「特定秘密保護法反対」

「特定秘密保護法」、「集団的自衛権」に反対します。憲法第9条をしっかり守りましょう。教育勅語の教材活用は間違いだ!

自由であっても、他人の生まれ、身体、性別、年齢、故郷、風習、宗教、民族、国を差別する、小馬鹿にする、冒涜するのは許されない。

原発不要・核廃絶


2008年11月30日日曜日

資源の節約

これは、ぼくがタンガニーカ湖、湖畔の家に住んでいた時の、ドラム缶の風呂、その右奥にトイレがある。風呂の前にはパイナップルが育っている。
風呂に入るのは週一回であった。
他は、タンガニーカ湖での水浴びである。
ドラム缶に70%くらい容れた水を沸かすには、一抱えもあるくらいの焚き木を必要とした。
焚き木は湖岸に打ち上げられた木や、裏山で見つけた枯れ木を利用した。
が、1年もしないうちに裏山の枯れ木は取りつくしてしまった。
隣の村で売っている炭を買った。
しかし、この炭は人々が山に入って木を切り出して作ったものであり、伐採によってますます乾燥化が進んでいくことになるので、炭を買うのをひかえた。

毎週の山から戻ってくるときに、手頃な枯れ枝があれば拾ってくるようになった。
枯れ枝一本でも大事な燃料としての資源であり、知人が泊まったときは、湯が冷めない内にお風呂に入ってもらった。

子供の頃、薪や石炭で風呂を沸かしていた頃も、いちど湯が沸いたならば、「出たよ~!」と大きな声をあげて、自分が出たことを家族の者たちに知らせ、湯が冷めない内に次々に家族の者たちが入った。風呂を沸かすのは週、2、3回?だったと思う。
それが、今の我家はどうだ!
風呂は毎日沸かし、湯が冷めない内に次々に入るわけではない。
風呂は自動で冷めればスイッチが入って温めてくれる。
8時半頃ぼくが入ってから、娘は12時過ぎに入る。
その間、何度スイッチが入っているかわからない。

可能な限り、短時間で家族の者たちが風呂に入ればすごい資源の節約になり、炭酸ガスを排出する量もかなり減らせると思うのだが、、、、。と書いてきて、ぼくが風呂に入る時間を寝る前の11時半頃にしようと思う。
車もそうだが、便利になることは資源を浪費し、炭酸ガスを多く出すことだと分かる。

浅草の酉の市

知人の奥さんの実家が浅草ということで11月29日の酉の市に誘われた。

浅草は三度目だが、夜の浅草は始めてだ。
すごい人、ひと、ヒト、人である。
不景気のため、例年にない混みようのようだ。
先ずは、雷おこしを買い、屋台に座って鮎の塩焼きと焼き鳥、焼き豚などでコップ酒。
威勢の良い掛け声の中を押されるように歩いて、さらに別の知人3人と落ち合い、日本語ペラペラのアメリカ人まできて、店の前にできたビールの箱の特設の椅子に座って、飲み、食べる。
時計が11時を回っているのに気づき、慌てて上野までタクシーで。
始めての酉の市、日本のお祭りの活気をもらって帰ってきた。

2008年11月29日土曜日

増えてきた中高年のバードウォチャー

5時半に家を出て、矢部さんをピックアップして丹沢へ向かう。
宮ヶ瀬ビジターセンターの通りで、タヌキかアナグマの轢死体を見つけ、車を降りて確認するとネコだった。頭がつぶれていた。
車を置いて、金沢林道を歩く。

