「特定秘密保護法反対」

「特定秘密保護法」、「集団的自衛権」に反対します。憲法第9条をしっかり守りましょう。教育勅語の教材活用は間違いだ!

自由であっても、他人の生まれ、身体、性別、年齢、故郷、風習、宗教、民族、国を差別する、小馬鹿にする、冒涜するのは許されない。

原発不要・核廃絶


2012年11月16日金曜日

鍋嵐行きでたくさんの糞! Got many scats!

昨日は、朝6時に駅前で「丹沢サル観察し隊」のYさんを乗っけ
慶應藤沢湘南校舎前でぼくの授業を聴講しているS君を拾い、鍋嵐に行ってきた。
車をaの隅に置き、bの橋を渡ってcの経路の階段があるところからゴジラ尾根に取り付いた。
そのcの登り口にメスジカの頭骨だけが転がっていた。
尾根は風が強いかなと思ったが、この日は風が無く穏やかだった。
サルナシを食べた見事なテン糞である。
タヌキ糞だ。これにもサルナシの種子が見える。 
このゴジラ尾根の細尾根に一本あるオオウラジロノの木の実である。
今年は何だか非常に少ない。例年なら、足の踏み場もないほどたくさん落ちている。 
この看板、GPS軌跡の下の地図では、dの地点だ。
鍋嵐まで半分きたことになる。
この場は広いので、それまでゴジラ尾根の細尾根だったのでホットする。
ここを過ぎると再び細尾根となる。
Jピークの手前でスカイツリーが見える。
天気が良いので、宮ヶ瀬尾根の猿ヶ島、仏果山の左に見えた。
さー、ここから一登りでJピークだ。 
Jピーク(下の地図でe地点)で記念撮影だ。
ここから僕が立っている背側方面への急斜面を降りる。
何年か前に来たときは、この急斜面を降りることができず。
引き返したこともあった。
鍋嵐である。「ナベワラシ」と書いた板がしっかり縛られていた。
7時半にbの橋を渡って、10時20分に鍋嵐だ。
動物糞を採集したり、秋の景色を楽しみながら歩いてや3時間の行程だ。
当初はここでお昼の予定だったが、早いので記念写真を撮ったり、大山や蛭ヶ岳や本間ノ頭の位置を確認したりして、少しここにいて、fの熊ノ爪に向けて出発だ。
今年もリスのテーブルがあるピークはエビフライがたくさんある。
日曜日に専門学校のチャレンジキャンパスがあるので、高校生にあげようとエビフライを拾う。
fの熊ノ爪を過ぎてシカ柵に沿って下って行き、「不思議なミズキ」の場所を過ぎて、
gのポイントがちょっと間違えやすい。左がわの急峻が細尾根を下るのだ。
この細尾根は宮ヶ瀬尾根の猿ヶ島へと続く。
hの手前で登りとなり、登り切ったところが広々としたh地点だ。
ここは堤川林道終点とハタチガワ沢林道終点の出合いの地点でもある。
ハタチガワ沢林道へ下る方が早い。しかし、バスに乗るなら堤川林道だ。
堤川林道を下った先に土山峠のバス停がある。
陽が当たって気持ちの良い林道では、たくさんのイタチ糞、テン糞があった。
また、宮ヶ瀬尾根の方から林道に巨大が石が転がり落ちていた。
道路の真ん中にクレーター状の窪みがあり、ガードレールで石は停まったのだ。
さらにサル糞を見つけ、久しぶりのサル糞に喜んでいたら、
fの橋の上には、サルがカマキリの卵塊の中の卵を食べた痕のものがあった。
さらにさらに、bの橋の上には行きには無かったテン糞やサル糞を見つけた。
見事なサル糞がたくさん橋にあった。
サルたちは御殿森ノ頭方面から渡ってきたことがわかった。
これらの大きな見事な糞は、発情した群れのメスを求めてやって群れ外オスのものか、ボスザルのものだろう。
そう、サルたちは発情の季節に突入している。
サルたちの顔も尻の性皮もスカーレット色に染まっているだろう。
あー、そんなサルたちを追いかけて観察したい。 
ぼくにとっては大変充実した鍋嵐行であった。
 
 

2012年11月15日木曜日

エ?信じられない! What? Unbelievable!

