み子を持っ♀は、アカンボウに乳を吸われることによって発情は抑えられる。が、乳児がいなくなると発情する。
♀にとって自分の仔が殺されることは、すごい損失である。が、早く発情して新しいボスといち早く交尾すると、ボスの保護の下に社会的な地位が上がり、食糧も多く得、母体の栄養も良くなり、新たなアカンボウの栄養も良くなる。♀の性に対する戦略だ!と解釈されている。
杉山の仔殺しの発見前の1959年、アメリカのHirda M.Bruceは、妊娠したマウス♀のケージから♂を取り除いて、違った♂の匂いのついた敷きワラをケージに入れてやると、♀は胎児を再吸収するか流産することを発見した。これはBruce effectと名付けられた。
同じような事が2012年にエチオピアのセミエン高原に生息するゲラダヒヒで、妊娠していた♀が新しい♂の出現・接近で、流産したことが報告されている。つまり、Bruce effectは野生状態でも存在することが明らかになった。
北米五大湖のオンタリオ湖の西端に位置するハミルトン市で、M.Daly とM.Wilson(1985)は親子1万組あたりの親と殺された子供についての血縁関係を報告した。どちらかの親が継父か継母の場合の子供は、両親が実父・実母の子供より数十倍以上の割合でもって殺される。
つまり、ヒトもハヌマンラングールやライオンやその他の哺乳類と同じよう親の片方が子供と血の繋がりがない場合はその子を殺してしまうことを示している。ジリスでは母親自らが自分の仔を殺しているのだ。
子供の虐待事件に対して対応する福祉事務所や警察などの公的機関は、虐待を受けている子供と両親との関係を知るべきだ。もし、継母・継父の場合なら、虐待はずーと続くと考えるべきだ。今度の目黒の事件でも夫婦の1歳の実子は虐待を受けていないのだ。ヒトは動物を超越した特別な存在ではないことをしっかり認識すべきである。
この問題に関しては、拙著「ヒトの子どもが寝小便をするわけ」築地書館を読んでもらいたい。
ー毎日新聞2018年6月7日付けのニュースよりー
東京・目黒の5歳虐待死娘に食事与えず 遺棄致死容疑で両親逮捕
雄大容疑者は結愛ちゃんを2月下旬に殴った傷害容疑で逮捕・起訴された。結愛ちゃんは優里容疑者の連れ子で、長男は雄大容疑者との間の実子だった。優里容疑者は逮捕前の調べに「自分の立場が危うくなるのを恐れて虐待を見すごした」と話していたという。
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杉山幸丸は1962年インドのダルワールに生息するハヌマンラングールの群れでアルファー♂(ボス)交代が起こった時に、新たなボスは♀が持っている乳児を殺した。また、ボスを実験的に取り除いてやると、群れに入った新たなボスは♀たちが持っている乳児を殺すことも分かった。さらに、乳児を殺された♀たちは発情して、新しいボスと交尾し妊娠することを発見した。当時は♂による子殺しは異常攻撃行動と解釈された。
2011年スリランカのアヌラーダプラのハヌマンラングール
その後、1975年にセレンゲティのライオンでも英国人のB.Bertramによって、ハヌマンラングールと同じような子殺しが報告された。プライドに入った新しい♂は乳飲み子を咬み殺した後、♀たちが発情し、新しい♂と交尾し、妊娠、出産した。
1995年セレンゲティ国立公園の大岩に陣取るライオンのプライド
その後、アメリカジリスやバンドウイルカなど多くの哺乳類で新♂による「仔殺し」と♀の発情、交尾、出産が明らかにされている。
アメリカジリスでは、ボスが接近した♂に負けたことを知った乳飲み子を持った♀は、いち早く自分の子供を咬み殺して食べてしまうことが報告された。
ヒトを除く哺乳類では、乳飲み子を持っ♀は、アカンボウに乳を吸われることによって発情は抑えられる。が、乳児がいなくなると発情する。
♀にとって自分の仔が殺されることは、すごい損失である。が、早く発情して新しいボスといち早く交尾すると、ボスの保護の下に社会的な地位が上がり、食糧も多く得、母体の栄養も良くなり、新たなアカンボウの栄養も良くなる。♀の性に対する戦略だ!と解釈されている。
杉山の仔殺しの発見前の1959年、アメリカのHirda M.Bruceは、妊娠したマウス♀のケージから♂を取り除いて、違った♂の匂いのついた敷きワラをケージに入れてやると、♀は胎児を再吸収するか流産することを発見した。これはBruce effectと名付けられた。
同じような事が2012年にエチオピアのセミエン高原に生息するゲラダヒヒで、妊娠していた♀が新しい♂の出現・接近で、流産したことが報告されている。つまり、Bruce effectは野生状態でも存在することが明らかになった。
北米五大湖のオンタリオ湖の西端に位置するハミルトン市で、M.Daly とM.Wilson(1985)は親子1万組あたりの親と殺された子供についての血縁関係を報告した。どちらかの親が継父か継母の場合の子供は、両親が実父・実母の子供より数十倍以上の割合でもって殺される。
つまり、ヒトもハヌマンラングールやライオンやその他の哺乳類と同じよう親の片方が子供と血の繋がりがない場合はその子を殺してしまうことを示している。ジリスでは母親自らが自分の仔を殺しているのだ。
Ann Andersonのイラストによるシンデレラ from Wiekipedia
ドイツ・ヨーロッパの民話を集めたグリム童話の白雪姫やシンデレラは、主人公の白雪姫もシンデレラも継母に虐められるストーリーになっている。このような継子虐めは、西欧に限ったことではなく、日本にも「継子いじめ譚」としてある。また、昔話ではないが、湿った土地に生える葉や茎にトゲがたくさんついているママコノシリヌグイというタデ科植物がある。この葉でお尻を拭かれたら泣き叫ぶことだろう。その位、先妻の子は後妻の継母から虐めれ、また、連れ子は新しい父親である継父に虐められだろうという云う風に考えられた。
2017年釧路湿原のママコノシリヌグイPerisicaria senticosaと近縁種のミゾソバP.thunbergii
ぼくは、学生たちに対して、自分と血の繋がりがある子供を持ってシングルになったら、子供が成人するまで恋人を作ってはいけないし、ましてや再婚などもっての他だと話している。シングルマザー、シングルファザーになって愛しんでいた子供を新たな恋人と一緒になって虐めて殺すことがあることからだ。子供の虐待事件に対して対応する福祉事務所や警察などの公的機関は、虐待を受けている子供と両親との関係を知るべきだ。もし、継母・継父の場合なら、虐待はずーと続くと考えるべきだ。今度の目黒の事件でも夫婦の1歳の実子は虐待を受けていないのだ。ヒトは動物を超越した特別な存在ではないことをしっかり認識すべきである。
この問題に関しては、拙著「ヒトの子どもが寝小便をするわけ」築地書館を読んでもらいたい。
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