「特定秘密保護法反対」

「特定秘密保護法」、「集団的自衛権」に反対します。憲法第9条をしっかり守りましょう。教育勅語の教材活用は間違いだ!

自由であっても、他人の生まれ、身体、性別、年齢、故郷、風習、宗教、民族、国を差別する、小馬鹿にする、冒涜するのは許されない。

原発不要・核廃絶


2017年5月31日水曜日

ブタはイノシシの幼体成熟 The pig is the neoteny of wild boar.

骨を整理していて、ある事に気が付いた。それは、以下のことを読んでみて!
Fig.1はタヌキの頭骨である。右がオトナで左がコドモの頭骨だ。オトナの頭骨はコドモの頭骨から顔面頭蓋と云われる口吻部分が大きく突き出しているが、脳が治まる頭頂骨部分などの脳頭蓋はそれほど目立って大きくなっていない。
Fig.1 タヌキの頭骨 左:コドモ(上顎の臼歯はまだ) 右:オトナ
Fig.2はハクビシンの頭骨だ。タヌキと同じようにオトナの頭骨はコドモのものと比べると口吻部分が大きく突き出しているが、頭頂骨部分は大きくは変わっていない。
Fig.2 ハクビシンの頭骨 
左:オトナ 右:コドモ(上顎の臼歯はまだ)
Fig.3はブタとイノシシの頭骨である。ブタはイノシシから家畜化された動物だ。ブタは脳頭蓋部分はイノシシと大差無いが、口吻部分が著しく短くなっている。
ん?この違いは、ブタはイノシシのコドモの頭骨をもったままオトナになったって言うことだ!
Fig.3 イノシシの頭骨 
左:ブタ♂ 右:イノシシ♀
Fig.4はカイイヌの頭骨だ。左がビーグルで、右が鼻が潰れたシーズかパグなどの小型犬だと思う。ビーグルは小型犬?だが、狩猟用に改良された犬種なので、形状としてはイヌの祖先であるオオカミが持つような頭骨になっているのだろう。一方、シーズやパグは愛玩用の犬だ。ビーグルとシーズorパグの頭骨を見比べると、ビーグルのコドモがそのままオトナになったのがシーズorパグの頭骨だ。
Fig.4  カイイヌの頭骨 
左:ビーグル 右:小型犬(シーズorパグ?)
イノシシからブタへの家畜化とオオカミからイヌへの家畜化のプロセスは異なるが、これらの両者は、ヒトからの残り物の食物を得ることによって、口吻部分が縮小したと思われる。つまり、タヌキ、ハクビシン、イヌは離乳期に親から半分消化されたものを食べるが、離乳期を過ぎると自分で獲物を探し回るようになる。イノシシでは離乳後すぐ食物を漁って動き回らなくてはいけない。野生動物は大人になるにつれて食物を摂るための口吻が発達することになる。

しかし、家畜されたブタではいつもヒトの食物の残り物の切って焼いたり煮たりした半分消化されたものを食べることになるので、口吻の成長・発達は促されない。愛玩犬の場合は小犬のように口吻が伸びていない可愛いい顔を持ったイヌが選ばれるようになる。

ブタやシーズorパグが家畜だが、家畜化される前の祖先のイノシシやオオカミとは家畜化のプロセスは異なるが、頭骨に関しては、コドモの頭骨の形状をもったままオトナになったとも云える。云わばイノシシの幼体成熟(ネオテニー)がブタであり、オオカミの幼体成熟がシーズやパグなどの小型犬だと云える。

ウリボウ(イノシシのコドモ)の頭骨があったことを思い出した(Fig.5)。
Fig.5 イノシシの頭骨
 左:オトナ♀ 右:ウリボウ(上顎第一前臼歯がまだ出てない)
ウリボウは顔面頭蓋の口吻部分ばかりでなく脳頭蓋も全体的に小さい。ん?では思ってシカやカモシカのオトナとコドモを見た。オトナはコドモの口吻部分が目立って突き出している(Fig.6&Fig.7)。
Fig.5のウリボウは生後間もない時期に死んだ(滑落だと思える場所で死体を見つけた)と思える。しかし、Fig.6&7のシカやカモシカは生後1、2ヶ月は経っている個体だった。
つまり、幼体成熟とは言ってもinfantではなくてjuvenileの頭骨の形状のままオトナになったと云うことになる。 
Fig.6 シカ♀の頭骨比較
左:コドモ 右:オトナ
Fig.7 カモシカの頭骨比較
左:コドモ 右:オトナ


2017年5月29日月曜日

骨を洗い、乾かし、整理。 Wash, dry and organize mammal bones.