昨日、慶應から帰宅して、取り残した熱帯魚のグーピーはいないだろうな?!
と思ってスイレン鉢をの見た。????何だこれは?
と思ったのも1、2秒であった。
ハクビシンの糞である。
もちろんすくい取って何が混じっているか見た。
カキの果肉付き果皮と果肉だ。種子は一個もない。 
何故、こんな水の中に!スイレン鉢の縁に四足になって水の中にウンチをしたのだ。
フザケルナ!と叫びたい。(でも、内心は喜んでいるんです)
家の外壁や外回りを入念に調べた。ハクビシンが巣を造っているような所はない。
二階に上がって、物置?納屋になっている部屋の天井を開けて、ヘッドランプを点けて屋根裏を覗いた。天井には一面に断熱材のガラス繊維の布団が敷かれている。乱れているような箇所もない。屋根裏に上がって隅々までしっかり見た訳ではないが、屋根裏にハクビシンが住んでいるようなニオイも気配もない。
縁の下には空気孔はあるが、幅1センチくらいのものであり、ドブネズミも無理だろう。
我が家には巣は無いと確信できる。
 
連れ合いは罠を掛けて捕まえたらと云うが、今の日本の鳥獣行政法に則れば、狩猟免許を持ち、捕獲申請を提出して許可されなければ例えハクビシンでも罰せられられる。
日本に生息する野生鳥獣は保護の網がしっかり掛っている。
 
一昔前なら、畑作物の悪さをするタヌキであろうと、ヒヨドリであろうと勝手に捕獲できた。
今は、山のアカネズミでもトガリネズミ、ヒミズでも生きている鳥獣を罠をかけて捕まえるとことは違反である。
 
こんな事だからますます移入動物はわがもの顔に走り回ることになる。
農作物や家屋、さらには人に被害を及ぼしている動物に関しては、ドブネズミやクマネズミに準ずる扱いにしたらどうだろうか?


2012年11月14日水曜日

寛骨は三つの骨から! Os coxae comprised of three bones!

この寛骨は先週土曜日丹沢実習で、学生たちがスギ林の中で拾い集めた
イノシシの子どもウリボウの腸骨である。
ウリボウなのでまだ坐骨と恥骨、腸骨が完全に縫合・癒着していない。
腸骨のある方が頭の方で坐骨のある方が尻の方だ。
だから、名称を記した方が左の寛骨である。
(S君からバスを待っている間、見せてもらう)
同じように、下はニホンザルの子どもの左の寛骨を外側から見たものだ。
バラバラになっていたものを木工ボンドで貼りあわせる。
このように、哺乳類の寛骨では生後しばらくは腸骨・坐骨・恥骨がばらばらである。
その縫合癒着する部分が股関節、つまり足の大腿骨の骨頭が着く部分である。
イノシシでもニホンザルでももちろんぼくらヒトでも生後しばらくは寛骨は三つの骨となっている。

これが恐竜たちでは、オトナになっても三つの骨が合体しないままである。
は腸骨と恥骨が接している部分である。
(上野の国立科学博物館で)
鳥ではこの大腿骨がつく部分がぼくの手持ちのホオジロの標本を見る限り、
一個の骨となっている。
尚、サルの坐骨の端(上の図では右端)は尻ダコが着くことになる。
この一週間、動物たちの寛骨や骨盤を眺めている。


2012年11月13日火曜日

クマ糞?それとも?  Scats of bear or ?

 
11月10日の実習の続き:
帰路は、物見峠から煤ヶ谷への山道をとった。
この道は登山者が多いと思うのに、道は崩壊している箇所がある。
夜など歩く人は今はいないだろうが、夕方遅くなってから
この道を選ぶと足元には十分気を付けなければいけない。
この道の中央にあった糞を学生たちが見て騒いでいる。
直径が十円玉くらいありそうだ。
ほとんどが毛の塊のようである。
ウリボウの骨を採集したS君が糞の一部を採集した。
ぼくは、残りを全部採集した。
その場では、誰の糞か判らなかった。
大きな糞塊である。クマ、イノシシあるいはアナグマ?
 