野鳥観察の人に聞き込みを行い、林道終点まで行く。サルナシと昆虫を食べていたイタチの新鮮な糞を帰りに見つける。行きはなかったので、ぼくらが通り過ぎた後、イタチが出てきたことになる。
以前、ここを歩いた時もこの足跡はなかった。サルがきているのだ。恐らく、ハナレザルだと思われる。
もうかなり寒く、軍手をしなければストックをもつ手がかじかむ。
ガマズミの赤い実も萎れはじめて、食べると発酵した酸っぱさがあった。
冬鳥もたくさん飛び廻っている。
帰路には、数組の鳥の写真を撮る夫婦連れ、中高年の人たちに出会った。
この最近、ますます中高年の山歩き、鳥の写真を撮る人、自然に親しむ人が増えてきた。
皆、大きなレンズを持って歩いている。
哺乳類の観察者がいないのがちょっと寂しい。
テレビのニュースで取り上げられるサル、クマ、イノシシ、シカは悪者、害獣としてだ。
小鳥は綺麗だし、可愛いが、哺乳類に出逢った時の感動は他に変えがたいものがある。

2008年11月28日金曜日

秋の丹沢サル調査(5)サル糞

サル調査が終わった日の夕方、夕食会の席上で調査で採集した糞をいただいた。
今日、午後に、あらためて糞をみた。
写真の糞は先日のサル調査で②班の人たちが採集してきた糞である。
クリックして拡大するとわかるが、無数のタネが含まれている。
このタネはサルナシのタネだである。
姿、形もサル糞であるのに、タヌキ糞であると失礼で誤まった見立てをしてしまった。
これは、④班が持ってきた糞で、キツネのものである。
これら二つの糞は現在ペットボトルに容れて水に浸しているので、明日になれば内容物についての結果をお知らせできる。
このところ、5時になるとウィスキーをオンザロックでダブルで2杯飲み、その日の疲れを取り去るようにしている。カリット酔って、スキット醒める。この頃ウィスキーになった。夕食時はビールです。

2008年11月27日木曜日

秋の丹沢サル調査(続々々)不思議なミヤマシキミ

ミヤマシキミ:緑色だった実が秋になると赤く染まる。この葉にはスキミンが含まれており、食べると麻痺、痙攣症状がでるようだ。このスキミンは殺虫剤にも使われるようだ。しかし、赤い実のついている葉は何者かに食べられた痕があるし、右上の葉はカモシカに食べられてしまっている。

カモシカはこの葉や実を食べてちゃんと消化・吸収し、スキミンでお腹の中の寄生虫を殺してもらっているのかもしれない。
ここでは、薬草や毒のことを問題にするのではなく、このミヤマシキミ実をつけていれば、蕾もつけている。 これは、別の株、蕾というか、もう少し花が開きかけている。
牧野の新日本植物図鑑(保育社)では、開花するのは4、5月だとある。
地球温暖化のせいで狂い咲きしようとしている株があるということか? ぼくは、たまたま今年に実と蕾の混在に気がついた訳ではない。箱根湯河原のサルを追っていた時も、真冬に赤い実をつけた株も見たし、蕾をつけていた株も見た。尾根上で半分くらい雪に埋もれたミヤマシキミの青い葉を思い出す。但し、写真は撮ってない。
ミヤマシキミの花は、春に咲いてその秋には赤くなるのだろうか?

ぼくには何とも不思議なミヤマシキミだ!

2008年11月26日水曜日

サルナシの味

今日は、久しぶりに高畑山(766m)に登った。

吹風トンネルをでたところの駐車場に車をおき、宮ヶ瀬霊園の前の斜面にとりつく。
登り口の獣道は間もなく消えて、ほとんど直登であった。
尾根について、大型犬を太らしたような大きさの三頭のイノシシに出会う。
彼らは、ぼくと矢部さんに気がついて逃げる。3~5秒くらいあったので、写真を構えていたら撮ることができた筈だ。しかし、このデジカメでは無理、シャターを押してもタイムラグがあるので、やはり構えていても写せなかっただろう。
シカの警戒音が連続して聞こえるところで、朝日を浴びながら小休憩し、テルモスの熱いお茶を飲む。
御殿森の頭を巻くようにして登山道へでる。