脂肪分が残っていて匂うニホンザルの骨を3時間くらい煮た後、浮き出た脂を洗い流し、その後、石鹸水に浸けて二日間放置して水洗いして乾かしている。足根骨や指骨などはまだシャーレに入って残っている。頭骨を含めてまるまる一体分ある。これは、医学部の教員をしていた友人からもらったものだ。このところ、もらったがそのまま放置していた骨を洗ったり、何の骨か動物名を割り出そうとしている。タヌキの骨としてもらったものがアナグマだったり、また、誰のものか判らない大腿骨と脛骨をもらったり、拾ってきた骨がアナグマかタヌキか同定できなかったり、学生から手渡されたシカの腰椎であったり、、、。それらのまだ同定していない泥だらけの骨がある。それらをロッカーから取り出して洗って乾かし整理した後、100円ショップで買ってきた半透明のプラスチックの箱にそれぞれの動物毎にまとめたり、シカの脊椎とイヌやタヌキの脊椎などの半端な骨は一つの脊椎の箱に納めたりしている。
Fig.1 乾かしている骨
ニホンザルの骨(上の左右の大きな鉢皿の骨)、タヌキの骨(下の小さな二つの骨)
今、カイネコと書かれたデジ袋に入っている。骨を水に浸けている。こうやって、雑多な骨を整理していると、少しずつであるが、今まで部位によって同じだと思って骨が、個体によって、あるいは種による差が、違いがオボロゲに見えてきた。
肢骨では上腕骨が穴を掘り進むモノ、木に登るモノ、前足でしっかり獲物を押さえるモノなどの違いが見られ、脛骨・腓骨では、ピョンピョン跳ねるモノ、後脚で自分の身体をネコのように搔けないモノに脛骨と腓骨が癒合するかどうかの違いが大きくなる。さらに肩甲骨の形状は前に一度ここでアップしたことがあったが、みなそれぞれだ!

2017年5月28日日曜日

ヤマアカガエルがこんなに大きくなった。  Montane brown frog became to grown like this.

 昨日は午後2時から新橋で高校時代の同期が10名集まった「道産ヤマウドパーティ」があった。O氏がわざわざ北海道に行って採ってきたヤマウドを食べるのだ。酢味噌和え、天婦羅、生で丸ごと味噌をつけて食べるなど、新鮮なウドを満喫した。これほどウドをたくさん食べるということもないだろう。
午後、6時にお開きになり、駅前で美味しいコーヒーを飲んで帰宅した。

昨日は、新橋に出掛ける前に骨洗いを行った。するとまたカッカッカッカという鳴き声がすぐ後ろの頭の上からする。5月に入ってからアマガエルが鳴いているのだ。今日こそ見つけてやろうと探すが見つからない。ウメの木の葉の上にいる筈なのに葉の色も緑なので目を凝らしてもダメ!またも、諦める。
っと!ホタルブクロCampanula punctataが咲き始めている。
 水蓮鉢が二つあるが、その一つは土山峠の橋の上の水溜まりに踏み潰されずに残っていたヤマアカガエルRana ornativentrisの卵を5,6個持ってきたのが、もう、こんなに大きくなっている。

2017年5月25日木曜日

これは誰の骨? Whose bones are these?

