「特定秘密保護法反対」

「特定秘密保護法」、「集団的自衛権」に反対します。憲法第9条をしっかり守りましょう。教育勅語の教材活用は間違いだ!

自由であっても、他人の生まれ、身体、性別、年齢、故郷、風習、宗教、民族、国を差別する、小馬鹿にする、冒涜するのは許されない。

原発不要・核廃絶


2011年12月23日金曜日

シャベルのようなイノシシの切歯 Like Shovel; Incisors of Wild Boar

丹沢山麓を歩いていると、スコップ状のもので耕したようなイノシシの掘り起しの跡がある。イノシシは鼻面を地面に擦るようにして歩き回っている。これはアナグマもそうだ。
しかし、アナグマの掘り起しの跡とイノシシのそれとの決定的な違いは。
一見、両者とも地面に鼻面を付けて、同じように地面を掻いて獲物を探しているが、アナグマは大きくて頑丈な前足の爪で地面を掻いているのであり、イノシシは下顎の切歯を用いて、地面を掘り起こしているのだ。
先ずは、イノシシの切歯をみていただこう。
これは♀のものである。左:上顎 右:下顎
上顎の切歯は第一、第二が大きくて、まるで土台石のような感じである。
一方、下顎の切歯は3対がまとまって水平方向に2センチ以上も突き出しており、まるで剣先スコップだ。
この下顎の切歯は♂、♀でも同じだ。
左:♂ 右:♀
左の♂の切歯はかなりすり減って短くなっている。
♂の切歯は他の歯よりもかなりすり減っているので、切歯がかなり酷使される歯であることがわかる。
さて、上下の噛み合わせを見ていただきたい。
上の♀の噛み合わせを真横からみると、
上の切歯(第三を除いて)は、下の切歯の抑えとして、まるで「まな板」のような役目を持っていることが分かる。つまり、下の切歯と「まな板」の上の切歯があるからこそ、ササの地下茎や、クズの根も押し切ることができるのだろう。
さらに、この剣先スコップで地面を掘り起こしているのだ。地面の掘り起しの役目で使われることが大半なのだろう。
犬歯は無根であるが、頻繁に使われると思われる切歯を含む他の歯は有根だ。
ネズミやリスとその使い方は違うが、イノシシの切歯が有根であったならもっともっと山麓の地面を深く掘り起こしているだろう。

2011年12月22日木曜日

魚や餌を捕れない鳥たち

昨日、久しぶりにカメラを持って引地川沿いを歩いた。
オナガモが引地川へ落ちる家庭排水が流れるところ出口でコケを漁っていた。
何故、ここにいるの?
カモたちが泥水のような川にいる。
ん?何?と思って横をみたら、歩道から2メートルも離れていなところにカワセミが!
じっと、こちらの下の方を見ている。 
カワセミは、家庭排水が流れてくる排水溝を眺めているのだ。
カワセミがどこにいるか分かるかな? 
コサギが泥水の中を一心に見ている。
が、すぐに位置を変える。この泥水では小魚を見つけるのは難しい。
どうして、こんな泥水になっているのか?
ぼくは、親水公園まで行くことをやめ、泥水の原因追究へと上流に足を向けた。
やはりというかシャベルカーが川床の土砂を掻き集めてダンプカーにその土砂を運びいれていた。
川床はコンクリートでできており、その上に積もった土砂を運びだしているのだ。
工事の看板がでている。毎年、このような土砂さらいをしなければ引地川は土砂で埋まるようだ。
あーー!と溜め息が漏れてしまった。
これだも、イタチがいないわけだ。
「年内いっぱいは土砂さらい工事が続くので他の川へ移動した方が良いよ!」
と鳥たちに教えてあげたいくらいだ。

