12月11日に早戸川林道から造林小屋まで歩いた時に見つけたテン糞をようやく全部洗い内容物を同定した。外気は冷たいのに、まだ水道水は冷たくなかった。
テン糞1から15までの内容物をまとめて表1に示した。また、見つけた地点を図1に印した。
7:37 テン糞1
エゾエノキ種子・果肉果皮
7:48 テン糞2
エゾエノキ種子・果肉果皮、昆虫外骨格・脚・翅、羽毛・羽毛軸、砂泥
7:57 テン糞3
エゾエノキ種子・果肉果皮
8:02 テン糞4右側をゲット
サルナシ種子・果肉・果皮
8:12 テン糞5
マメガキ種子・果肉果皮
8:25 テン糞6
マメガキ種子、エゾエノキ種子・果肉果皮
8:36 テン糞7
マメガキ種子、エゾエノキ種子・果肉果皮
8:50 テン糞8
マメガキ種子・果肉果皮
8:56 テン糞9
エゾエノキ種子・果肉果皮、キブシ種子、サルナシ種子
11:35 テン糞10
サルナシ種子・果肉果皮、昆虫脚
11:31 テン糞11これは臭いや砂泥からタヌキ糞だった
マメガキ種子・果肉外皮、エゾエノキ種子・果肉果皮、サルナシ種子・果肉果皮、直翅目脚・産卵管、羽毛、砂泥
12:52 テン糞12
マメガキ種子、エゾエノキ種子・果肉果皮
13:00 テン糞13
エゾエノキ種子・果肉果皮
13:13 テン糞14
エゾエノキ種子・果肉果皮、サルナシ種子2個
13:53 テン糞15
サルナシ種子・果肉果皮、マメガキ種子・果肉果皮、羽毛
表1.テン糞1~15の糞内容物
合計 7 7 9 1 3 3 2テン糞⑪は同定する時にタヌキ糞と判ったが、⑪を除くとサルナシ、マメガキ、エゾエノキの種子が半分以上の糞であった。また、半分の糞は2種以上の果実を食べたものであった。テン糞⑨は⑪のタヌキと同じように3種の果実を食べてものであり、サルナシやエゾエノキの他にキブシの種子が出て来た。これから、春までキブシの果実食いとなる前兆の糞である。⑪を除く2個の糞からは鳥を食べた羽毛軸などが果実の種子に混じっていた。渡りの途中の衰弱した鳥が捕まったのかもしれない。
ちょっと気になったので、テンなどの食肉目の糞に鳥を食べた羽毛などが出てきた113個でこれは拾った全ての糞の16.4%にあたる。この内51.3%が4月から6月に集中している(図2)。これは鳥が抱卵や育児をしている時期にあたる。7月から11月の4ヶ月は鳥を食べたと思われる糞は9個のみであり、この時季は鳥を捕獲するのには相当技術がいると思われる。12月から3月は46個(鳥を食べた糞数の約41%)である。統計計算はしてないが、明らかに鳥がテンやタヌキに食べられるとしたら、4~6月の3ヶ月間集中しており、さらに冬季の12月から3月の4ヶ月にもまた少し鳥を食べる割合が高くなる(これまで取った糞の総個数は1856個。これには丹沢以外の場所、箱根・湯河原、釧路湿原、藤沢、横浜のものも含む)。以上、大雑把に過去の資料を振り返った。
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