骨を整理していたら、これまた古い薄手のビニール袋に入った骨が出てきた。タンガニーカ湖の中央に東から出べそのように突き出たタンザニアのマハレ山塊国立公園で拾ったものだ。焼けて炭状になった部分もある。
Fig.1 誰の骨か不明な一部焼けた骨
A:肋骨 B:仙骨 C:胸椎、腰椎、尾椎 D:大腿骨や脛骨?の一部 
E:左寛骨 E’:右寛骨 F:左大腿骨 F’:右大腿骨 G:右脛骨
この骨の持ち主はだれだろうか?この仙骨Bの棘突起が2cmもある(Fig.2)。
Fig.2 机に上に置いた不明な骨
この骨は、マハレ山域に火が入って焼野原になった時にビレンゲからムエセまでの60キロを踏査した時に拾ったものだ。その時は焼けたゾウの歯も拾ったのだ(参照、HPー自然・動植物ーマハレ国立公園ー東西サファリ)。
この骨、脛骨Gはの長さが85mmある。この脛骨に腓骨が癒合していたような痕跡がないから、少なくともこの骨の持ち主は、トガリネズミ目や地上を這い回る齧歯目、兎形目、鯨偶蹄目の動物ではない。
手持ちのネコ、タヌキよりも脛骨は2cmも短い、しかし、寛骨や仙骨は逆に2cm以上も長い。この骨の持ち主は大腿骨骨頭F,F’の軟骨部分が左右とも離れていたので、性成熟に達して間もない個体だ。また、この脛骨Gの前縁のでっぱり部分が脛骨の中央に位置する。ぼくの手持ちのシカ、カモシカ、ネコ、タヌキ、マングース、ハクビシン、サルでは前縁のでっぱりは脛骨全長の2/3くらい近位端寄りになる。こんな動物はいない!
うー、わからん!
このGは脛骨と考えたが間違い?
寛骨や仙骨、胸椎などからせめて目order段階まで判りそうなものだ。日本の野山には、トガリネズミ目、齧歯目、翼手目、兎形目、霊長目、食肉目、鯨偶蹄目が生息しているので、せめて日本の山野に生息する動物だけでも仙骨、寛骨、大腿骨、上腕骨、尺骨、橈骨、脛骨、腓骨、脊椎骨さらには肋骨のそれぞれの骨だけで目ばかりでなく科や属、種まで同定できるようになりたいものだ。
もし、これが化石として発見されたなら、古生物学者はこの動物を同定してしまうのだろう。信じられないものだ!参照できる標本が手元にたくさんある所で骨を見比べてみたいものだ?

2017年5月24日水曜日

これはムササビの骨か? Are these bones flying squirrel?

昨日は、専門学校の授業が休講なので一昨日から引き続いて菓子箱や段ボール箱に収まっている骨の整理や水洗いと乾燥だ。昨日は陽射しが強く風が強いので面白いようにすぐ乾く。
今回アップする骨は段ボールの中の小さな汚れたビニール袋に入っていた。肋骨や指骨などの細かい骨はまだ水に浸けている。上肢骨は右肩甲骨を除いて上腕骨・橈骨・尺骨と左右が揃い、下肢骨は左寛骨を除いて大腿骨・脛骨・腓骨と左右の骨が揃っている。
Fig.1  ムササビPetaurista leucognysの骨と思われる
A:腰椎、B:上腕骨、C:橈骨、D:尺骨、E:腓骨、F:脛骨、G:大腿骨、
H:左肩甲骨、I:右寛骨、J:仙骨 :顆上孔
Bの上腕骨の遠位端の上腕骨滑車のすぐ上に昨年9月にACたんぽぽさんから教えてもらった顆上孔supracondylar foramenがある(赤→)。このことからこの動物は木登りをする動物であることが解る。
上腕骨と橈骨で13cm、大腿骨と脛骨で17cmもある。しかし、それぞれの骨は細くて長い。このくらいの長さの前足、後足を持っていて、上腕骨に顆上孔がある動物は、丹沢に生息するものでは、ハクビシンやノネコがいる。リスやヤマネではこれほどの長さの上腕骨や大腿骨にはならないだろう。テンでは骨が細すぎる。となると、木に登れる動物でネコくらいの大きさの動物はムササビになる。
ムササビやテン、イタチの骨を持っていると、すぐ照らし合わせることができるのだが、、、。
木登りをする哺乳類の上腕骨には顆上孔があるのだが、何故かニホンザルを含む真猿には無いのだが、曲鼻猿ではあるようだ。ウロオボエだがヒトでは数万人一人の割合であるようだ。
今日も、骨の整理だ。すぐ手に取って見られるようにしなければ持っている意味がない。

とうとうテロ等準備罪(共謀罪)に関する法案が衆議院を通った。国連プライバシー権に関する特別報告者がこの法案に懸念を示し安倍首相に書簡を送っている。それにも関わらず、自公維の賛成で通ったのだ。このまま参議院も通ると戦前の公安が目を光らせていた小林多喜二の暗い時代に戻る。森友学園問題もそうだが、何故か安倍首相は戦前が良いと思っているようだ。

この骨、ムササビでないことが判った(5/24)。前肢の手指骨で橈骨と同じ位の長さの第四指の骨が見当たらない。左肩甲骨の肩甲棘の位置がことなる。ただ興味深い事に、左右の尺骨や橈骨の遠位端である手首に当たる部分が全て元の形をとどめていなくぼろぼろだ。では、この骨は誰だ!どなたか教えて!