丹沢山までの道は高畑山のところで、まだ通行禁止となっている。ここで矢部さんと別れて、ぼくは通行禁止の道を通って、遠回りして高畑山へ登ることにする。
(下の立て札は、丹沢山から下ってきたところにあるもの) 通行禁止にしているのは、架けてあった橋が落ちたためだ。しかし、山側を巻いて通る踏み分け道がしっかりとできている。この看板はもう全く必要ない。神奈川県自然環境保全センターはもう1年以上も遠回りを勧めている。

シカの4頭のメスグループに遭遇する。が、彼女等は警戒音を出さず、ゆっくりとぼくの視界から消える。この時もシカが見えなくなってからカメラを構える。だめだぁ~! 高畑山で日向ぼっこをして、下る。途中で仏果山(747m)方面を撮る。

サルナシを見つけ、登って採る。熟していて最高の状態だ。美味!
もう、今日はこのサルナシを賞味できただけで気分は更に爽快だ。
いつものように、本道から外れて、尾根を下り、最後は岩場の沢に出る。しかし、すぐ断崖となっているので、一息ついてから左岸の斜面に入り、急斜面を下る。無理をせず、安全な道を行けば良いのにまたもや大変な目にあった。

2008年11月25日火曜日

狭鼻猿(旧世界ザル)の♂と♀の見分け方

アジア、アフリカに生息するニホンザル、ヒヒ、ラングール、キンシコウ、ゴリラ、チンパンジーなどの真猿亜目のサルたちは狭鼻猿と云われ、中南米に生息するマーモセット、タマリン、ヨザル、リスザル、クモザルなどの広鼻猿とは異なる。
狭鼻猿は性的二型(オスとメスの形態上の差)が顕著である。
これは、カニクイザルのメスである。
これは、カニクイザルのオスである。
オスはメスに比べて頭頂部の骨が盛り上がっているのがわかる。
下は、マハレ山塊国立公園で拾ってきた、アカコロブスである。
右がオスで、左がメスである。
明らかに、オスの方が、メスよりも頭頂部が盛り上がっている。
次は、ニホンザルのオスとメスである。
どちらが、オスであるか、もうおわかりであろう。
このような性的二型はゴリラ、チンパンジーにも顕著に現れており、他の特徴としては、オスはメスに比べて圧倒的に大きい犬歯を持っている。
しかし、狭鼻猿のサルで例外が、テナガザルの仲間とヒトである。テナガザルは両性とも大きい犬歯を持ち、ヒトは両性とも短い犬歯を持っている。
さて、前の焼け跡で拾ったキイロヒヒはメスの頭骨でした。



秋の丹沢サル調査(続々)赤い実

土山峠からの林道沿いで見つけたハダカホウズキ:
この実を食べる動物はいないのかな?目立つ実であるし、しばしば山の斜面の日当たりに生えているのを見るので鳥でも啄ばんで運んでいるのだろう。
では、同じように赤い、このマムシグサの実は、どのような動物が食べて運ぶのだろう?実も含めて、この植物体にサポニンという毒があるようで、数年前の実習でこの実を口に入れて噛んだ学生がいた。口から涎を垂らし、救急病院に運ばれ大騒動だった。死ぬ人もいるようだ。そんなスゴイ毒を持っているのに食べる動物がいて、糞として排出するからこのマムシグサも丹沢の至る所に見られるのだろう。
ミヤマシキミの実も赤い。秋の実は赤いのが目立つ。この実も葉もカモシカやシカが食べるので、まるで剪定されてしまったかのようなミヤマシキミがある。しかし、実も葉も毒があることが知られていて、葉には独特の匂いがある。
ヒトには毒であるが、動物たちには何でもない植物がたくさんある。
ヒトが食べるとお腹を壊すような腐敗した動物の死骸を、ネズミやアナグマたちは平気だ。ハエや昆虫たちは喜んで卵を産み、食べる。
世の中、捨てるものは無く、全て上手く利用され互いに支え合っている。

