日本にはヒト以外の霊長類として、直鼻亜目真猿型下目狭鼻小目オナガザル科、オナガザル亜科ヒヒ族PapioniniのニホンザルMacaca fuscataが生息するが、アフリカのオナガザル亜科にはヒヒ族のマカク属Macacaやヒヒ属Papio、マンドリル属Mandrillus、ゲラだヒヒ属Theropithecus、オナガザル族にはCercopitheciniのオナガザル属Ceropithecusやパタスモンキー属Erythrocebusなどが生息する。マカク属やヒヒ属は発情すると性皮が赤く色付いたりして形態も社会構造も良く似ている。
そこで、手持ちの頭骨標本で、ヒヒ族とオナガザル族の頭骨を比べてみた。比べたのはヒヒ族のニホンザルとキイロヒヒとオナガザル族のサバンナモンキーである。
ヒヒ族Papionini
図1.ニホンザルMacaca fuscata♂の左側面からの頭骨
図2.キイロヒヒPapio cynocephalus♀の左側面からの頭骨
オナガザル族Cercopithecini 図3.サバンナモンキー♂Chlorocebus aethiops
図1,2のヒヒ族と図3のオナガザル族の側面から見た頭骨で、ヒヒ族の方が口吻部(眼窩から前方部分)が長い。それと眼窩内が図3のオナガザル族のサバンナモンキーの方が良く見えることだ。
これは、上から見てみると良く解かる(図4)。オナガザル族のサバンナモンキーの眼窩はヒヒ族のニホンザルやキイロヒヒの眼窩よりも正面ばかりでなく少し左右の側方にも向いている。
図4.左からニホンザル、キイロヒヒ、サバンナモンキー
ここでアップしたキイロヒヒはマハレ国立公園から東のムエセに向かってサファリしていて焼け野原で見つけた。サバンナモンキーはこくりつ公園に接するカロルア集落で撃たれたのを頭骨だけ貰った。いずれももう30年近く前の事だ。
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