2017年5月23日火曜日

テイカカズラ Star jasmine

お隣との境の柵にテイカカズラTrachelospermum jasminoidesを絡ませている。当初は鉢植えで柵に絡まったら取り外したり切ったりしていた。共用の柵だからやめていたのだが、もう40年近くもお隣は常駐する人はいる訳ではなく、空家同然なのだ。時々、庭師が来て生垣を刈り揃え、庭の木々を剪定する。そのためだろう、一度、早朝に雨戸をこじ開けて空き巣が入ろうとしたことさえあった。ぼくが変な音で気が付いたのだ。
その時は、「何をやっているんですか?ここは、〇〇さんのお宅ですよ!」と云うと、しどろもどろになって、バックを持って逃げて行ったのだ。その後、110番して、警察が来た。「声を掛けると危険だ!殺される場合もあるので、怪しいと思ったら先ず警察に電話してください」と注意された。
テイカカズラも良い香りだ!しかし、スイカズラに比べるとおとなしい香りだ。今、我が家のスイカズラはナツツバキ全体の樹幹を覆っており、白と黄色の花で埋め尽くされている。そのため、昨日も今日も窓を開け放しているので、部屋の中にも濃厚な香りが充満している。机の上の小さな花瓶に挿していた枝はもう必要がない。
多分、20年前にタンガニーカ湖畔のマハレ山塊で拾ってきたのだろう。焼けて炭になった部分がある仙骨や寛骨、大腿骨骨頭がついた大腿骨の一部、肋骨、腰椎や胸椎が出てきた。いつどこで拾ったものか記載が全くない。骨が焼けているのは、マハレ山塊で拾ってきたことを物語っている。乾季には村人たちが回りの枯草を燃やし、その火が国立公園にも延焼してくるからだ。拾ってきたのは誰の骨なのか?ちょっと見たこともない仙骨だ!仙骨や寛骨が大きいのに比べて、頚椎や胸椎が小さい。

2017年5月22日月曜日

Tibia and metatarsal of Reeve's muntajac.

このところ家に居る時は、ロッカーの段ボール箱やブリキ板の菓子箱に入っている骨を眺めたり、泥で汚れているのは洗ったりしている。今日は医学部で解剖学を教えていた友人からもらったニホンザルの骨が茶色っぽく脂がたっぷりで臭うので、頭骨以外の骨を金盥で2時間くらい茹でた。しかし、脱脂できていない。まだまだ茶色っぽくギトギトベトベトしている。ガスボンベを1本使い切ったので、近くの100円ショップでガスボンベを買いに行ってこよう。
段ボール箱や錆びた菓子箱も捨て、できるだけ手に取って見やすいように、頭骨のようにすぐ見られるようにタヌキの骨、キツネの骨、サルの骨、ネコの骨、アナグマの骨と並べよう。肩甲骨、上腕骨・橈骨・尺骨、寛骨、座骨、大腿骨・脛骨・腓骨と骨の部位ごとに整理しようかなとも考えている。
なんせ、ぼくが持っている骨は、山で、肩甲骨と上腕骨だけを拾ったものだとか、何度も車で轢かれた動物の骨だとかで、一頭丸々揃っているのはほんの数えるくらいしかないのだ。
っと、シカかウシの仲間の脛骨と中足骨、距骨や踵骨などの足根骨がビニール袋に入っているのが見つかった。全顎骨まである。中にある汚れた紙には中国百皇廟と鉛筆で書いてある。キンシコウの調査で拾ったものだ。この骨は洗面所で歯ブラシで洗い、乾かした(Fig.1)。全顎骨を百皇廟村の楊さんのイヌが食べていたキョンの頭骨と比べた。全く同じ大きさだ。キョンMuntiacus reevesiのものだ。誰の骨か解って嬉しい!
Fig.1 前からみたキョンの脛骨と中足骨

Fig.2 後ろからみたキョンの脛骨と中足骨
大腿骨では、シカとカモシカを区別できるが、シカとカモシカの脛骨だけでは非常に難しい。自分では判っても他人にまだ説明できない。しかし、このキョンの中足骨を見て、中足骨からはシカとカモシカを区別できるかな!っと思っている。

