サルの仲間だけが左右の前頭骨が頭頂骨より先に癒合し、頭頂骨の癒合は遅れると思っていた。が、ネズミの仲間もそうであった。さらに真無盲腸目のモグラの仲間も頭頂骨は前頭骨の後に癒合するのだ。
図1のモグラ科のアズマモグラの左右の前頭骨fは癒合しているが、頭頂骨はまだ縫合腺が見える(図1)。トガリネズミ科のジネズミも左右の頭頂骨は癒合してないが、前頭骨は癒合している(図2)。
図1.アズマモグラMogera woguraの前頭骨fと頭頂骨p
図2.ジネズミCrocidura dsinezumiの前頭骨fと頭頂骨p
手持ちの頭骨の中では、左右の前頭骨が癒合しても、頭頂骨がなかなか癒合しないのが、サルの仲間とネズミの仲間とモグラの仲間である。他の哺乳類は左右の頭頂骨の癒合が子供の時には既に終わっており、左右の前頭骨は遅くなり、老齢になっても縫合しないシカやカモシカの場合もある。これらの違いが、脳容積が大きくなることと結びついているのか?あるいは後眼窩突起窩や角や上顎骨の歯の成長と関係しているのか?何によって前頭骨や頭頂骨の成長が促されるのだろうか?頭骨を構成する骨が同じように成長・発達していく訳ではない事が判った。
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