イワハイラックスProcavia capensisの頭骨を見ていて不思議な事に気が付いた。それは後眼窩突起である。
後眼窩突起は前頭骨から出ている突起である(図1)。これはキツネであるが、サルもシカやリスも後眼窩突起は前頭骨から出ている突起である。そのため前頭骨頬骨突起という名さえある。
図1. キツネVulpe vulpesの頭骨
f:前頭骨 p:頭頂骨 pp:後眼窩突起 za:頬骨弓
しかし、イワハイラックスでは、後眼窩突起の先の骨は頭頂骨からの骨になっている(図2,3)。キツネの頭骨に比べて頭頂骨が前方に押し出しているのだ。図2. イワハイラックスP.capensisの頭骨 クリックして拡大
f:前頭骨 p:頭頂骨 z:頬骨弓
図3. イワハイラックスの頭骨(左側面から)
f:前頭骨 p:頭頂骨 z:頬骨弓
イワハイラックスの後眼窩突起のように頭頂骨が押し出してその先端部分までたっしているものは手持ちの頭骨ではない。後眼窩突起は前頭骨頬骨突起と云う別名もあるが、イワハイラックスのものは頭頂骨頬骨突起と名付けても良いくらいだ。キノボリハイラックスDendrohyrax arboresuresuでは後眼窩突起が伸びて頬骨前頭骨突起と癒合し眼窩輪が形成されている(図4)。
図4. 左:イワハイラックスP.capensis 右:キノボリハイラックスD.arboreus
頭骨ばかりでなく骨を眺める時間が多くなった。その為、机の周りは骨だらけで、小さくて細い真無盲腸目(ついこの間まではトガリネズミ目)の肢の骨は、見終わったら元の箱や袋に戻すのが大変だ。
プーチン・ロシアは相変わらずウクライナ東部・南部に侵攻したままだ。ウクライナやNATOに頑張ってもらいたい。
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