一晩、水に浸けていた。内容物を調べた。
9割以上が毛と土砂であり、マメガキの果肉つき果皮と種子8個と、長さ1センチ幅5ミリくらいの齧られた骨の一部が一つだけでてきた。この骨は脚か肋骨の骨の一部であると思われる。

今の時季、マメガキの果実はまだ木から落ちていない。事実、種子と一緒に出てきた果皮も柿色
をしており、木についている果実を食べたと思われる。
上の3種の動物では、木に登れるのはクマだけだが、クマが2、3個の柿の果実しか食べることができなかったのは、マメガキは折れやすいので、一枝になっている果実を食べることしかできなかっただけなのか?あるいはたまたまマメガキの果実がついた枝が折れて落ちていたのか?
クマ糞だとすると大量の毛ととともに出てきた土砂の説明が難しい。

落ちていたマメガキの果実を2、3個イノシシかアナグマが食べたとするなら、糞に混じっていた土砂の説明がつく。しかし、彼らが土砂を食べる時はミミズやハサミムシなどの土壌動物を食べる時だ。だが、かれらの外骨格は一欠けらも出てこない。
それに、アナグマが糞をするときはその場を少し掘り下げるし、こんなに太くはない。

ヤマイヌの可能性もなきにしもあらずだが、丹沢ではこの15年、捨てられたノイヌヤマイヌは見ていない。ましてや彼らは土砂を口にしないだろう。

ということで、誰の糞か分りません。


2012年11月12日月曜日

ウリボウの頭骨!  A skull of a juvenile wild boar!

10日の丹沢実習の続きです。
猿ヶ島で一休みして、三班に分かれて山を歩くことにする。
女子たちは物見峠から隧道を通って唐沢林道を歩いてもらい、
残った男子を「峠の社」から辺室山の登山路コースと、
ぼくと共に「鍋嵐」であった。
ぼくらが最初に出発した。
岩のピークを過ぎ、597のピークのスギ林を過ぎてから、
一部の学生たちが来ない。何かを見つけたのか?
戻る。寛骨や脊椎骨、肋骨など落ち葉を掻き分けて見つけたようだ。
ぼくは寛骨(骨盤)の大きさからタヌキかアナグマだと判断した。
それはここ数日、骨盤ばかりを見ていたからだ。
まだ、他の骨を見つけられるかもしれないと皆で探すことにする。
辺室山班も合流して探す。
 
(S君の手の上に乗せられた。ウリボウの頭骨)
壊れたシカ柵を越えてスギ林の斜面を探していたアシスタントのT君が、頭骨を見つける。
さらに、左の前額骨部分を見つける。切歯が三本生えている。可愛い犬歯もある。
ここで、ウリボウだと訂正する。
さらにT君は下顎骨をも見つける。
 
S君が持っている骨盤を見せてもらう。寛骨はまだしっかり縫合癒着していない。
おそらく、最初に拾った骨盤などの骨もウリボウのもので、間違いないだろう。
 
その内、女子たちもやってくる。また、一緒になった。
もう、鍋嵐の方へ行く時間的余裕がないので、皆一緒にお昼となった。

2012年11月11日日曜日

間違えたルートを! Taking a wrong route!

昨日の東丹沢は晴れて、絶好の実習日和であった。
が、乗ってきた8:40発宮ヶ瀬行のバスにストックを忘れた。
土山峠で一緒に下りた、辺室山に向かう登山者が神奈中バスの電話番号をわざわざノートを引き千切ってくれた紙に書いてくれて渡してくれ、すぐ電話をするように勧められた。学生たちに予定コースを教え、結局ぼくはそのバスが本厚木行となって戻ってくるのを待つことにした。
30分くらい待ってバスがやってきてストックを受け取る。
神奈中バスの電話番号を教えてくれた中年の御夫婦にこの場を借りて感謝!
このストックは何度、忘れるのだろう?
 
ぼくは、学生たちと617.2のピークの猿ヶ島(地図)で待ち合わせていた。
互いにトランシーバーを持っていたので、彼らとも連絡が取れた。
ぼくは、ショートカットで猿ヶ島に向かった(赤のGPS軌跡)。
30分くらいも遅れているので、急ぐ。
左足首をかばいながら、太腿に乳酸が溜まってもう足が上がらないというところまで、
頑張り続ける。気持ちは焦る。
 
cピークのところで一息つけ、学生たちと交信
彼らは525ピークを過ぎたという。
こちらは少し遅れるだけかもしれない。
ぼくはピークを過ぎたところで、525ピーク方向に向かって大声を出す。
何と、返事が戻ってきたのは青線の方向からだ。
交信した時は最初の525ピークを過ぎたと云っていたのだ。
彼らは、間違えたルートをとったのだ。
 
黒線のルートを指示したのに、途中から青線のルートの尾根を登ってきたのだ。
結果オーライであった。しかし、大反省だ。
彼らをぼく抜きで歩かせてはならない。
しかし、彼らだけで歩かなければ力がつかない。
地図を見、磁石で方向を確かめて歩かなければならない。 