2008年11月24日月曜日

写メールで

ゆーゆーさんから、
写メールで鳥の骨の鑑定をお願いされた。

右の鳥の骨、
哺乳類の腰の部分の
寛骨や仙骨にあたる部分である。

日本産の陸生哺乳類で
ネズミの仲間を除くものなら、
その大きさからある程度わかるのだが、
鳥となるとお手上げである。

しかし、大きさからせめて目(ORDER)や科(FAMILY)
段階まで分かれば、
野山を歩くのがさらに楽しくなるだろう。

もっとも、ぼくは日本で見られる鳥類の目にどんな目があるのかさえわからない。


秋の丹沢サル調査(続)

今回の秋のサル調査で、シジュウカラ、ヤマガラ、エナガなどが混群をつくって木々の間をとびまわり餌を捜し求めていた。肝心の哺乳類は最初に出合ったブッシュのために同定できなかった大きな動物と、動物達が残していった糞だけである。糞は、テンのものとタヌキのタメ糞を見つけただけであった。

お昼を食べた場所で、黄色い毛が生えた蛾の幼虫が日溜まりの枯れ葉の上をモコモコと歩き回っていた。これ、ネットで毛虫・黄色で検索したら、リンゴドクガの幼虫とわかった。毒はないようだ。
これは、野生動物探検隊では知られた昆虫であったが、現場では名前がでなかったアカスジキンカメムシの5齢幼虫である。
昆虫たちは、成虫やサナギとなって越冬するものから、幼虫や卵のままで越冬するものまでさまざまだ。秋の日溜まりは越冬しかけた昆虫たちでさえ動き出すほど気持ちがよかったのだろう。

2008年11月23日日曜日

秋晴れの中の丹沢サル調査

11月22日:丹沢サル観察し隊による、恒例の秋のサル調査が秋晴れの中で行われた。
四班に分かれてそれぞれのコースを歩く(詳細な報告は後程、ホームページにアップ)。
ぼくらが歩くコースは下の写真の山稜である。
尾根に取りつくのに1時間以上かかった。
日当たりを歩いていると暑く、汗がでるが、日陰は少々寒い。
さらに、稜線は風が少々強い。
が、この紅葉が爽やかな気持ちにさせてくれる。
尾根に取りつく前にイノシシやカモシカくらいの大きな動物に出会う。
すぐ近くでクマ捕獲檻に小熊が捕まっているが、小熊よりももっともっと大きかった。
すぐ、双眼鏡で見なかったのが悔やまれる。
物見峠で三班が落ち合う約束にしていたが、ぼくらの班がズルをして鍋嵐へのコースと物見峠・辺室山との登山道との出会いで、お昼にして休んでいたら他の二班の皆さんがここへやってきてくれた。
お昼を食べて、記念写真である。手前の道を下ると物見峠、左へ行くと鍋嵐、右は辺室山である。
ここから、再び三班に分かれてそれぞれコースを踏査する。
鍋嵐からの帰路、辺室山付近でヘリコプターが異常に私達への接近を繰り返してきた。木々の葉が猛吹雪のように頭上から落ちてきた。ヘリが木に引っかかって落ちるのではないかと恐ろしい思いであった。何か、事故があったのか?
サル調査の方は事故もなく、無事終了し、夜は食事会を楽しんだ。

2008年11月21日金曜日

実のなる嬉しさ

庭のユズが今年も40個くらいなっている。
2メートルくらいに切り詰めているのが良いのか、毎年、たくさん実をつけてくれる。

このユズの実を冬至の日には隣近所の4件に配っている。ユズの実をたくさん入れて風呂に入ると何故か豊かな気持ちになれる。

故郷の釧路ではユズが売りに出されると、キャベツや大根、ニンジン、ミガキニシンなどのニシン漬けの中に入れたり、ハタハタやカレイ、あるいはサケなど飯寿司を漬けるときにもユズを刻んでいれる。あるいは、お正月に食べる雑煮にユスの皮の2、3片入れる。茶碗蒸しにも上にチョンと乗せる。