2017年5月20日土曜日

シカとカモシカの大腿骨の見分けかた How to discriminate the femurs of sika deer from Japanese serow

丹沢山塊にはシカCervus nipponとカモシカCapricornis crispusが同所に生息し、山を歩いているとしばしま彼らに遭遇する。シカは集団生活をしているので警戒音を出すのですぐ判るが、カモシカ単独生活者なので警戒音を出さないが、出合っても逃げずにじっとこちらの方を見ている。彼らの糞も山に入れば見かける。また、彼らの白骨化した骨も見かけることが多い。頭骨があれば、シカかカモシカは即断できる。しかし、前足や後足の骨が落ちていてもシカかカモシカか判断するのは難しい。足首の調子が悪いので山に行けないので、このところ頭骨以外の骨を眺める時間が多くなった。
今回は、大腿骨だけで、シカかカモシカを見分けることができるポイントを説明する。黄色の線で囲ったのは寛骨の寛骨臼と関節する大腿骨頭である。シカの大腿骨頭が半長円球状なのに対し、カモシカのそれは半球状だ(Fig.1)。
 Fig.1 前からみたシカの右大腿骨とカモシカの左大腿骨 
左側2つ、シカ 右側2つカモシカ
さらに真後ろから大腿骨を見ると(Fig.2)、シカでは顆上窩(黄色で丸で囲った部分)の部分が明らかだが、カモシカでは粗面となっている。
Fig.2真後ろからみたシカの右大腿骨とカモシカの左大腿骨
左側2つ、シカ 右側2つ、カモシカ
シカの大腿骨かカモシカのものかは、大腿骨頭の形状か顆上窩の有無を確認すると判断できる。しかし、今のところ大腿骨頭の違いや顆上窩の有無などが何故生まれたののか解らない。彼らの生態とどのように関係しているのか、また、同じような大腿骨頭を持っている動物を調べ、生活場所と行動などをもっと知らなければ推測もできない。

カヤランが果実をつけ、ヨウラクランが咲く Different stage of two Japanese epiphyte orchids

あー、今日も丹沢に行きそびれてしまった。右足のアキレス腱炎が再発?したのだ。15日に散歩した。もう、このところずーっと右足首が痛いので、少し右足を庇いながら歩きだす。歩き始めは痛いが10分もたって慣れてくると痛みが薄らいでいく。15日は痛いのを我慢して歩き始めから無理やり足首に力を込めてスナップを効かすように後ろに足裏を跳ね上げるように歩いた。案の定、途中から痛みが無くなった。が、40分間歩いた後に身体がクールダウンしてくると足首が痛みだしたのだ。整形外科に行っても医者から皮肉を言われるか半分バカにされることが判るので、湿布している。

足首の為には安静にしておいた方がベストなのは良く判っている。しかし、安静にしていて動かずにいることによるストレスが溜まるよりも歩いた方がまだ気持ちが楽になる。その兼ね合いだが、整形外科医は痛い足首を治すだけのことを述べるだけで、ぼくという人間の精神を含めた全体の調和をとろうとはしてくれない。

喫煙者は、タバコに害があることが解っているが、その害よりも喫煙による精神的苦痛の解放を重んじている。それはアルコールも同じだろう。

この右足のアキレス腱炎は昨年9月から続いているのだが、もともとは2012年9月7日の専門学校の丹沢実習で、谷太郎林道から尾根歩きをして三峰山・物見峠間の登山道を目差していた時に右足首を痛めたのだ。それ以来、ちょっとしたことで再発し、もう持病の如くになってしまった。出歩きたいが、思うように歩けない。

さて、今、庭のヨウラクランが咲いている。まるで、キツネの尻尾のように垂れ下がる。花はとても小さいので一つ一つじっくり見たことがない。
 ヨウラクランの花
カヤランはとうに花が終わり、今は果実をつけ始めている。フウランは花茎が僅かに鎧のように固い葉の間から顔を覗かせ始めた。
カヤランの果実

2017年5月18日木曜日

このキイチゴはどこから? Where did this bramble(Rubus) come from?

