頬骨弓は頬骨側頭突起と側頭骨頬骨突起が接して癒合した頬骨と側頭骨が弓状に張り出た部分である。真無盲腸目のトガリネズミ科とモグラ科の頭骨の違いは頬骨弓の有無が述べられている(阿部永、「日本の哺乳類」東海大出版)。とすると図1のアズマモグラの頬骨弓(a~bの部分)であるので、頬骨はaの部分辺りから弓の中程までの細い部分であろうか? aの前部は上顎骨に当たる。
モグラ科の頬骨弓は細く太さ(幅)は1ミリにも満たない。
図1.アズマモグラMogera woguraの頭骨左側面からの頬骨弓
a~b:頬骨弓と思われる部分
a~b:頬骨弓と思われる部分
齧歯目のネズミ科のネズミたちの頬骨弓は骨にすると頬骨弓の中辺りの骨が消失してしまうことが多い(図2)。
図2.アカネズミApodemus speciosusの上から見た頬骨が欠けた頭骨
m:上顎骨 s:側頭骨
つまり、ネズミ科の頬骨は見た目の頬骨弓の中辺りに位置する(図3)。図2のアカネズミの頬骨弓の欠けた部分が頬骨である。ネズミ亜科のアカネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミの頬骨は、上顎骨や側頭骨との接合部分がしっかり癒合していないので欠落しやすい。
図3.スミスネズミEothenomys smithii頭骨の左側面からの頬骨(青色部分)
2023年9月26日の図3のスミスネズミの頬骨側頭突起→と側頭骨頬骨突起←の部分は上顎骨と頬骨との癒合部分です。ごめん!間違っていた。
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