ぼくは、バスに乗っている時にも歩くコースの地形を頭に叩き込むようにしている。
しかし、学生たちはバスを降りて地図を出してと云われなければ地図を見ようともしない。
大勢なので、それだけで安心しきって、誰かに頼る。
各自が自分の目で地図や磁石を見ていたら、このような事にはならなかった筈だ。
からに登ってきた時に、だれも磁石を見なかったのだ。
磁石を見ていれば、すぐに誤りに気がつく。
 
これで、ぼくが大声を張り上げず、学生たちと出会えなければ、
あるいは学生たちが遭難していれば、
ぼくは彼らに教えたコースを必至で歩き回らなければならない。
大勢を連れて歩くのは、動物を逃がしながら歩いているようなものなので、いくつかの班に分かれて歩きたいが。そのように山を知っている者はぼくだけである。
登山路は登山者が多くなり、しかも犬を連れて歩く人たちも多い。
登山路のようなコースでは動物を見つけることはできない。
山をもっともっと歩き回りたい学生もいれば、なるべく疲れない簡単なコースを望む学生も多い。
 
日本に生息する野生哺乳動物のほとんどは山林に生息している。
だから、山を知らなければ動物たちに会うことはできない。
今回のコースは10キロをちょっと越えたくらいだ。
学生たちの様子を見て歩いているが、恐ろしい。

2012年11月10日土曜日

ソドムとゴモラ  Sodom & Gomorrah

丹沢実習で、本厚木駅にバスで着いたら、何だか空が、騒がしい。
見上げると街路樹の上にセキレイが飛び回っている。
街路樹はクリスマスの飾りつけのように小さな電気がたくさん灯っている。
街を華やかにしている灯りに誘われてきたのだろう。
でも、なぜ?
たくさんのセキレイが鳴き交わしながら飛び回っている。
何だか、「ソドムとゴモラ」を思い出した。
何故だろう。
嫌、何故だか判っている。

2012年11月8日木曜日

まるで、釧路の夏の朝の霧 Looks like the fog of Kushiro!

昨日の朝は、生暖かく6時頃外に出たら霧に覆われていた。
懐かしい霧の世界だ!
子どもの釧路の夏は午前中が霧に包まれた。
そんな霧を思い出し、カメラをとりに部屋へ戻った。 
小田急線の江の島行きの電車だが、50m先が見えないので、
ゆっくり走る。
釧路の小学校では、今はどうなってるのだろうか?
ぼくら子どもの頃は、太陽光線が少ないので、太陽塔というものにサングラスをかけて
パンツ一枚になって入った。
この霧もまもなく消えて、秋の日差しが射してきた。
なんだか、山頂にある山小屋に泊まったような得をした感じの朝だった。
 
日吉の授業ではゲラダヒヒやマントヒヒのビデオを見せた。
寝ている学生が半数近くいた。
ビデオの方が授業よりもすぐれているのに、残念だ。
帰路の電車の中で「お昼は外で食べてくるように」とメールが入った。
近くのスーパーによってウィスキー用のレモン一袋やインスタントラーメンや味噌汁を買った。
帰ると、床はワックスがかけられている。
ぼくの部屋だけは、残されているので、部屋で買ってきたものを食べる。
机に上で山用のガスストーブをつけお湯を沸かし、味噌汁を飲んでみる。
満足だ。山に持っていってお湯を沸かして食べるのが楽しみだ。

2012年11月7日水曜日

アライグマの糞 A scat of racoon.

11月1日の続き
 
円山木ノ頭から尾根を下りて来て、塩水川を渡り、舗装道路に出たところで、
13:00 アライグマの糞がこの1個だけ転がっていた。
もちろん、持ち帰る。
長い毛が見えている。
洗うと、この見えている長い毛(どうもシカ毛のようだ)と1センチくらいの毛ばかりで、他に8個のキブシの種子があった。
アライグマは滑落して死亡した子シカでも食べたのだろうか?
しかし、アライグマがキブシを食べるのだろか?本当にアライグマ糞だろうか?
キツネ糞だと、石灰状の灰白色のものが混じるのでこれは混じっていない。
テン糞だと太すぎる。タヌキやハクビシンでもない。
もちろんアナグマとは違う。
やはりこれはアライグマ糞なのだろう。っと思っている。
 
今年の3月に東丹沢の宮ヶ瀬尾根にアライグマの足跡を見つけているが、
http://tanzawapithecus.blogspot.jp/2012/03/footprint-of-racoon.html
堂平付近までアライグマは来ているのだろう。
冬、新雪の時に歩くと、足跡で判るだろう。
日本固有の自然が移入動物たちによって壊されていく。


2012年11月6日火曜日

え?トガリネズミ? What? Shrew? A marten ate a shrew!

