「特定秘密保護法反対」

「特定秘密保護法」、「集団的自衛権」に反対します。憲法第9条をしっかり守りましょう。教育勅語の教材活用は間違いだ!

自由であっても、他人の生まれ、身体、性別、年齢、故郷、風習、宗教、民族、国を差別する、小馬鹿にする、冒涜するのは許されない。

原発不要・核廃絶


2022年12月13日火曜日

真無盲腸目の第二頸椎(軸椎)   Axis of Eulipotyphla

 日曜はNHKの囲碁を見てから寝、昨日はハクビシンの軸椎をアップしてからベットに入った。風邪をひいたのだ。8日に上野の東京国立博物館に行った時に館内が人混みで暑く、汗っぽくなったのでコートを脱ぎ、そのまま帰宅したのが風邪を引いた原因だろう。体温が高くても37.5度だ。

図1. 背側から見た軸椎
 左:カラフトトガリネズミ 中:ヒミズ 右:コウベモグラ
図1の軸椎はカラフトトガリネズミやヒミズ、コウベモグラのものであり、形状は昨日アップしたハクビシンの物と変わらない。
モグラ科やトガリネズミ科は、ぼくが学生の頃は食虫目であり、その後トガリネズミ目になり、最近(2018から)では真無盲腸目になっている。
それは兎も角、軸椎は脊髄が通る堆孔を囲むように腹側には袈裟を羽織った坊さんの頭の歯突起があり、背側には両手を合せた形状の棘突起となっている。

2022年12月12日月曜日

ハクビシンの第二頸椎  Axis of masked palm civet

9日のお昼頃、N.Kさんの携帯に電話したら、畑だと云う。丁度良かった、3月に埋めて5月に掘り出したハクビシンの頸椎や胸椎、腰椎、尾椎などはまだ埋めたままなので掘り出しに行く旨を伝えた。
畑に行くと奥さんもいてお昼休みの時だった。N.Kさんはあの場所は耕運機を入れたからどうなったかな?とハクビシンを埋めた場所に来た。掘り起こしてみると尾椎が1個見つかったので、希望を持って十能で掘り起こした。30分くらいやって第二頸椎(軸堆)ともう1個の尾椎が出てきた(図1)。第二頸椎は横突起Dや後関節突起Eが耕運機の刃で砕かれてしまっていたが、頭のような中央の歯突起Aが伸び、袖を広げるように外側関節面Bがあり、両手を合わせるように棘突起Cがある。
この第二頸椎(軸椎)の形状は、モグラからヒトまでほぼ同じであり、告別式で死者が焼かれた採骨の時に火葬場の係官がノドボトケと指示してくれる骨でもある。しかし、元気で生きている時のノドボトケは軟骨の喉頭隆起であり、火葬後は焼けて残らない。
でも、軸椎の形状は仏様が拝んでいるようだ、、、、、、。
図1.ハクビシンPaguma larvataの左斜め背側からの第二頸椎(軸椎)と2個の尾椎

2022年12月9日金曜日

上野公園   Ueno Park

昨日高校同期のTGと京成上野駅前で待ち合せ、御徒町の「餃子の王将」に行き、餃子、麻婆豆腐、酢豚、レバニラを食べ、生ビール2杯半を飲んで会計を済ます。ようやく12時を回っている。そう、昨日は10時半に京成上野駅前で待ち合せたのだ。が、ぼくが乗る東海道は高崎の方で人身事故が起きたとやらで遅れ、しびれを切らしたぼくはバカな事に東京駅で下りてしまった。東京駅構内で山の手線の上野方面行きのホーム(4番線?だった)を探し、電車に乗って「遅れる」ってショートメールをしたいが、普段使ってないからそのやり方に四苦八苦していたら、上野に着いた。不忍出口で出たが、その前にトイレに行ったために方向感覚を失い。京成上野駅はどこか?信号待ちの人に聞く有様だ。
まー、首尾よく京成上野でTGと会い、店を出た後は、アメ横を通って上野の東京国立博物館の「国宝展」に行った。アメ横では3杯1500円の大きなスルメイカを安いと思って買い、さらに料理用バナナ300円を買ったのだ。
国宝展は入場制限をしており混んでいた。それでもすぐ近くで見ようとしても見ることができず。離れた所から眺めるよりなかった。TGとは1時間後に出口で落合う約束をしたが、ぼくは30分もしないで出口まで来てしまった。奈良、平安、室町時代の知識が無いぼくにとっては人混みだけで疲れてしまったのだ。古い仏教絵や書あるいは刀剣を見ても、、、、、。
図1.JR上野公園口前から上野公園方面を見る
JR上野公園口前の通りは、修学旅行生、大学生グループ実習、恋人たちと思われる二人連れ、友人グループや年寄りグループ、車椅子を押す親子連れ、外国人の人たちで賑わっていた。TGに先に帰るとショートメールをして、改札に入り階段を下りると電車が来ていたので、飛び乗る。

