24日に土山峠から「峠のお社」に登る時、沢沿いの経路を利用した。
沢を登っていくと、15日には気がつかなかったシカが解体された現場にぶつかった。
2等のオスジカがここまで曳きづり下ろされて解体されたようだ。
丹沢の猟期は15日までだったから、その少し前に撃たれて解体されたようだ。
そう云えば、15日に沢を下ってきたら、経路の登り口近くに軽トラが2台停まっていて、
二人の猟師が立ち話しをしていたっけ!あの時だったのかな?
こちらは、猟銃の音も聞こえなくなってしまったのだろうか?
それは、ともかく可哀想なシカが解体された跡だ。
クリックすると拡大するが、左下と中上に下顎骨が見える。
左端と中くらいに上顎骨が裏返っている。
一体分の毛皮があり、沢を隔ててもう一体分の毛皮がある。
胃に詰まっていたと思われる反芻途中の内容物が捨てられたままになっている。
これは、猟師が胃を割いて内容物を捨てたのだろう。
そして、胃を含む小腸も内容物を出してこの沢で洗ったのだと思いたい。
この解体現場には、頭骨は揃ってあるが、角は折り取られ、四脚や骨盤や脊椎を含む頭以外の他の骨は見当たらない。動物たちが持っていったとは考えられない。
これら2頭のオスジカを解体した猟師たちは頭骨と毛皮と胃内容物を捨てただけで、持ち帰ったようだ。
毛皮も持ち帰って利用して欲しかった。野生動物と云わず生き物を殺生した場合、殺生した人間はできるだけ全て利用すべきだ。それが生き物に対する思いやりだろう。
アフリカの山で一緒にチンパンジーを追ってくれたトングエの人々は、小動物なら皮を食べ、内蔵は綺麗に洗って食べ、骨までバリバリと噛み砕く。サルくらいの大きさになると毛皮は敷き皮やなめし皮にして利用する。
日本人とアフリカ人の野生動物に対する思いは異なるが、ついこの間まではシカ皮も大事に利用した筈だ。沢の水に浸らせて腐らせることはないだろう。
それとも、せめて皮だけでもイタチ、テン、アナグマ、タヌキ、キツネ、クマやカラスたちに残してくれたのだろうか?贅沢になった日本人が皮を死肉を食べる動物たちに施したということか!