11月1日の丹沢尾根歩きで3個のテン糞を拾った。
それぞれ、食べていた果実は、サルナシ、ヒサカキ、キブシであった。
これは、テン糞③中に多数の短い毛で、キブシの種子と一緒に混じって骨片だ。
下の写真の右上に下顎骨の歯がある。真ん中に上顎骨の第一切歯がある。
あれー!この下顎の歯や上顎の歯は見たことがある。
トガリネズミ科の動物たちのものだ。
モグラ科の歯でないことは上・下の第一切歯で、明らかだ。
トガリネズミ科の歯だ。
え?でもトガリネズミ科の動物たちはイタチやキツネが食べようと捕まえても、
動物が発する臭いですぐ吐き出してしまうのではないの?
うん。それはモグラ科のヒミズやヒメヒミズか!
 
しかし、釧路湿原ではトガリネズミそのものが、関東の山でのヒミズと同じように転がっている。
やはり、トガリネズミ科の動物もイヤな臭いを出すのではないのかな?
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Bang&Dahlstrom著”Animal tracks and Signs" 2007 Oxford Univ.Press
の159-160ページには次のように書かれている。
 
トガリネズミ科の動物の身体の側腺からでる麝香のような分泌物を、
フクロウを含む動物たちが嫌うので、
ネズミと間違えて捕まえてしまったものが、道や石や木の切り株の上にあるのだろう。
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でも、確かにテン糞③から出てきた毛を丁寧に洗い流して底に溜まっていたのか
下の下顎の歯などを含む骨片なのだ。
このテンは、トガリネズミ科の動物を食べて、噛み砕いて飲み込んだのだ。
丹沢に生息しているであろうトガリネズミ科の動物は、
トガリネズミ属のトガリネズミ、ジネズミ属のジネズミ、カワネズミ属のカワネズミの
3種類がいる。
しかし、トガリネズミは歯の先が黒褐色に染まるし、
下顎の第一切歯の形状が異なる。
これは、ジネズミかカワネズミのどちらかである。
ジネズミは平野に河畔は農耕地に生息する。
このテン糞③は標高850メートルのところで採集したものだ。
だからもう、カワネズミをしかいない。
ジネズミは山岳には生息しないのだ。
形状からして右の下顎で、舌側から見たものだ。
以下は安部永著「日本産哺乳類頭骨図説」北大出版を参照した。
下顎の第一切歯の形状からしてもカワネズミそのもだ。ジネズミにも似ている。
こころみに手持ち標本の友人が網走で拾って送ってくれたトガリネズミとの下顎と
比べた。んんん?はるかに小さいのだ。 
残念なことに、上の安部永著の本にはスケールが全く示されていない。
では、ジネズミ?カワネズミは大きなトガリネズミ科の動物だ。
では、ジネズミなのか?
外側から見た下顎 
この下顎の歯で不思議な事がある。それは、カワネズミでもジネズミでも良いが、3本の臼歯の前の前臼歯(+犬歯:ジネズミの場合)の2本が新しく出始めた歯のように見える。
否、確実に切歯の後の2本の歯は今出かかっている歯だ。色でも判る。
 
サルやヒトの3本の臼歯(大)は当然、前臼歯や犬歯の生え変わりと共に、
あるいは遅れて生えてくる歯だ。
ぼくらが第三臼歯(大)の親不知でそのことは知っている。
 
トガリネズミ科の歯の萌出順序は、サルやヒトとはまったく異なるとなると、
この写真は説明してくれている。
前臼歯(ジネズミだとすると前臼歯と犬歯)は臼歯が萌出した後で、出てきているのだ。
こんな歯の生え変わり方があるのか?
 
もちろん、歯学や哺乳類の形態を専門に調べている人たちにとっては、
自明の事かも知れない。
しかし、ぼくにとっては驚きだ。
 
トガリネズミやジネズミの死体は、ほとんど乾燥標本にしている。
しっかり、骨にして見なければダメだ!