昨日に引き続いて脛骨と腓骨だ!
今日は、上はカモシカCapricornis crispusの右の脛骨で下はイノシシSus scrofaの右の大腿骨と脛骨、腓骨である。
カモシカは脛骨だけで腓骨が無いのは山の中で白骨した死骸を見つけ、他の骨は拾い忘れたのかと当初は考えていた。しかし、猟期に射殺されたシカの解体後に残された骨でも同じように腓骨が見当たらないことからカモシカやシカには完全に腓骨が無いということが分かった。
今、無いと書いたが、腓骨が不必要な為に進化の過程で消失してしまったのか?
あるいは、脛骨と合体していったのかは不明である。
カモシカもシカもイノシシも鯨偶蹄目CETARTIODACTYLAであり、早成性の赤ん坊を産み、巣を持たない。違いはカモシカやシカは一腹一子だが、イノシシは複数子産む。
頭骨や食性でもカモシカとシカを類似しているが、イノシシとでは多くの違いがある。
イノシシは後ろ足を使って、自分の身体をイヌやネコのように掻いたりするのだろうか?
尚、恐竜はもとより、カエルやトカゲの脛骨と腓骨はバラバラだ。
脛骨と腓骨の問題はまだまだ時間がかかりそうだ。でも、形態学の世界ではもう既に自明のこととして明らかにされているのかもしれない。ご存知の方教えて下さい。
9 件のコメント:
隊長と同じように考えてましたが、イノシシは違うのですね。骨格標本を何度も眺めましたが、シカとの違いは分かりませんでした。
脛骨と腓骨は大腿骨があってその下にくる骨だから、動物たちに後足の使い方、歩き方、走り方が骨にあらわれていると思っている。
しかし、イノシシとシカやカモシカとは後足の動かし方がどのように違うのだろうか?
どうも、気になる。ブタを飼っているところにでも行ってブタの動きを観察したいと思うが、、、、今のところはイノシシが出てくるビデオを見ても解らない。
ちょっと気になるのはイノシシの大きな副蹄ですが、シカよりも地面などに副蹄跡が多く残っていて、より使われているのが分かります。
これを動かすのに関係ないですかね?
なるほど、確かにイノシシの副蹄は大きいし、それが地面にも足跡として残る。
副蹄は第二指と第五指だから、副蹄に体重が掛って開いたり狭めたりしていることが分かるね。すると、第二指や五指に体重のかけたりしなければいけない動物は腓骨は脛骨としっかり独立して離れるということだろうか?
ノウサギやネズミたちの脛骨と腓骨が中頃で合体してしまうのは、シカたちの腓骨が消失してしまった場合とどう足の使い方が違うのだろう。
面白い!
色々考えてみました。そんで、シカとイノシシの違いは登山靴と運動靴の違いじゃないかと思うようになりました。
登山靴と運動靴で道のない急斜面を歩いたとします。ヤマネのお宿を架けたような場所を想定してください。運動靴の場合、足首に負担がかかり、足の角度を変えたりと腓骨が動くことになりますよね。
イノシシは背が低く、あんなブッシュを生活の場としています。イノシシの獣道は土の急斜面によく見られます。ときに垂直に付けられた足跡もあります。副蹄はこの急斜面を下りるときのブレーキ的役割で使われることが多いだろうと想像します。
そんな場所は足首あるていど左右に動かして、地面とフィットさせながら下る必要があるのかと思いました。
どうでしょうか?
「垂直」ではなくて「斜面に対して直角」ですね。
それと、シカの足を登山靴として、イノシシのは運動靴でなく、足首のよく動くハイブリッド登山靴あたりかも。
take隊員へ
ふむふむ。そうだね。素晴らしい。
あとは足首の方で第二や第五指の腱や筋肉がどのように腓骨についているか調べれば、サルやイヌの腓骨と脛骨が離れているのや、ウサギやネズミが途中で合体しているのも分かりそうだ。
いやー、忙しいところコメントありがとう。
アマチュア堰堤観察家のTI-AEK29と申します。
fukuda先生には5年ほど前「能ノ爪」付近でお目にかかりました。その折には失礼しました。
さて、小生をいつもご指導下さるEA師が西丹沢のミツバ岳付近でアナグマの採食動画の撮影に成功されました↓
http://31773023.at.webry.info/
よく肥えた個体が敏捷にドングリの類を一心不乱に探しているように見えます。
先生の調査に「アナグマの糞には腐葉土を漁って落ちている実を食べるせいか腐葉の切れ端や土砂が半分以上を占める」とありましたが、なるほどこういう採食であればそうなるな、と思った次第です。
TI-AEK29さんへ
コメントありがとうございます。
早速、EAさんのアナグマの採食動画を拝見しました。ずいぶん長く採食している姿が撮れていますね。2度見ました。恐らくこれからも時々見ることになると思います。
EAさんに宜しくお伝えください。
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