帰宅後、すぐイカを捌き、一杯は刺身にして他は塩辛だ。肝臓と塩と麹を入れて素手で入念に掻き混ぜる。これだけでもすぐ食べられる。が、ぼくは3,4日置く。その間に日に朝、昼、晩と塩辛を搔き回すのだ。大きいジャムビン2個になった。

2022年12月7日水曜日

イワハイラックスの後眼窩突起 Postorbital process of Rock hyrax

 イワハイラックスProcavia capensisの頭骨を見ていて不思議な事に気が付いた。それは後眼窩突起である。

後眼窩突起は前頭骨から出ている突起である(図1)。これはキツネであるが、サルもシカやリスも後眼窩突起は前頭骨から出ている突起である。そのため前頭骨頬骨突起という名さえある。

図1. キツネVulpe vulpesの頭骨
f:前頭骨 p:頭頂骨 pp:後眼窩突起 za:頬骨弓
しかし、イワハイラックスでは、後眼窩突起の先の骨は頭頂骨からの骨になっている(図2,3)。キツネの頭骨に比べて頭頂骨が前方に押し出しているのだ。
図2. イワハイラックスP.capensisの頭骨 クリックして拡大
f:前頭骨 p:頭頂骨 z:頬骨弓
図3. イワハイラックスの頭骨(左側面から)
f:前頭骨 p:頭頂骨 z:頬骨弓
イワハイラックスの後眼窩突起のように頭頂骨が押し出してその先端部分までたっしているものは手持ちの頭骨ではない。後眼窩突起は前頭骨頬骨突起と云う別名もあるが、イワハイラックスのものは頭頂骨頬骨突起と名付けても良いくらいだ。
キノボリハイラックスDendrohyrax arboresuresuでは後眼窩突起が伸びて頬骨前頭骨突起と癒合し眼窩輪が形成されている(図4)。
図4. 左:イワハイラックスP.capensis  右:キノボリハイラックスD.arboreus
頭骨ばかりでなく骨を眺める時間が多くなった。その為、机の周りは骨だらけで、小さくて細い真無盲腸目(ついこの間まではトガリネズミ目)の肢の骨は、見終わったら元の箱や袋に戻すのが大変だ。
プーチン・ロシアは相変わらずウクライナ東部・南部に侵攻したままだ。ウクライナやNATOに頑張ってもらいたい。

2022年12月6日火曜日

上顎の歯式は1・0・4・3の動物  Animal whoes upper dental fomula is 1・0・4・3

 クロアチアにPK戦の結果破れた。仕方がないが、日本の若者は凄い!

棚の頭骨を見ていて、ん?これは面白い!っと思ったものがあった。これはアフリカにいる時にチンパンジーの人付けを手伝ってくれたアルーシャ在中のドイツ人の若者F.G.から貰ったものだ。

歯式は1・0・4・3/2・0・4・3である。つまり上顎も下顎にも犬歯がなく、上顎の歯式だけを聞くと、”切歯が一対で犬歯が無いので、ん?齧歯目?”っと思ってしまう。

こやつの頭骨は下の写真のようである。

図1.左から側面から、正面から、後ろから、上から
この頭骨は、、、そうです。ハイラックス(イワハイラックス)です。ハイラックスの上顎の歯(図2)で、1・0・4・3です。下顎の歯式は2・0・4・3(図2)です。
図2.イワハイラックスの歯 左:上顎 右:下顎
イワハイラックスの頭骨の下顎骨はサルやイノシシ、ゾウのように左右が癒合合体し(図2)、下顎枝は幅広い(図1)。歯を見ても判るようにイワハイラックスは草・葉・樹皮などの植物食であるのが判る。

2022年12月4日日曜日

野生のエノキダケを食べる! I ate the wild mashroom, velvet shank "Flammulina velutipes"

