ウサギとネズミの顎関節は似ているようで、大きく異なっている。ネズミは下顎を前後に大きく動かすことができるからだ。
図1.スミスネズミEothenomys smithiiの上下の頬歯が咬み合っている状態
図2.スミスネズミの下顎頭(関節突起)(↑)
図3.スミスネズミの側頭骨の顎関節(→)
スミスネズミの下顎と上顎の頬歯をしっかり嚙合わせると、下顎頭と側頭骨の顎関節が接触しないのだ。つまり隙間があるのだ(図4)。
図4.スミスネズミの顎関節と下顎頭
図5.ヌートリアMyocastor coypusの上下の頬歯は咬み合っているが、顎関節と下顎頭はかなり離れている。
この上下の頬歯(前臼歯+臼歯)の咬み合いと顎関節と下顎頭との関係はスミスネズミやヌートリア以外の齧歯類でも同じかもしれない。では、どのような時に下顎頭が顎関節に接するかと云うと、下顎が前に出た時と、下顎が下方に、つまり口を開いた時に下顎頭は側頭骨の顎関節に接するのだ。だから、口を開けて切歯で、物を咬み切るときに顎関節が支点となっている。切歯で咬み切った物を頬歯で咀嚼する時には下顎頭と顎関節はあまり接し無いのかもしれない。
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