イワハイラックスの頭骨を見ていて、後眼窩突起の他に???っと思う骨があった。それは頬骨弓だ。頬骨弓は頬骨から側頭骨へ伸びた突起と側頭骨から頬骨側へ伸びた突起が癒合した骨である。図1の紐が巻かれている骨だ。
頬骨が側頭骨の方に伸びて途中で前頭骨の方に向かう突起(頬骨前頭突起)と後眼窩突起(前頭骨頬骨突起)が癒合すると、眼窩輪が形成される。図1のイワハイラックスでは眼窩輪が形成されていない。
この頬骨から側頭骨の方に伸びた突起が側頭骨まで達しており、図1では頬骨側頭突起の上に乗るように伸びてくる側頭骨頬骨突起が不明だ。実は、側頭骨頬骨突起が破損しているのだ(図2)。図3はキノボリハイラックスだ。側頭骨頬骨突起が少し上にかぶさっている(赤線で囲う)。
図1.イワハイラックスProcavia capensisの左側面からの頬骨弓(紐が巻かれている)
図2.イワハイラックスの欠損した側頭骨頬骨突起
図3.キノボリハイラックスDendrohyrax arboreusの頬骨側頭突起と側頭骨頬骨突起の癒合部分
図2&3の赤線で囲んだ頬骨側頭突起の下部が下向きに凸になっている。これは、何と下顎頭を受ける下顎窩の一部になっているのだ(図4)。頬骨側頭突起が下顎窩の一部になっているのは、ぼくの手持ちの頭骨ではハイラックスの仲間だけだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