冬至、柚子湯、お汁粉にカボチャ

今日は、冬至である。このところどんどん日没が早くなり、夜明けも6時過ぎてもまだ明るくならない。
今日を境に日、一日と日が伸びていく。
昨日、連れ合いが、庭の柚子を採って、近所に配っていた。籠の中のものを撮る。
4、5日前にはぼくが柚子を取って釧路へ段ボール箱で送った。
釧路では柚子などは珍しいので、葉や枝がついていた方が喜ばれる。
今夜はこれを風呂に容れての柚子湯だ。
まだ、木には柚子が残っているようだ。
今年は、ユズの木を剪定したので生った実が少なかったが、どれもみな大きい。
我家のユズの木は肥料も与えないし、ほったらかしなので、気の毒でさえある。
樹高、2メートルちょっとの小さなユズの木であるが、この時季に庭に金色の輝きを与えてくれる。粗末にしないで、少し、寒肥でもやってみようと思っている。
今夕は、柚子湯だ。カボチャも食べよう。
子供の頃は、柚子湯はなかったが、カボチャはたくさんあった。収穫して縁側などで干していたカボチャはポクポクして美味しかった。こちらの小さくてジメッとしたカボチャは好きでない。
我が家では、何故かカボチャをお汁粉で食べるのが冬至であった。


2011年12月21日水曜日

イノシシの頭骨のオスとメスの違い Sexual Dimorphism of Wild Boar'Skull

先日のtake隊員のコメントに応えようと思って、イノシシの頭骨を撮っていたら。
これまで見つけることができなかったイノシシ頭骨の性差が分かった。
まず、このことをアップしたい。
オス頭骨(♂)
メスの頭骨(♀) 
こうやって見ると、一目瞭然だ!オスは左右の眼窩の間の前頭骨部分が鼻骨にかけて急激に落ち込んでいるが、メスの前頭骨から鼻骨にかけてはほぼ直線だ。

誰もが指摘しているイノシシの性差は犬歯の大きさと犬歯部分の歯槽部分の骨(〇部分)である。
もちろん、左はオス(♂)で右は(♀)だ。 
ちょうどオスとメスのブタの頭骨をいただいていたのでアップする。
この性差は明らかであり、さらに、眼窩間の前頭骨部分の落ち込みを見つけることができた。
♂のブタの頭骨
メスのブタの頭骨 
眼窩間の前頭骨部分の性差は、資料数が乏しいので個体差だと考えていたが、
2個体しかないブタ(標本♂1、♀1)でも、同じことが言えるということは、
イノシシ類の性的二型の一つであることはまちがいないだろう。
この性差がどのような要因で形成されるのかこれからの課題である。
また、イノシシとブタを比べるとブタでは口吻部分が短くなっている。
歯式は変わらないのだ。これも興味深い。

2011年12月18日日曜日

岡山県、臥牛山のサルの糞内容物

先週15日、会議が終わった後、僅かの時間であったが、臥牛山のサルの群れを探しに行った。
会えなかったが、2週間くらい前のものと思われる古い糞や15日の朝のものと思われる新鮮な糞を拾ってきた。
今の時季のサルたちは、秋の実りを追い求めて遊動生活を楽しんでいる。
どんな種子が出てくるか楽しみであった。
 
上の新旧の糞の内容物はほぼ同じ3種類の種子が出てきた。
それは、下の写真の上部の豆状のもの、その左のサルナシの種子、右の草本の種子だ。
中央の円形のは、ケンポナシの種子である。これは上の古い糞から出てきた。
下方の物は、上部の豆状の種子の種皮である。
どうも、この種子の胚乳を食べたようだ。
新しい糞の色は、この胚乳を食べた色ともいえる。 
豆状の種子の大きさ 
左側の5個は割れていないもの、右側の6個は胚乳部分が無い。
この種子は?
これは、先日k-ta隊員によってしらされたケンポナシのものだ。
下はイノコズチのようないくつかの草本の種子をしごいて食べたと思われるが、、、。 
丹沢のサル糞には、このところ全く注意を払っていなかったが、あらためてテンやタヌキ以上に多様な食物を食べているサルに注目しなければならない。


江戸時代の骨が語る

江戸時代の人々の骨
昨日の朝日の夕刊の記事「江戸を語る人骨1万体 小柄な体・栄養失調・伝染病」
http://www.asahi.com/national/update/1217/TKY201112170155.html
の記事にはかなり驚いた。
今まで描いていたと云うか知らされて思い込んでいた江戸時代のイメージと全く異なる民衆の生活だ。是非、クリックしてみて!
文化爛熟の時代で人々の生活も豊かだと思っていた。
栄養状態が悪く、平均身長が男で150センチ台で、女が140センチ台だったようだ。
落語の熊さんや大家さんが出てくる長屋の生活はスラムだったようだ。
表面の華やかな江戸文化を知らされてきたが、貧しい人々の生活は想像以上に酷かったのだ。

