図1の丸太は、タンガニーカ湖東岸中方に出臍のように突き出すマハレ山塊周辺の人々が作るミツバチの巣箱だ!
人々は丸太を二つに割り、中をくり貫き、二つを合わさる部分に2センチにも満たない小さな穴を作る。そして、牛糞を中に塗って二つを合わせる。合わせ目は粘土で貼り付ける。それを木にぶら下げたり、岩場の隅に置いたりする。
すると、ミツバチが寄ってきて中に巣を造る。下の巣箱の右上端に残ったハチがかたまっている。
図1.1996年9月、マハレからムエシへのサファリで見つけたミツバチの巣箱
ミホンボ(半乾燥疎開林)に転がっていた
実は、キンシコウ調査で泊まった秦嶺山脈山麓の玉皇廟村では、多くの農家で図1のものと同じ物を作っていた。しかし、ここでは木にぶら下げているのは見なかった。岩場の雨が当たらないような所か牛小屋などの家の壁に図2のように置かれていた。
図2.泊まった楊家の壁に架けられたミツバチの巣箱
図3.図2の巣箱を拡大
動物が似たような生息環境では同じような進化をする。例えば、オーストラリアの有袋類は草食、肉食、雑食の動物たちを産み出し、他の大陸の哺乳類と同じように適応放散している。これを平行進化と云う。ぼくら人も似たような環境下では似たような物を作る。
くくり罠を応用した小動物を捕獲するさまざまな罠があるが、台湾の高砂族、マハレ周辺のトングエ族、秦嶺山脈山麓の人々、あるいは日本の田舎の人たちが作る罠はほぼ同じようなものだ。
沖縄の石垣島や宮古島のお墓は台湾の中国人のお墓と同じように斜面に大きな穴を掘って、その周りを石でかためた立派なものだ。このようなお墓は古代エジプトのファラオの墓も斜面に大きな穴を掘り周りを石で固めている。
上の丸太のミツバチの巣箱もそれぞれの地域の人々が独自に考え出したものだろうか?それともどこかに源があるのだろうか?
尚、インドネシアでも丸太をくり貫いた巣箱を木からぶら下げているようだ。
ヨーロッパでは藁を織り込んだ物、土器の物が伝統的な西洋ミツバチの巣箱で、箱型の物は最近だ!
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