ユズは料理のつまとして重宝される。

が、ぼくは昨年あたりから、この時季に重宝しているユズを取り払って、レモンを植えようかなと考えている。酒好きのぼくにとっては、レモン汁で割った焼酎やウイスキーを楽しみたいからだ。ユズの枝にレモンを接木してみようかな?成功するとユズもレモンも収穫できる。

2008年11月20日木曜日

山歩きで骨(死骸)を見つけるには

2007年5月12日:春の丹沢サル調査の荒沢上流で、見つけたメスジカの死骸。
もっと腐るのを待とうと数週間後行くと、豪雨で全て流されてしまっていた。
山を歩いて、骨(死骸)をどこにでもいつの時季でも見つけられるわけではない。
山は、尾根があり、沢があり、尾根と沢の線を結んだ斜面がある。
動物が死ぬと、、、
死体は肉食動物などに引っ張られたり、食べられたりする内に、しだいに沢側へ落ちていく。
尾根や斜面で死んでも、動物たちにいたずらされて、沢に近いちょっとした平坦地にとどまって白骨化することも多い。

頭部は球形に近いので、転がりやすく沢付近で広うことが多い。
冬季、積雪があり、雪の上で死んだ動物は雪解けと食肉獣が引っ張ることにより春になると沢付近で腐敗臭で見つけることが多い。

沢で死骸を見付け易いのは、急峻な岩場などで滑落死した個体もいるからである。
真冬の死体の多くは猟期に撃たれたがハンターや猟犬からは逃げることができたが、銃創が悪化して死亡した個体が多い。

春先に腐敗臭で見つかる個体の多くは餓死した個体のように思える。
そんな時季に拾った頭骨の持ち主が歯がほとんど磨耗している老個体であったり、上顎や下顎に大きな古傷を持つ個体であったりする。

これは、山があるところならでこでも当てはまる経験則である。
動物の死骸を探すなら、沢付近である。

2008年11月19日水曜日

骨は成長の結果を表す

これは、アフリカのマハレ山塊国立公園近辺で拾ってきたキイロヒヒ(Papio cynocephalus)の頭骨である。
東アフリカ地域では乾期になるとありとあらゆる所で火入れが行われる。このことについては、ホームページの自然・動物・植物―マハレを見て下さい。
焼け野原になったところで拾ったものなので、焼け焦げている。異様に頭骨が光るのは、焼け焦げて骨が脆くなっているので木工ボンドを塗って骨が崩れないようにしたためです。
正面から見て、このキイロヒヒの性別がわかりますか?
分かる人はサルの頭骨を見慣れている人ですね。
ヒヒ属PapioはニホンザルやカニクイザルのMacaca属と一番近い関係にあります。
ですから、頭骨も良く似ていますね。
このような頭骨の形は、このキイロヒヒの最後の方で形作られたものなんです。
始めからこの形があった訳ではなく、受精・卵割・発生・成長・胎児・アカンボウ・コドモ・ワカモノ・オトナになってようやくこのキイロヒヒだとわかる頭骨の形が作り上げられるのです。
(底面からみるとヒトと同じ歯並び3・1・2・3と揃っています。犬歯が抜けてる。)
カエルの卵の発生からオタマジャクシが生まれるまで、子供の頃毎日見ていたいたことと思います。目と心臓があるのが他は何もない状態から、見えずらいが神経や内臓ができ、神経組織や循環器系を被うような形で骨ができてくるんですね。
頭骨にある、一つ一つの孔も既にできていた血管や神経の回りを囲むように骨ができていくことになります。
このことは、チョウやセミのサナギからの脱皮で、脱皮直後はふにゃふにゃだが、しだいに外骨格がしっかり固まっていくのと同じですね。
ヒトとテナガザルの仲間を除くアジア・アフリカ産の真猿では、オスはメスよりも犬歯が凄く発達しております。ヒトオスはメスのような犬歯になっており、テナガザルはオスもメスも犬歯が発達しております。
さて、このキイロヒヒはオスですか?メスですか?

