陸生の偶蹄類のシカ、カモシカ、イノシシ及びノウサギの下顎骨の下顎頭●をアップする。シカ、カモシカの下顎頭は筋突起よりずいぶん離れた下にある。が、イノシシの下顎頭は筋突起より僅かに下だ。何れも歯冠より高い位置にある。
図1.シカCervus nipponの下顎頭●
図2.カモシカCapricornis crispusの下顎頭
図3.イノシシSus scrofaの下顎頭
図4.ノウサギLepus brachyurusの下顎頭
筋突起は下顎頭より下の下顎枝前方の部分
シカやカモシカでは、支点●と力点となる筋突起の長さ(a)と支点●と作用点となる歯までの距離(b)は圧倒的にbの方が長い。これはイヌやネコとは比較にならないほどだ。当然、イヌ、ネコの方が嚙む力が強いと云える。イノシシの下顎頭と筋突起の位置はニホンザルタイプだ。ノウサギも噛む力はネコやイヌに及ばないと云える。
動物たちの歯と筋突起と下顎頭をテコの原理の作用点、力点、支点と考えると一筋縄では行かない。
いずれにしても草食動物は草食動物に肉食動物は肉食動物に適した下顎骨の構造と筋肉を持っているのだ。




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