2011年12月17日土曜日

アナグマの頭骨から、、、Skull of Badger

12月9日の丹沢実習で、谷太郎林道から鳥屋待沢の左岸を歩いていて
アナグマMeles melesの白骨死体を見つけたことはアップした。
このアナグマ、左右の下顎骨が縫合・癒着して、左右の境目がまったく
分からない状態に合体している(下写真)。
「頭骨コレクション」に載せたアナグマの頭骨は、
老齢のために左右の下顎骨の合体が生じたと考えた。
下写真の新たな頭骨を見ると、歯の摩耗があるのは、下顎の左の3本の切歯が
摩耗したのか折れて落ちたのかわからないが、この部分だけである。
拾い集めた歯を見てもひどく摩耗しているわけではないことは写真をみても分かる。
つまり、老齢のために左右の下顎が合体したわけではないようだ。

このアナグマの頭蓋骨を含めて、イタチ、テンなどのイタチ科の頭蓋骨は多くは、
前頭骨、頭頂骨などの縫合部分がまったくわからない、
当然だが、左右の前頭骨、頭頂骨の縫合部分も不明になっている。

まだまだ標本数が少ないのではっきりしたことは言えないが、イタチ科の仲間の中でも
アナグマは生後2年も経てば左右の下顎は合体するのではないかと疑っている。
サルは胎児の時に、イノシシはウリボウの時期に左右の下顎が合体することから
食物の食べ方と咬筋の付き方、さらには下顎骨との関節の形状が
左右の下顎骨を合体させやすくしているようだ。
いずれにしてもこれからの課題だ。

2011年12月15日木曜日

臥牛山のサル

臥牛山のサルには会えなかった。
委員会の後、臥牛山の以前の餌場に行った。写真は餌場の前を流れる高梁川と対岸の山だ。
全国に7箇所ニホンザルの天然記念物指定地域がある、下北半島脇野沢、千葉県高宕山、大阪府箕面、岡山県勝山と臥牛山、大分県高崎山、それと宮崎県幸島だ。昭和30年代から40年代にかけて各地でニホンザルがが餌付けされた。
社会教育、自然教育と云うことであった。修学旅行でサルを見に行った。
サルの付加価値を付けてお客を呼ぶ工夫が凝らされた。その一つが天然記念物指定だった。
町や市がこぞって文化庁に働きかけた。
今ではサルがお荷物になり、指定を解除してもらいたいと考えている。しかし、文化庁は住民の勝手は許さない。
農作物に被害を及ぼしても有害鳥獣で捕獲は出来ない。保護管理をしなければいけないのだ。

2011年12月14日水曜日

備中高梁へ

明日、8時半から天然記念物臥牛山生息のニホンザルの保護管理委員会だ。
明日の始発では間に合わないので、この時間に行かなければならない。
もう若い研究者にバトンタッチするために5年位前に岡山県内の大学に勤務する人に来てもらった。
しかし、何故か辞めさせてもらえない。
ぼくが行くことで交通費が三万ちょっと掛かる。税金の無駄遣いだ。
ぼくが辞めたいと思っているのは他にもある。それは文化庁や市の姿勢だ。
10数年前に報告書を作った。が、中身が全く伴わない。
保護管理に実際に携わるねが、定年退職した人たちだ。
臥牛山のサルの保護管理をしっかり考えていける若者に道を提供すべきだ。
まるで天下りのような枠があり、それも地方の活力を失なわせる一因だ。

新幹線の中から

2011年12月13日火曜日

丹沢実習:GPSの軌跡、

9日の雪の日に歩いたGPSの軌跡
ウエイポイントは写真を撮ったところ。
谷太郎林道から物見峠・三峰の稜線までの尾根は、6年前に比べて道がはっきりしている。特に稜線沿いはササヤブでひどかったが、ササが枯れかかっており、道が明確だ。
標高600メートル以上からは雪がしっかり積もったが、それより下ではすぐ融けてしまった。
残雪となれば、朝、夕は雪が凍るので稜線歩きは4本爪以上のアイゼンが必要だ。
サルの足跡は標高800メートル近い稜線を超えていた。
なお、軌跡上では歩いた距離はジャスト10キロだった。