昨夜、札幌市在住の能登さんから、頭骨の同定を依頼された。
ぼくのキツネ、タヌキ、イヌの頭骨の区別の仕方が載っているHPを見たが、
しっかり、分からなかったようだ。
(以下の写真は能登さんから添付されてきた写真)

見たところ、タヌキ、キツネ、イヌではないと思った。
頭骨が全体的に丸っこい、寸詰まりの印象をもった。
もちろん、矢状縫合の盛り上がりと後眼窩突起の様子から食肉目の動物であることは間違いない。

歯式は、3・1・4・2であることがわかる。
①は裂肉歯であるが、T字状ではなく、第一大臼歯と同じような大きさと形だ。
②の第一小臼歯が犬歯に接している。イヌ科の動物では第一小臼歯と犬歯は接しない。
③の前顎骨と上顎骨との縫合面に穴があいている。イヌ科の動物ではこのような明確な穴はあかない。
赤丸の翼骨突起の先端が、下顎窩(下顎との関節部分)とほぼ同じ位置にある。イヌ科の動物では翼骨突起はもっと前にくる。

それにしても、アライグマは全国区になったのですね。
恐ろしい!
このアライグマは犬歯の磨耗状態や矢状隆起の盛り上がり、及び前頭骨と頭頂骨の縫合状態から老齢個体であると思われる。
タヌキ、キツネ、イヌにアナグマ、アライグマ、ラッコ(orカワウソ)の頭骨が同じくらいの大きさなので、これらの区別の仕方をHPにアップしなければいけないですね。