1月30日にノウサギや、モグラ、トガリネズミ、ハタネズミなどの脛骨と腓骨についてアップした。http://tanzawapithecus.blogspot.jp/2014/01/the-fibula-that-is-coapted-tibia.html
ここで、ぼくは日本産の齧歯目の全ての脛骨と腓骨は癒合合体しているように述べた。
これは、間違いである。
アップしてから気になって1992年8月に送られてきたエゾシマリスの骨を見直した。
これは日本動物植物学院を卒業した教え子から送られてきたシマリスであった。
教え子は大雪山を登山している時に、登山道に転がっていたエゾシマリスを拾って送ってくれたのだ。が、腐らして骨にしてみると頭骨はばらばらになっており、
死後、登山者に一度踏まれたものと思われた。
頭骨を組み立てることができなかったが、頭骨の破片はフィルム缶に容れて、
他の骨と一緒にジャムの空き瓶に容れておいた。
そのシマリスを思い出して調べてみたのだ。
左右の大腿骨や脛骨、腓骨を並べた。
上が左側の後足(下肢)で、下が右側の後足(下肢)のものにあたる。
ノウサギやモグラ、ヒミズ、ハタネズミでは腓骨と脛骨が足首の方で
癒合合体しているが、エゾシマリスではタヌキやサルのように離れている。
実は、このことによって、腓骨と脛骨が足首の方で癒合してしまっているノウサギやハタネズミなどやさらにはシカやカモシカのように全面的に癒合合体してしまっている動物たちと癒合していない動物たちの後足(下肢)の動かし方の違いに大きなヒントを得たことになる。
哺乳類などの四足動物は前肢と後肢があり、前肢は上腕骨と橈骨・尺骨および手首から先の骨があり、後肢は大腿骨と脛骨・腓骨および足首から先の骨がある。
後肢の脛骨と腓骨が一部でも癒合・合体している動物は多くいるが、
前肢の橈骨と尺骨が癒合・合体している動物は極端に少ないだろう。
それは、前肢は採食時に食物を抑えたり、つかんだりするために、手首から先が回転運動しやすいようになっている。そのため、橈骨と尺骨が癒合・合体してしまったら、前後運動しかできなくなり、採食するのに不都合になる。
しかし、後肢では、シカやカモシカでは全面的に脛骨と腓骨が合体しているため、
後肢で地面を掻いたりはしません(よね)。ただ、歩くための道具としか使われていない。
ウサギやネズミで脛骨と腓骨が足首の方で癒合しているので、彼らは足首(or足先)を前後(上下)に動かすことはできても回転させることはできないのだ。
と云うこと考えになったのだ。でも、本当のところは解からない。
どなたか教えて下さい。
2 件のコメント:
リスは後足を複雑に回転させ、幹を頭から下ったり、回ったり、枝にぶら下がることもできます。
手と同じ動きが可能なのですね。
なので癒着しててはダメなのでしょう。
ムササビやモモンガ、ヒメネズミあたりはどうなのでしょう?
take隊員へ
そうですよね。リスは幹を頭から下がったりできますね。
腓骨も結構太いのはそのせいでしょうか?
ムササビ、モモンガの骨格をネットで見ました。一つはっきりしない。
ヒメネズミより、カヤネズミも腓骨と脛骨は離れているのかな?なんて考えております。
自分の標本で、1日中ながめていたい。
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