2日に見城から日向山への登りの途中で見つけ、採ってきたキノコ(図1,図2)がエノキダケではないか?っと云う思いに取りつかれて手持ちの5冊の図鑑のエノキダケの記載を読み、ネットでエノキダケをググっていて、エノキダケだと同定するに至った。
①傘裏のヒダが白っぽい(図2)、 ②茎が褐色だ(図2)、③茎が空洞(図3)、④ツバがない(図2)、⑤ヒダと茎の間が少し離れている(図2)、⑥茎に極小の微細な毛がある、⑦僅かな鉄サビの匂いがする、 ⑧12月2日という晩秋から冬にかけてあった
図1.登りの木で作られた階段から出ている
図2.ヒダは白いが褐色の茎で微毛あり
図3. 茎は空洞だ!
キシメジ科であることは図1,2から判断できる。さらに上記の8つの事からエノキダケとした。決めては鉄サビの僅かな匂いだ!

先ほどお昼に向けてエノキダケを大根おろしを入れた味噌汁にして食べた。ぼくが食べているとキノコ好きの連れ合いが汁を飲ませてと云うので汁はお椀半分くらいまだ残っているからそれをすすめる。連れ合いは「出汁が美味しいねぇー」と喜ぶ。ぼくは採ってきた6個を食べる。満足だ!

2022年12月3日土曜日

霧雨の中の日向山  Mt.Hinata in the drizzle

 霧雨だ!娘はスマホを見て40分後には雨は上がると云うので8時を回ったので出発する。雨具は持っているが、着るまでもないが、ザックカバーだけはつける。駐車場すぐ側の神社の階段を登る。濡れている落ち葉で滑りやすくなっている。シカ柵扉を開けて、娘を先に行かせる。登るのを止めるかな?っとも思うが娘の姿はもう視界から消えている。

稜線までの登りがキツイ!いつも散歩は早歩きで頑張っているのに、足の筋肉は鍛えられていないようだ。早くもフウフウハァハァと息が荒くなる。最初の道標が見えてホッとする。これから良く整備された平らな道だ。

