今回の林道歩きで見つけ拾ってきた糞は伊勢沢林道で見つけた2個のテン糞だけであった(図1&図2)。テン糞1はサルナシとマメガキを食べたものであり、テン糞2はサルナシを食べたものであった。
図1.テン糞1
サルナシ種子3個、マメガキ種子・果肉
図1’.テン糞1の内容物
図1’と図2’のテン糞1とテン糞2を茶漉しに容れて流水で洗った残渣を白いプラスチックの鉢受けにあけたものである。図1’では、マメガキの果肉が分解消化されずに出てきており、図2’ではサルナシの果肉つき果皮が出てきている。このようにテン糞では食べた果実の果肉や果皮が消化されずに、つまり栄養として腸で吸収されずに食べたものの相当量の果肉などがそのまま排泄されていることが解かる。
つまり、テンは甘く美味しいサルナシやマメガキの果実を食べたとしてもヒトなら、奥歯で噛んでバラバラにし、更に胃で細かにされる。そして小腸で、サルナシやマメガキの果肉の糖分が吸収されやすいようになるのだが、テンでは、歯で噛んで胃で細かにするという基本的物理的分解消化作用がほとんどなされていないことが解かる。
1個のカキの実やサルナシの実を食べても果実内の炭水化物をテンが消化・吸収するのはそのほんの僅かだろう。炭水化物は動物たちが動き回るためのエネルギー源である。こんな僅かなエネルギーしか摂取できないのに動き回るのは余程効率が良い生理的メカニズムをテンは持っているとしか考えられない。
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