前回齧歯目の頬骨をアップした。ヌートリアを除いてどの種の頬骨も眼窩の前縁には達していなかった。今回は食肉目イヌ型亜目Caniformiaのイヌ科のキツネ、アライグマ科のアライグマ、イタチ科のアナグマ、クマ科のツキノワグマの頬骨を見てもらう。どれも海鳥が羽根を広げて舞っているよう形をしており、羽根の一部が眼窩の前縁に当たり、もう一方の羽根が側頭突起になって側頭骨頬骨突起の下に滑り込んでいる。さらに前頭突起が頭部になっている(図1~4)。
図1.キツネVulpes vulpesの頭骨左側面からの頬骨(青色)
図2.アライグマProcyon lotorの頭骨左側面からの頬骨(青色)
図3.アナグマMeles melesの頭骨左側面からの頬骨(青色)
図4.ツキノワグマUrsus thibetanusの頭骨左側面からの頬骨(青色)
齧歯目の頬骨弓と大きく異なるのは、このイヌ型亜目の動物たちの頬骨は眼窩前縁から低縁と前頭突起が伸びていることだ。イヌ型亜目の鰭脚類の頬骨はどうなっているのか?哺乳類頭蓋の画像データベースをみた(図5)。形は陸上性のイヌ型亜目の動物たちと似ている。片方の羽根と頭部で眼窩前縁から低縁を形成し、もう片方の羽根は側頭骨頬骨突起の下の潜っている。
図5.ゼニガタアザラシPhoca vitulinaの頭骨左側面からの頬骨(青色)
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