2008年11月18日火曜日

フクロモモンガ(Petaurus breviceps)

10月16日にアップしたフクロモモンガの晒骨ができた。
側面からみると、下顎の第一切歯がすーと伸びているのがわかる。
また、上顎の第一切歯も大きい。
モモンガという名前がついているが、ネズミ(齧歯)目とは全く違う、歯式をしているのがわかる。
ネズミ仲間では、第一切歯と臼歯の間には一本の歯も無い、つまり、第二・三切歯や犬歯が無い。
しかし、コヤツはなんだかたくさん歯が並んでいる。

見ていて、これはモグラ(食虫)目の歯とすごく似ていることがわかった。モグラの仲間もフクロモモンガのカンガルー(有袋)目も哺乳類の祖先から枝分かれした後もずーと祖先の形態を残しているのだ。
さて、上から見た頭骨を見ると、右の眼窩の上の前頭骨が陥没し、右の頬骨弓も欠如している。この個体はペット屋さんで飼育されている時に、何らかの大きな力で右目付近を強打されたために死亡したと思われる。

今月に入ってから続いていた不調も、かなり快復してきた。この半月は鼻水が酷くて血圧が高いという状態が続いた。鼻水を止める薬を内科でもらって飲んだがそれがまた聞き過ぎて、唇や歯茎などの口内炎となり、薬を止めて4日目、ようやく口内炎も落ち着き始めている。山にも行けず、アルコールを飲みたく無い日まであった。そもそもの不調の始まりは、走ったことにより、膝痛が生じたことだった。

週末は秋の丹沢サル調査である。参加者は14名。サルに会えると良いのだが、、、。

2008年11月16日日曜日

秋雨の日

早朝から秋雨が降ったり止んだりしている。
前の家の垣根から駐車場へはみ出している柿の枝においしそうな大きな実がついている。
ぼくがカメラを向けていると、車をとりにきた夫婦が大きな柿ですねぇーと感嘆の声をあげる。
小雨がレンズに落ちてくるので、すぐ戻ってきた。
前の家の持ち主は、この町内でも唯一の代々この地に住んでいる人である。
広かった土地は、切り売りしたのか貸しているのか駐車場やマンションとなっている。
我家の前はキャベツや大根の畑であったが、今は調剤薬局と駐車場となっている。
畑があった時は、畑を耕す時にはツグミやシロハラ、ムクドリなどがやってきてミミズやら虫などを啄ばんでいた。

田舎も都会も地面がコンクリートやアスファルトで覆われてしまった。
雨が降って地固まるなどということは無くなってしまった。
雨が降っても大地に雨は吸い込まれず、コンクリートやアスファルトの表面を流れて下水道へと流れていく。
地下水の減少は、このような雨が直接、下水、下水から河川へと流れるようになった事に一員がある。さらに、これのことは、豪雨によって地面に滲み込まない雨水は舗装道路や下水道を走って大洪水を起こす原因にもなっているのだろう。
日本のように雨の多い土地柄では、畑作地や森林が自然の水の循環システムを作り上げていたのだらから、再度、農業を復活させ、コンクリートで固められて死んでしまった地面を生き返らせるのが緊急の課題だろう。
特に、今は食の問題で我が国の農業が考えられている時だ。
政治はこの農業問題に対して、もっともっと表立った動きをして良いと思うのだが、、、。

2008年11月14日金曜日

動物園はやはり見世物小屋か?

今日は、上野動物園に学生を連れていった。
天気も良いので、幼稚園児の集団、小学生の集団、小さな子供と一緒の家族連れなど混んでいた。
これ以上に旭川の旭日山動物園の方が年間入場が多いなんてちょっと信じられないくらいだった。
ぼくは、学生たちに日本に生息する野生動物を見てもらい、動物の檻の近くによることで、その動物の性質や匂いも感じてもらいたいと思っていた。
正門から入園してすぐ案内地図をとってみたが、ニホンザルのいる場所を除いて日本の哺乳動物がどこにいるのか判らない。
案内のブースの女性二人に聞いてみた。
ニホンザルとニホンジカのことは場所をすぐに説明してくれた。ツキノワグマやヒグマのいる場所も分かった。
テン、イタチ、イイズナ、オコジョ、ノウサギ、タヌキ、アナグマ、カモシカなどいるかいないかも分からなかった。
ましてや、日本産のネズミ(齧歯)目や、モグラ(食虫)目、コウモリ(翼手)目の有無は聞く気にもならなかった。