図1. 8:18 最初の道標だ!
図2. 8:27 七沢温泉への道だ、帰りにこの道を登ってきた!
この七沢温泉への道標があるところから木の根が浮き出ていて平坦だが歩きづらい。次第に登りになり、再び息が荒くなり始める。そう、見城まで登りなんだと思い見上げる(図3)。この階段道も登り易いようにと小さな段差を新たに付けてくれている。左の方は海が見えるが木立が邪魔している。ようやく海が良く見えるところまで登ってきた(図4)。見城についても休み台は濡れているし、ザックも置けないので、スポーツドリンクを飲んだだけで、日向山へ向かう。
図3. 8:45 登りの階段道だ!
図4. 8:54 左に見えるのは三浦半島 
図5. 9:06 見城から 
見城からの下りは割りと急だが、整備されているので歩き易い。日向山との鞍部に出る。道標があり亀石とあるが、帰路その亀石なるものの側に寄ってきた。
図6. 9:21 亀石0.7キロの道標 
鞍部から登り始めて間もなくして階段の木から美味しそうなキノコが出ている(図7)。傘裏はこうだ(図7’)。ツバは無く、襞が茎と離れている。調べても同定できない。茎がちょっと古い感じ。食べたいが、、、、。
図7. 9:40 このキノコが同定できない
図7’. 傘の裏 茎が枯れたようで二つに分かれている感じ
日向山山頂の休み台の上に雨で雫が溜まっている箇所もあり、外したザックカバーで上を拭く。で、持ってきたクッションを置いて腰かけ、ガスボンベにコッフェルをかけインスタントラーメンだ。40歳代の上から下までばっちり決めた登山者が来たので休み台を開けるがうろうろして地図を広げて見ていたが見城の方に降りて行った。
娘はパンやオニギリを食べ、ラーメンを半分鍋に分けてやる。こちらは半ラーメンとオニギリ一個だ。30分くらいブランチを食べていたら霧もすっかり消える。
図8. 9:48 日向山山頂着
図10. 10:24 日向山からの下り道のヤブツバキ
日向山から下って道標のある鞍部に着く(図11)。薬師林道の方へ下りることにする。以前は専門学校丹沢実習で、坊中から何度もこの道を上がってきている懐かしい道だ。ここで、娘がテン糞を見つけてくれる(図12)。
図11. 10:34 日向薬師への道標
図12. 10:52 テン糞だ!サルナシかヒサカキの種子が見える
図13. 10:52 紅葉が綺麗と思ってファイダーを除いたら周りが曇っている
レンズが湿気で曇っているので、拭く。線香の匂いが漂ってくる。舗装道路に日向薬師の駐車場があり、その上には梅林があり、休み台が並んでいる。大きな紅葉の木があった(図14)。
図14. 10:58 大きな紅葉
ぼくは、薬師林道をそのまま行こうとしたら、娘が日向薬師を見て行こうと云う。パンフに載っていたようだ。無料の大きなトイレがあり、休憩所もある。日向薬師ってこんな神社だったんだ!参拝者?ハイカー?が3,4人いる。
図15. 11:07 日向薬師の本堂
日向薬師を後にして薬師林道を七沢方面を目差して歩く。途中に立派な林道展望台があり、階段を上がって遠望する(図16)。
図16. 11:39 林道展望台から
図16'. 薬師林道展望台 一階部分は雨避けにもなり休み台もある
展望台から下りて林道を歩いていると車が1台通り過ぎていく。その車が停まって、中年夫婦が出てきた。ん?どうした? っと、亀石のある場所だ!彼等が上がっていくので、ぼくらも行く。すぐ、亀石だ!どう見たら亀に見えるのか?石(岩)に下に何故かたくさんの木の枝が立てかけてある。何のお呪いなのだろう?
図17. 亀石 11:50 下ってくる娘
再び、舗装された薬師林道を歩く。広沢寺温泉方面への左側に入る道がある筈だと探しながらあるく。七沢温泉に着き、ん?ここから山越えできそうだという階段を見つける。っと娘が見城までの行けるようだと案内版を指す(図18)。
その登り口の狭い階段横の石垣にあの小林多喜二が1ヶ月くらい滞在した福元館の離れの平屋が石段を登ったところにあると書かれている(図19、19')。何と、バカな事にその平屋を見なかったのだ!
図18. 12:07 見城山頂1キロへの道標
図19. 12:08 この細い階段を登る 石垣に「小林多喜二滞在の離れ」
多喜二は官憲によって殺されたが「蟹工船」や「党生活者」を今読んでも感動する。
図19'. 小林多喜二が滞在した離れについて
階段を登ると左側にシカ柵扉があり、それは横開きになっていて不思議っと思った。何故か受付はこちらという案内があり、明かりの点いた小屋がある。辺りはアスレチックガーデンのようになっている。ぼくらは小屋の前を行く。っと上から白人男性に呼び止められる。ここはTreeCrossAdventure内で、ミジョーへ行くハイキングコースは向こうだと教えてくれる。シカ柵扉近くに「見城山頂へ」という案内があった。判りづらい。
まー、ともかく山越えの近道であるので、尾根を登る。尾根登りだけにまたまたふぅーふぅー、ハァハァと息が荒くなる。娘は途中で待っていてくれた。登り口判りづらいね!云う当にその通りだと思う。まー、こちらはGeographicaを見ながら歩いているから判ったものの、初心なら薬師林道からの素通りしてしまうだろうし、細い階段を登ってシカ柵扉を開けたところで混乱してしまう。それはアスレチックガーデンの案内ばかりが目に着くからだ。
登ってしばらくして「見城への道標」が出てきた(図20)。ここから割りと急な坂道になり、階段を登るのもストックが無ければ大変だ。が、娘は稜線で待っていて冷えたようだ。
図20. 12:35 七沢温泉と見城間の尾根の道標
図21. 12:48 稜線着
図21の道標には広沢寺温泉約20分とあるが、駐車場の車に着いたのは13:09だった。ぼくとしては急いだつもりだったが、道標に書かれている通りだった。今回は普段の一人での山歩きでは行かないような場所に足を運んだ。娘の歩きに引っ張られるように歩いたからだ。

2022年12月2日金曜日

薬師林道から山越えで広沢寺温泉へ  From the Yakushi forest road to the Koutakuji hot spring over the moutain crossing

今日は、5時に起きてサッカーの日本・スペイン戦を見て、6時過ぎに家を出る。東海大病院の前を通る時はフロントガラスは霧雨のような雨粒がつく。広沢寺温泉前の無料駐車場に車を置くが、外に出ると傘が欲しいくらいだ。今日は日向山を目差す。娘が貰ったパンフに載っているのだ。やはりパンフに載っている日向薬師にも行ってみる。薬師林道を歩いて展望台に上がり、亀石まで行く。最後は七沢温泉の狭いコンクリートの階段を登り、山越えして車まで戻ってくる。GPS状の距離は9.8キロで11397歩歩いた。