昨日から庭の余り日が当たらない所に置いているプランターにちょっとピンク色のキイチゴの花が一輪ひっそりと咲いている。今朝、骨洗いをした時にじっくり見た。ん?何だ?これは?てっきりモミジイチゴの花が咲いていると思ったが、白色の花弁ではなくて薄いピンク色が入っている。それに上を向いて咲いているし、葉もモミジイチゴではない?
ぼくが丹沢から拾ってきた動物糞は2、3年前までは、水洗いして内容物を分析したあと標本として保存したり、トイレに流したり、庭に撒いたりしていた。
このイチゴは昨年もプランターから出てきていたので途中で折り取ったヤツだ。しかし、株は生きていていくつも元気な葉を枝を出している。
昨年の古い茎はつややかな緑色で、葉の表も裏も柔らかい毛があり、今年の枝も柔毛に覆われている。
 サナギイチゴの花
今、頼りにしている「神奈川県植物誌」を見た。どうも、サナギイチゴRubus pungensだ!しかし、県内では丹沢の三国峠で採られているのみ。と記載されている。
サナギイチゴの葉
丹沢の三国峠は、丹沢湖よりも西で山中湖に近いところだ。丹沢山塊の食肉目の糞を拾うようになってからは、西丹沢方面には全く足を向けていない。三国峠に一番近い山でも20キロ離れた鍋割山だ。で、鍋割山に登った時に拾った動物糞の内容物のデーターを見たが、キイチゴ属の種子は無い。キイチゴ属の種子は表面の模様が独特なので見誤る筈が無い。おそらくテンが食べたものから出てきた種子だと思うのだ。
テンの行動域はツシマテンでは70ha(「日本の哺乳類」東海大出版)、亜高山帯の入笠山のホンドテンでは、2月58.5ha~7月358ha(「哺乳類科学」43(2)93-98:2003)となっている。ここでは入笠山のホンドテンの資料を参考にして、丹沢の個体も夏季には300~400haくらいの行動域を持っていると推定される。丹沢山塊を東西に細長い行動域で300~400haはとても考えられない。となると、サナギイチゴは鳥やテンなどに食べられてもっともっと東丹沢方面に生育地を広げたと考えざるを得ない。あるいは、三国峠付近で生まれ育った個体がサナギイチゴを食べて東丹沢方面に1日の内に分散・移動してきたのかも知れない。

2017年5月17日水曜日

我が庭のスイカズラ    Japanese Honeysuckle in my backyard

我が家のスイカズラLonicera japonicaが咲いてい。花のついた10センチくらいの枝を丹沢から取ってきて、部屋で香りを楽しんだ。花が終わった後も葉が元気だったので、枝を挿し木にして鉢植えにしたものを鉢ごとを庭に置いてたら、ツルがどんどん伸びてナツツバキの樹幹を覆うくらいになった。庭に出ただけで匂う。素晴らしい香りだ。お隣りさんからも良い匂いだと喜ばれている。
ぼくは、良い香りの花が大好きだ。ラン科植物の香りも好きだが、このスイカズラが大好きだ。花枝を取って、居間のテーブルとぼくの机の上にも活けている。この匂いの中で死にたいくらいだ。


中国の南部にアカゲザル調査に行った時に、倒れた枯れ木に絡まったスイカズラを見つけ初恋の人に会ったような気がした。トルコやスリランカに行った時、ホテルの庭や門塀のところに植栽されて花をたくさんつけていたスイカズラに感動した。
我が家のスイカズラも伸びたら、どうやって仕立てようかと思っている間に一昨年からナツツバキを覆うようになった。すごい勢いだ。山の中の一軒家ならこのまま伸ばしてやりたいが、お隣さんにも迷惑だ。花が終わったら、ちゃんと仕立ててやろう。
スイカズラの花
スイカズラの英名をhoneysuckleと云うことを知った。ん?「蜜を吸う」という意味の英名かなっと思って先ほど、花を抜き取って吸ってみたが、蜜は感じられない。が、歯でしごくようにして吸ってみると蜜がある。これならばスイカズラの花にチョウやアブがたくさん集まっても良さそうなものだが、、、、、。
二階のベランダから見下ろして撮る