日本に生息する哺乳動物を10種類以上展示しているのは、上野動物園に限らず日本の動物園では皆無と言って良いほどだ。
ニホンザル、シカ、カモシカ、ヒグマ、ツキノワグマ、キツネ、タヌキはもとより、リス、ムササビ、モモンガを含む小型哺乳類や移入種などの展示をして日本の野山の動物たちをゴリラやゾウ、トラのように身近なものにして欲しい。

2008年11月13日木曜日

春と間違えた?

寒くなってきたので、屋外に出していたベンジャミンゴムの鉢を部屋に取り入れた。
置いたところの床に毎朝直径5,6センチの水溜りができる。
今朝、この葉から水滴が落ちているのがわかった。
今、葉先に水滴がぶら下り、ちょっと上の方にもついている。
この上の水滴が下りてきたら床に落ちる。
この葉だけから水滴が落ちる。
部屋の中が温かいので、もう一度元気を取り戻したかのようだ。
時計を見て測ったら30分くらいで一粒、露を落とす。
この露、少しベタベタするので舐めったが甘くない。
これから、新芽でも出てきそうだ。
植物は温度や日照時間などにすぐ反応して正直だ。

2008年11月12日水曜日

人生100年にむけて!

2000年6月に丹沢で見つけたニホンザルのオスの頭骨である。
このオスは、前年まで、前脚、後脚や背がくの字に曲がって馬ノ背群について歩いていた。
木にも登り、走っている姿もみた。
恐らく、冬を越したが栄養不良で3月くらいにでも息絶えたと思われる。
推定、30歳近いかあるいは越えていると思われたオスである。
見ての通り、歯が酷い状態であり、上も下も咬合面が磨り減って歯根まで見えていたり、歯が切歯が上下とも曲がっていて小さくなっていたり、1本ずつ欠けている。
しかし、この頭骨ほど重く、分厚い骨でできたニホンザルの頭骨はもっていない。

今日、3人の知人から「喪中のための欠礼」のハガキが届いた。御両親が亡くなったようだ。皆、90歳を越えて亡くなられている。
我老母は91歳で、歩くのが精一杯で走ることなどできない。
我父も90歳で逝った。
お袋も親父も入れ歯の助けがあればこそ食事をたのしめる。
親父の火葬後の骨は僅かであった。お袋は親父以上に痩せ衰えているので、骨が脆くなっていることは明らかだ。
ヒトは、歯が全部無くても、内臓が衰えても、免疫が不全になっても、骨が崩れる一歩手前までいっても様々な助けによって生きていける。
野生のサルは、歯が欠けたり、磨耗したり、脚の関節が痛くて足腰が曲がってあるいても、骨は堅く充実しており、木に登ったり、走ることさえできる。
上の頭骨の持ち主のオスザルは恐らく前年の厳冬期にこの歯では樹皮を剥いて食べるにも歯痛が大変だったろう。食べられなくなって栄養失調で死んでしまったのだろう。野生ザルにとっては歯が命である。

人生100年だと云う。
ヒトは、野生ザルとはちがって、老人にあった食事を摂ることができる。
病気にさえならなければいつまでも食事を摂れる。
食事をとっても多くのの器官が機能しなくなる老衰がやってくる。
残り40年をできるかぎり外を歩き、若者に伝えるべきものをもつようにしたいものだ。

2008年11月11日火曜日

ネオテニー(幼体成熟)

下の頭骨は、ニホンザルMacaca fuscataの頭骨です。
左は1歳のアカンボウで、右は12、3歳のオトナオスのものです。
両方とも千葉県産のものです。アカンボウのものは野荒らしのため有害鳥獣駆除で射殺されたもので(散弾の痕が頭頂骨に二つはっきりわかりますね。さらに、三箇所穴が空いてます)、左のオスは、山中で死骸を見つけたものです(死因不明)。

