図1のdの右肩甲骨は2010年9月1日に早戸川の早戸大滝付近の左岸の岩場で見つけたもので、右上腕骨と右尺骨と共に拾った(図2)。上腕骨(図2b)の内側に顆上孔があるので、イタチ科の仲間の骨だと思った。
その肩甲骨をaアナグマ(日高市産)、bテン(宮ケ瀬産)、cイタチ(鴨川産)の肩甲骨を肩甲棘が水平になるように並べて比較した(図1)。見比べると早戸大滝産のdはアナグマaとテンbの間の大きさであり、テンbにより近い。
図1.外側からみた肩甲骨、aアナグマ、bテン、cイタチとdテン♀と同定
肩甲骨の上が後縁で下が前縁に当たる
肩甲骨と一緒にあった上腕骨や尺骨もテン(宮ケ瀬産a,a')とアナグマ(日高市産c,c')と並べて比較した(図2)。
図2.テン(a',a)とアナグマ(c',c)、及び早戸大滝産(b',b)の尺骨(a',b',c')と上腕骨(a,b,c)
尺骨も上腕骨も早戸大滝産のb,b'はテンとアナグマの中間の長さである。しかし、太さは殆どテンのものと変わらない。丹沢のイタチ科の動物は大きい方からアナグマ、テン、イタチである。イタチ科の動物は♂が♀より大きい性的二型が顕著である。となると早戸大滝産のイタチ科の動物はテン♂の可能性が高い。このテン♂の上腕骨の遠端部の外側上顆稜に小さな穴(図2のbに糸を通す)がある。これは何と言う名の孔であろうか?獣医学を学校で学んだ方に教えてもらいたい。


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