2017年5月16日火曜日

オオギカズラ キランソウの仲間を同定 Identified Ougikazura of genus Ajuga

ー11日の奥湯河原の続きー
11日に山菜天婦羅やトン汁で満腹になったので、腹ごなしに白雲の滝まで歩いた。その途中の道路沿いで見つけたオウギカズラAjuga japonica、始めはジュウニヒトエ?ツクバキンモンソウ?いずれにしてもキランソウ属なので、帰宅して「神奈川県植物誌」を見たらすぐオウギカズラだと判った。初めて自分で同定できて嬉しい!
オウギカズラ
同じような白っぽい花のクワガタソウだ。
クワガタソウ
このクルマムグラも判らなかったが、「神奈川県植物誌」デアカネ科を探したらあった!この本には生育地まで記載されているので、同定しやすい。
クルマムグラ
これはツボスミレと同定した。
ツボスミレ
これは葉からセリ科だと推定できたので、セントウソウとした。
セントウソウ
スミレは多すぎて目が回る。現場でしっかり、葉や茎、根本を見てこなければダメだ!
???

2017年5月15日月曜日

二つのニンジン Two kinds of carrot

ー奥湯河原の天昭山神社野猿公園跡の続きー
ぼくらが普段食べている人参(ニンジン)Daucus carotaはセリ科の植物だ。山中にはヤブニンジンと名付けられたやはりセリ科の植物がある。
セリ科
ヤブニンジン
ヤブニンジンの花
一方、ウコギ科の下の写真のものもニンジンという名前が付けられている。これらのニンジンと名付けられた植物の根には、ぼくらが普段食べる人参状の根茎があるのだろう。一度、引き抜いて根茎を見てみたいものだ。同じ根茎でもゴボウと名付けられているものもあるし、たいした根茎ではないのにダイコンと名付けられているのもある。ダイコンと云う名がついているのは葉が畑に植えられているダイコンに似ている。さらにはイモと名付けられた植物も多い。
ぼくは、ニンジンやダイコン、ゴボウやイモなどと名付けられている野草を見るとすぐ食べられるのかな?っと思ってしまう。
ウコギ科
下のウコギ科の植物はトチバニンジンかホソバチクセツニンジンか迷ったものだ。
ホソバチクセツニンジン

2017年5月14日日曜日

奇妙な名前と花のチャルメルソウ Charumerusou of curious name and flower.

以下の3枚の写真はコチャルメルソウというユキノシタ科の植物だ。このコチャルメルソウMitella(チャルメルソウ属)と云うちょっとふざけたような名前を知ったのは野生生物探検隊の自然観察会がここ奥湯河原であった時の5年前の4月。植物カメラマンのSさん夫妻ややまぼうしさんから教えてもらったのだ。
ユキノシタ科なので葉がユキノシシタに似ている。
コチャルメルソウMitella paucifloraの葉
コチャルメルソウの花茎
コチャルメルソウの花が終わった後
このコチャルメルソウの花は、こんな奇妙な花なのだ。以来、その姿と名前はぼくの記憶に刻み込まれた。今回、5年振りの再会なのにすぐ名前が出てきた。
2012年4月16日に撮ったコチャルメルソウの花
それにしても、11日に天昭山神社野猿公園跡に集まったのは天候に恵まれ最高の日だった。前日も13日からも梅雨に入ったような天気だ。

2017年5月13日土曜日

天昭山神社野猿公園跡の木の花  Tree flowers around the site of monkey park of Tenshouzan shrine.

昨日の餌場跡周辺の山道沿いの木々の花:
ユキノシタ科のウツギの仲間の花が咲き始めた。これから、どんどんこの仲間の花が咲く。
ガクウツギ

マルバウツギ
アケビとゴヨウアケビの違いを、初めてしっかり調べた。ぼくは掌状複葉が5枚なら大抵ゴヨウアケビと思っていたが、ほとんどがアケビで全縁の小葉だ。
アケビ
下の木はコウゾかな?と思うのだがどうだろうか?
これはクワ科のコウゾ?
以上が、天婦羅用の材料を探している時に見つけた木の花。

ここはサワガニが多い  There are many freshwater crabs in the site of Tenshouzan shuraine monkey park.