私たちヒトの頭骨は、右のオトナの頭骨よりもずーと左のアカンボウの頭骨に似ていますね。
サルはオトナになるにつれて口吻部分が長くなってますね。

頭骨に限らず、ヒトの身体は毛が少なくてサルの胎児のようなものです。
このように、サルから見るとヒトはサルの幼児がそのままのかたちで成長し性成熟に達しているようなものです。
これを幼体(形)成熟(ネオテニー)というのです。
メキシコに生息している両生類のアホロートルは有名ですね。

2008年11月10日月曜日

サルとヒトの頭骨

昨日、友人から頂いた解剖学(骨学)の本を見ていて、え?本当?何故?となり、手持ちの解剖図書や本など他の3冊を調べた。
やはり、載ってない。で、ネットで検索した無いのだ。

サルや他の哺乳類の頭蓋骨にはあるべき骨がヒトにはないのか、胎児の時に消滅しているのかもしれない。
下は、屋久島で拾った、ヤクニホンザルMacaca fuscata yakuiの頭蓋である。まー、ニホンザルやカニクイと同じと思って良い。
①:前顎骨、②上顎骨、③頬骨、④前頭骨、⑤鼻骨と⑥はサルの仲間特有の眼窩である。
①~⑤の骨は他の哺乳類の頭骨にも当然ある。
しかし、ヒトの解剖学の本では、①前顎骨という記載が見当たらないのである。
ぼくは、学生に①前顎骨から出てくる歯を切歯といい、②上顎骨から出る歯で生え変わる歯を前臼歯、生え変わらない歯を臼歯、さらに①前顎骨と②上顎骨との境目に出てくる歯を犬歯と教えている。それは、いろんな哺乳類の頭骨を見ていれば誰もが気がつく。

ヒトでは前歯はあるが、胎児の時に上顎骨と縫合・合体したものと思われる。
ヒトでは、前顎骨、鼻骨、前頭骨、後頭骨が左右合体してしまっている。ニホンザルでは、鼻骨と前頭骨と後頭骨が左右合体し、他の哺乳類では、後頭骨が合体しているくらいである。

多くの哺乳類で左右の頭骨が縫合合体しているのは老齢化した個体だけである。
何故、他の哺乳類でもサルが左右の前頭骨や鼻骨が合体し、、サルよりもヒトの前顎骨が縫合合体しているのであろうか?
これが今、わからないことである。

2008年11月9日日曜日

眩しいナンテン

昨日は、午後2時から8時まで我家の居間で、専門学校の卒業生たちと鍋を囲んだ。
25歳の女性たちを直視できない。
彼女らの身体の中に何があるのだろうと思う程、みな光り輝いていて眩しい。
ニギヤカナに鍋が終わり、台所を整理整頓して、引き上げていった。

今朝は曇り空、隣の庭のナンテンの赤い実が輝いている。
たくさん輝いて鳥たちに見つけて食べてもらわなくては、彼らは子供たちを残していけない。
卒業生たちの眩しさも、生命としての自然の輝きなのだろう。

2008年11月8日土曜日

イヌ科Canidae3属の頭骨・後眼窩突起による同定

わが国には、ノイヌも含めてイヌ属Canis、キツネ属Vulpesとタヌキ属Nyctereutesの3属が生息する。
イヌ属はノイヌC. familiaris、キツネ属はキツネV. vulpes、タヌキ属はタヌキN. procyonoidesである。

関東地方にはこれらイヌ科の3種が、轢死体となっているのを目にする。

頭蓋骨の前頭骨から横に張り出た後眼窩突起(下図、〇で囲った部分)の形で3種を容易に区別することができる。
左から、イヌ、キツネ、タヌキである。
以下の3種の頭骨上面の写真からも容易に区別できますね。 皆、同じ大きさにしております。