シカやカモシカの腓骨は脛骨の上位端と下位端に本少しその痕跡を残すだけだ。それだけ、走るのに特化した動物は前後の動きだけが重要視され腓骨が消失しかかっている。
図1.ニホンジカCervus nipponの右の脛骨と残存腓骨
遠位端に外顆〇と云う形で腓骨の遠位端が残り(図2)、近位端にもトゲ状の骨として残っている(図3)。外顆は骨にすると脛骨から離れるが、近位端の退化関節腓骨は脛骨と合体している。
図2.ニホンジカの脛骨遠位端の残存腓骨〇(外顆)と内顆↑
図3.ニホンジカの脛骨近位端の残存腓骨↑
同じ偶蹄類でもイノシシの脛骨と腓骨はバラバラだ(図4)!猪突猛進なんて言葉があるから、イノシシの足も走るのに特化している訳ではなかった。シカやカモシカは叢に横になって休息するくらいだが、イノシシは前足で木や草の根を掘ったり(図5)、木の枝やスゲなどの長い草丈のイネ科の植物で、寝床を作る(図6)。これらの採食行動や営巣行動に後足の脛骨と腓骨が離れていることと結びついていると考えられる。
図4.ウリボウSus scrofaの脛骨と腓骨
腓骨の端の軟骨部分と脛骨の軟骨部分が欠如
図5.イノシシの掘り起こし 土山峠で20170622
図6.イノシシの寝床 奥湯河原で20170511
夕方になるとフウランの香りが強く漂う。部屋の中に二鉢ぶら下げているので、庭からの柔らかな風に乗って部屋中に広がっている。
久し振りにブランデーを飲んでいる。うん、なかなかオイシイ。
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