先日のシカの死骸は動物たちにさらにさらに食べられていた。
左に頭骨が裏返ってある。
頭骨と寛骨は脊椎をとおして繋がっており、両前肢は肩甲骨から離れ、
右後肢も寛骨から離れていた。
頭骨と寛骨は脊椎をとおして繋がっており、両前肢は肩甲骨から離れ、
右後肢も寛骨から離れていた。
写真右の脚は、左の後ろ足である。
脊柱から肋骨部分が無いのがわかる。
近づいてみると、前回あった肋骨部分は、骨が割られて骨髄が食べられている。
(脊柱の中央右上に下顎骨がある。クリック拡大)
上の赤くなっている肋骨部分をさらに寄って撮ると、
骨髄の中は、血管が充満し、脂肪質で満たされている。
餓死した動物には、体内の脂肪分がエネルギーとして消費され、
最後に、骨髄に蓄えられている脂肪分が使われるので、
このシカは餓死したのではないことをあらためて知った。
内臓や肉を食べつくした動物たちは骨を食べ始めたのだ。
しかし、シカの骨は非常に堅い。
この骨を齧って噛み砕くことができるのは、そうとう顎が頑丈で、噛む力が強い動物だ。
イタチ、テン、タヌキはシカの骨をこのように噛み砕くのは無理だろう。
しかし、3月4日にアップしたタヌキ糞からはシカ毛と骨片がでてきている。
ということは、タヌキでもシカの骨を噛み砕けるのだから、キツネ、アナグマ、そしてハクビシンやアライグマ(彼らは腐肉は食べない?)ならさらに簡単にバリバリ齧るだろう。
骨が現場から移動していないのは、その場で骨を齧っているということだ。
今回は、この骨がどこまで齧られて無くなっていくか見届けてやろう。
ぼくが不思議に思っているのは、頭骨は前額骨部分(鼻先)が齧り取られているが、
腦はそのまま残っている。アフリカでヤギの頭骨をそのまま焼いて脳味噌を食べたことがあるが、カキフライの牡蠣のような味がした。
頭蓋骨に歯を立てづらいので残されているのかもしれない。
下顎骨は上顎と接する関節部分の筋突起や関節突起部分が齧り取られているが、
左右の下顎骨は合体したままだ。
まだ、まだこの骨はしゃぶられる事だろう。
これから、アカネズミたちもやってくるだろう。