2022年12月1日木曜日

ギンナンを取り出す    Took out the ginkgo nuts

拾ってきたギンナンをどうやって果肉を取り除くか、ネットで調べても特別な方法はないようだ。これまで、タヌキの溜め糞(図1,2としてのギンナンはそのまま沢で洗ったり、持ち帰って庭の水道栓で、タヌキ糞やテン糞の糞洗いをするように洗った。
図1.2004年11月 奥湯河原で
図2.2017年11月 榛ノ木丸で
これまで横浜の友人Mが家の周りで拾ってきてくれた果肉付きギンナンを土に埋めてから掘り出して果肉を取り除いていたが、それも面倒だった。今回は連れ合いが使っている庭仕事用の厚手のゴム手袋をして、それで一つ一つ、皮つきの粒を右手に持ち、親指と他4指で挟んで中のギンナンを押し出して左手で取り、果肉・果皮をそのままボールに捨て左手に残ったギンナンを園芸用のフルイに容れた。これが簡単だった。テン糞を洗うように水道栓の前に座って行った。最後にフルイに入ったギンナンを洗った(図3)。5,6個割れていたが、60個はありそうだ。こんなにたくさん拾ってきたなんて、、、。残った果肉・果皮などは庭に穴を掘って埋めた。
図3. 果肉・果皮から絞り出して洗ったギンナン

2022年11月30日水曜日

モグラやアナグマが顆上孔をもっているのは前足の爪で穴を掘るからだ!  Mole and badger have foramen supracondylare, it means to dig burrows with their front nails!

リスやサルは木登りが上手だ。しかし、両者の間には木登りの仕方に大きな違いがある。リスは爪を幹や枝に引っ掛けて登るが、サルは幹や枝を指や両手で挟んで登る。つまり、表面がつるつるした登り棒にはリスは登ることが出来ないが、サルは問題無く登れる。

リスのように爪を引っ掛けて木登りするネコ、ハクビシン、マングース、イタチ、テン、クマなどの食肉目(但し、イヌ科のイヌ、タヌキ、キツネを除く)の動物たちの上腕骨の内側に顆上孔という小さい穴がある(図1)。この顆上孔の有る動物が木登りする動物だけでなく、モグラのような地中で穴掘りをする動物にもある。

図1. 右上腕骨の顆上孔Foramen supracondylare(糸を通す)
左からタヌキRacoondog(下部の穴は滑車上孔)、ジャワマングースJava mongoose、イタチWeasel、アナグマBadger、ネコCat

 この数日、モグラ、ヒミズ、トガリネズミ、ジネズミなどの骨を眺めている。モグラ科ばかりんでなくジネズミやトガリネズミの上腕骨に顆上孔があることが分った(図2)。

図2. *真無盲腸目Eulipotyphlaの上腕骨の顆上孔(糸を通す)
左からアズマモグラSmall Japanese mole、ヒミズJapanese shrew mole、オオアシトガリネズミLong clawed shrew、ジネズミDsinezumi shrew
モグラやジネズミはもちろんの事木登りなどしない。しかし、彼等にも顆上孔がある。これは恐らく前足の爪で掻き分けるようにして土を掘ることと結びついているのだろう。それはイタチ科のアナグマは木登りなどしないのに前足の頑丈な爪で穴を掘るために顆上孔が存在する(図1)ことを説明している。
*真無盲腸目Eulipotyphla
あー、ぼくは気が付かなかった!
モグラやトガリネズミの仲間は、ぼくが学生の頃から少なくとも20年くらい前までは食虫目Insectivoraと命名されていた。それがトガリネズミ形目Soricomorphaに変り、今は無盲腸目Eulipotyphalaとされている。

尚、ぼくの持っている標本では霊長目のスローロリス、有袋類のフクロモモンガやピグミーオポッサムの上腕骨にも顆上孔がある。
ぼくが今知りたいと思っているのはアフリカの土中に穴を掘るツチブタ、木にも登るしアリ塚を前足の爪で壊すアリクイ、さらには中南米のナマケモノにも顆上孔の存在を知りたい。また、今畑に埋めているアライグマは木に登り、サルのように長い指をもっている。アライグマには顆上孔があるだろうか?来春になったら判る。
しかし、前足の爪使用と上腕骨の顆上孔の存在はどのように結びついているのだろうか?