天昭山神社野猿公園跡付近にはサワガニGeothelpusa dehaani が多い。山菜天婦羅用の山菜となる植物を探して歩いていたら、サワガニに出会った。逃げたので、ゆっくり追いかけて停まったところを写真に撮った。
ここは梅雨の季節には辺り一面がサワガニだらけになったことがあり、半世紀前には、飯盒に何杯も取れたものだ。取ったカニを沢の水で洗って、そのまま鍋に水を加えて、焚火にかけて、煮て味噌汁にしたり、ザルに移して水気を取り、フライパンで炒め、味噌と砂糖に絡めてご飯のオカズや酒の肴にしたことを思い出した。味噌汁は良い味が出た。フライパンで炒めたのは殻を煎餅のようにバリバリ噛み砕いて食べた。しかし、これは20歳前後で山の料理だから食べられたのだ。
でも、当時はお総菜として揚げたサワガニが売られていたりもした。売られているしっかり揚げたサワガニは殻がパリパリと噛み砕けた。でも、殻が気になった。
先日、NHKBSの料理人コウケンテツの旅番組の東南アジアの村で、水田でたくさん獲ったサワガニのような小さなカニを石臼で挽いて潰し、潰した上澄み(殻は沈む)部分を取って煮ると柔らかいツミレのように固まっていた。成る程、あーすると甲羅や脚などの殻を噛み砕かなくても美味しく食べられるんだと納得した。
やはり、この藤木川沿いはサワガニが多い。白雲の滝までの往復でも何匹か見つけた。

2017年5月12日金曜日

天昭山のサルの会 Monkey Association of Tenshouzan

昨日、奥湯河原の天昭山神社野猿公園跡で、「天昭山のサルの会」の集まりが行われた。この会は、50年前にここでサルを追っていた人たちの集まりだ。朝4時に着いて、整地したり、トイレを掘ったり、テーブルや椅子を並べたり、テントやハンモックを張ったり、食事の用意をしていたり、てんてこ舞いで働いていたN氏、6時に着いて彼の助手になって作業していたM氏、ぼくが7時半に着いた時もN氏やM氏は働いていた。
駐車場近くの道沿いにあったイノシシのヌタ場

9時7分に湯河原着予定の電車が30分遅れるとメールが来る。M氏がSさんとH氏を迎えに行く。10時半、5人全員が揃う。当初は6人の予定だったが、一人は脳出血で入院となる。そう、皆、そういう年齢だ。
早速、食事会が始まる。先ずはビール。すぐ、お昼になり、トン汁や豚肉の塊やソーセージを焼いたものを食べる。もう、それだけで満腹だ。さらに、ぼくが採ったオオバコ、ミツバ、ユキノシタ、モミジガサ、ドクダミ、アオキ、サンショウ、タラノキのかき揚げ風の山菜天婦羅が最高だった。N氏の調理に感謝!
5人が揃う
ここは、暑くなく、寒くなく丁度良い気温、絶好の日よりだ。強い日差しも周りの木々の葉が遮って木漏れ日状態。ミソサザイが甲高い声で鳴き、カワガラスが低空飛行し、オオルリが透き通るような声で歌う。
豚肉の塊を炭火でじっくり焼く

周囲が笹竹で覆われたトイレ

今年もあったイノシシの寝床
お昼を食べた後、腹ごなしに皆で白雲の滝まで登る。このつばきラインまで続く山道も50年まえは、神社前がサルの餌場だったので、そこにテントを張って生活していたのだ。酒を買いに奥湯河原の商店まで走り降りたことも一度や二度ではない。4合炊き飯合のご飯を一人で全部食べた。そんな話題も出て、若かったなぁー!と昔を懐かしむ。
白雲の滝

白雲の滝の近くの道沿いにあったイノシシのカヤの根の樹皮を食べられた痕

天昭山神社から下りてきて、一息ついて、H氏とSさんは帰ることになる。アルコールを飲まないM氏運転の車に全員が乗り、二人を湯河原駅で見送る。ぼくらは戻り、「ままねの湯」へ、しかし、閉じている。そのまま「こごめの湯」で湯に浸かり、餌場跡に戻る。
湯疲れしたようで、もう、食欲も無く、飲みたくもない。寒くなってきたので、皆、着込む。9時半にテントに入り、寝袋へ、冬用の寝袋が丁度良い。
朝、まだ暗いのに小鳥たちが賑やかに歌い出す。その谷間に響く歌声を寝袋で聞きながら、タンザニア、マハレ山塊国立公園での、草葺の山小屋生活を思い出す。山小屋の朝も暗い内からミミンシャ(トングエ語で、どういう鳥か不明)の美しい歌声で目が覚めたのだ。
夜寝る前の一杯、働き過ぎて疲れたN氏と!
4時半に起き、朝食にパンを食べ、後片付けが終わったのが7時半。帰宅したのが9時半頃、すぐ風呂に入る。あー、やはり我が家が一番!