これまでイヌ科のキツネを骨アップしてきたが、本来ならばイヌの骨をアップしたい。が、あるのはクロの寛骨だけだ。交通事故に遭ったイヌの死骸など多そうだが、ぼくが子供の頃のように野良犬など全く見かけない。イヌたちは全て飼い主のリードに結び付けられているため、事故に遭わないのだ。しかし、タヌキの轢死体は山へ行っていた時は半年に一度は遭遇する。
ここで載せるイヌは実験用動物として飼われていたビーグルで、教え子のMOさんから貰ったものである。
図1.イヌ科3種イヌCanis familiarisキツネVulpes vulpes・タヌキNyctereutes procyonoidesの上面からの頭骨
3種の上からみた頭骨の違いは先ず、後眼窩突起の形状が大きく違う。しかもイヌの後眼窩突起は盛り上がっているが、キツネやタヌキは薄く鋭い突起が突き出ている。タヌキは3種の中では一番後眼窩突起が細く長い。図では不確かだが、イヌの頭骨の各骨は分厚く頑丈だが、キツネやタヌキは薄い。図2.腹側からのイヌ、キツネ、タヌキの頭骨
歯式は上:3・1・4・2、下:3・1・4・3だが、我が家のクロの上顎は3・1・3・2であった。
図3.左右の上からみたイヌ、キツネ、タヌキの下顎骨
ここで北極圏に暮らすイヌ科のホッキョクギツネの頭骨があるのでアップする(図4&5)。これは動物カメラマンのFSさんがウランゲリ島で見つけたものだ。図4の頭骨を見ると、後眼窩突起の形状が図1のキツネによく似ている。Vulpesであるのも頷けるが、以前は属名がAlpexであった。
図4.上からのホッキョクギツネVulpes lagopusの頭骨
図5.下からのホッキョクギツネの頭骨と上からの下顎骨





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