4月24日の土山峠・宮ケ瀬尾根・ハタチガ沢林道・堤川林道の続きです。
今日は、タヌキ糞についての考察です。
タヌキ糞1:
土壌動物外骨格・翅
タヌキ糞2:
キブシ種子多数果実2個、単子葉2センチ前後11枚、羽毛7ミリ、毛根1、不明骨片、
節足動物外骨格、アシナガバチ?腹部、サワガニ脚一部、
タヌキ糞3:
タヌキ糞4:
キブシ種子、土壌動物外骨格・脚・翅、トカゲ足
上の四個のタヌキ糞の内容物をまとめて表にした。
3個にはキブシの種子がたくさん含まれており、しかも糞2にはキブシの果実が2個が噛み砕かれないまま残っていた。さらにこの糞にはまだ青い単子葉の2センチ前後に咬み千切られた葉が10本以上もあった。
全ての糞に腐葉土に生息している土壌動物と云われる昆虫を含む節足動物の外骨格や脚などが含まれ、羽毛やトカゲの足の部分なども含まれていた。
タヌキたちは、まだまだ林床に落ちているキブシの果実を採食し、温かくなってきて腐葉土の中に蠢いている物たちを食べている。
注目すべきは糞2から出てきた単子葉の葉である。1本、2本の葉なら腐葉土とともに食べたと考えられるが、2センチ前後の葉が10本以上含まれていた(糞2をクリックして拡大すると判ります)。以前にも何度かイネ科の葉が数本混じっていたことがあったが、これらにはついては間違って取り込んでしまったものと考えていた。しかし、しばしば飼い犬がイネ科の葉を食べることがあるが、それと同じようにタヌキが体調(整腸)を整えるような行動なのかも知れないが、どうだろうか?
マハレのチンパンジーは、葉を咬まずに飲んで整腸(虫下し)にしたり、
あるいは鼻穴に棒をさしてクシャミをして鼻水を出したりする行動が知られているが、
野生動物であるタヌキにも、喉が乾いたら水を飲むのと同じようにお腹の調子が悪くなれば
ある特別の草や何かを食べる先天的行動をもっているとしても不思議ではないだろう。
ヒトはヒトになるかなり前の段階から先天的行動として薬草を利用していたかもしれない。