ヒミズは山道に転がって死んでいるのを見かける。
このような死骸はヒミズばかりでなく、釧路湿原ではトガリネズミもそうだ。
このような死骸が他の動物たちに食べられないのは、
彼らが発する臭いを嫌うからだと云われている。
死んだ直後のヒミズの死体の周りは、
プラスチックを焼いたような臭いがすると云う人もおります。
ヒミズ嫌いはテンやタヌキなどばかりでなく鳥たちも嫌っているようで、
時々胃から吐き出されたヒミズを拾うこともありました。
嫌な臭いを放つためにヒミズは鳥や動物たちにも食べられないのだと思っておりました。
今回、4月30日の伊勢沢林道歩きで拾ったテン糞の中に、
同定に苦しむ骨片や毛が入っておりました。
下がそのテン糞です。
9時33分に伊勢沢沿いの山道で採集する。
キブシの種子、ケンポナシ種子3個と果柄、小哺乳類の毛多数、臼歯8個、他骨片、昆虫の翅
水洗いして、哺乳類の歯や骨片だけをまとめました。
上の写真の左上部分の下顎の臼歯
さらに左上部分の臼歯6本
ネズミ亜目やハタネズミ亜目のネズミたちの歯とは異なります。
また、それらの臼歯よりも一回り小さいものです。
下顎骨におさまった臼歯(真ん中の写真)の歯冠の咬面の形と、下顎骨の幅から
トガリネズミ目のモグラは除外できます。
残るはトガリネズミ科のカワネズミやジネズミとモグラ科のヒミズやヒメヒミズです。
いやいやまだいました。
このような小さな臼歯を持っているのはコウモリ目の動物たちです。
カワネズミの頭骨標本はもっていない、
コウモリはアブラコウモリしとユビナガコウモリしか持っていない。
下の下顎骨の幅から見ると小翼手目のコウモリたちは除外してよいでしょう。
彼らの下顎の幅はさらに細い。
赤丸で囲った形状を持っているヒミズやジネズミのものと見比べました。
これは左の下顎の最後位のヒミズの臼歯かな?
しかし、赤丸で囲った下の下顎の臼歯の形状がヒミズのものと
手持ちのどのヒミズの下顎の臼歯とも合わないのです。
そして、何だか歯が摩耗しています。
カワネズミも丹沢に生息しているのです。
タイトルには「テンはヒミズを食べていた?」としましたが、
トガリネズミ目の動物を食べていたとした方が正確なタイトルでしょう。
結局、テン糞から出てきた歯に関しては、同定できませんでした。
どなたか御存知方、御教示願います。
今日は、数日ぶりに良い天気、丹沢は混むだろう。
おとなしく連休中は家でデスクワークをするよりない。
そうそう、take隊員からプレゼントされた小鳥の解剖と骨格標本作りもある。
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